話題のChatGPTが論文の著者に!!! その是非について
1. 要旨
対話型AIとして話題になっているOpenAIのChatGPTが論文の著者になっていました!
現時点(2023/1/22)で、PubMedでは1件ですが、査読中のものなど含めると分かっているものだけでも4論文あるようです。4つのうち、2つの論文は共に医療領域(看護教育、医師試験)でした。
NatureでもNews(2023/1/18)として取り上げられていました。
・ どんな論文の著者になっているのか?
・ ChatGPTが論文の著者になれるのか?
についてNatureの記事をベースに述べたいと思います。
2. PubMed検索
PubMedでChatGPTを著者とする論文を調べてみると1件ヒットしました!
2022年12月16日ですので、1ヶ月前に出ていたようです。
"Editorial"(論説)なので、学術論文ではありませんね。
タイトル
「オープン AI プラットフォーム(ChatGPT)は看護教育において有用か有害か?」
ChatGPTにも連絡先がありました!
所属: OpenAI L.L.C., 3180 18th Street, San Francisco, CA 94110, USA
連絡先: support@openai.com
ここに問い合わせたら、ChatGPTが回答してくれるのでしょうか!?
3. Nature News
そんな中、NatureからもNewsとしてChatGPTが著者として記載されることに疑問を投げかけています。
ChatGPTが著者となっている残り3つの論文
こちらはChatGPTが米国の医師国家試験(USMLE)を合格点に近い点数でクリアしたという論文です。
以下の2つの論文ではChatGPTが筆頭著者になっています
ChatGPTが著者となることへの議論(Nature)
Natureが連絡を取った出版社は、ChatGPT などの AI は研究著者の基準を満たしていないことに同意
なぜなら、AI は科学論文の内容と完全性について責任を負うことができないから一部の出版社は、AI の論文執筆への貢献は、著者リスト以外のセクションで認められると述べている
香港の 創薬AI企業である Insilico Medicine の最高経営責任者である Alex Zhavoronkov 氏は、Oncoscience誌の共著者として ChatGPT の功績を認めた。彼の会社は、ジェネレーティブ AI ツールによって作成された 80 以上の論文を発表したと言います
Nature and Scienceの編集長「私たちが発行した論文の著者として AI を記載することは許可しません。適切な引用なしに AI によって生成されたテキストを使用することは、剽窃とみなされる可能性があります」
双方の意見がありますが、現時点では、ChatGPTなどのAIは論文の著者としては認められない、というのが一般的なようです。
ただ、今後、より高性能のAIが出てくることが予想され、各ジャーナルが著者の条件について検討し、新しいルールを設ける必要がでてきそうです。
4. 最後に
ChatGPTが出てからまだ2ヶ月も経っていませんが、このスピード感は凄いですね。2023年はAIが実社会に大きな影響を与え、それに伴う変化に対応する必要がありそうです。この著者問題もそのひとつの現れと思います。
この変化に注目し、AIを体感していきたいと思います。
なお、間違いがあれば、DMなどでご指摘頂けましたら幸いです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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