影響のデザイン
会社、チーム、コミュニティに属さずとも、圧倒的な個人力がある人は沢山いるし、実際、個人が着目される時代になっている。
では、現代人は周囲と関わる必要が無いのだろうか?
ここでスポーツを例に考えてみる。
「超えられない」と思われていた記録も1人が更新すると周りも追従することは良く知られている事実だ。もちろん、これは技術の進化やトレーニング方法の確立等も影響があるだろう。ただし、このような傾向はスポーツ以外のジャンルにも当てはまることを思うと、人は想像以上に影響しあえる生き物だといえるのではないだろうか。
ここから見えるのは、自分を変えたければ、このような「影響の力」を活用した方が良いということ。
「アンパンマン」の作者 やなせたかし氏の言葉を引用しよう。
非常に興味深い言葉だと思った。
真の喜びは、自分がやりたいことを行うことで満たされるのではなく、人を喜ばせることで湧き上がるというのだ。
私自身、モチベーションがどこからくるのか疑問に思っていたことがある。当初は「反骨信」だと思っていた。「現状を変えたい」「見返してやりたい」「そのためには実績が必要だ」というような感情だ。
ところがである。ライブイベントや講義の機会をいただくにつれ、本当に楽しいのは人の笑顔に触れる時だと気が付いた。演出を見てくれた方のコメントや、講義の感想をもらえた時。このような瞬間こそ最高に楽しいし、反骨信からくるエネルギーをはるかに凌駕する喜びがある。
反骨信からくるエネルギーはすり減る感覚、笑顔に触れる喜びはエネルギーが無限に湧き上がる感覚という例えが分かりやすいだろう。
人は、「影響の力」をデザインしたとき、周囲はもちろん、自分も豊かになる。端的にいうならば、生きがいの源泉は利己ではなく利他にある。
きっと、そのように設計された存在なのだ。
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