私の本の選び方
私は本を選ぶ際に、書かれてから年月が経っても、まだ「生き残っている」ものを選ぶようにしている。
現在、日本では1年間に 約7万点もの本が出版されているそうだ。そして、それらの本の大半は数年経つと 出版されなくなってしまう。
それらの本を全て読む など、物理的に不可能なことであるが、そもそも、本はたくさん読めば良いというものではない。
多読による雑多な知識よりも、自分なりの意味をふまえて、関連付けられた知識の方が生きるうえでの価値がある。
だから、その著者なりの意見や切り口があるものを、じっくり読むのが良いように思う。
ただ残念なのは、本というものは、読んでみないとその内容がわからないのである。
ざっと見れば おおよその内容はわかるが、その本の本当の面白いところは、やはりじっくり読んでみないとわからない。
そこでその目安として、長い年月を経てもまだ販売されている、あるいは読まれている物を選ぶようにしている。
年月を経ても読まれているものは、その本固有の何かを持っているから、生き残っているのだと思う。
もう一つの基準として、複数の候補がある場合には、それらの中で、できるだけ薄いものを選ぶようにしている。
少ない ページ数でも長い年月を生き残っているということは、それなりの凝縮された価値というものが、その中にあるように思うからだ。
これらの薄い本は、本来文章を書くことを生業としない人が、本当に「伝えたい」から書いているものが多いように思う。
選ぶ本の分野については、あまりこだわらないようにしている。 その方が、思わぬ発見があるかもしれないからだ。
ただ、どういう本を面白いと思うかは読む人によって全く異なるものなので、タイトルや内容をざっと見て、フィーリングの合うものを選択するので良いと思う。
本というものが書かれるようになってから、何千年という時が流れている。それらの年月のフィルターをかいくぐって生き残ってきた本には、時代を超えて変わらぬ何かが含まれている。
ともすると忙しくなってしまう日々の生活の合間に、そのようなメッセージに耳を傾けて見るのも、また興味深いのではないかと思う。