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障壁の必要性 : いかに「めんどくさい」と思わせるか

様々なことが便利になった世の中。

家事はどんどん自動化とアウトソーシングが進む。

世界中どこでも飛行機を使えば、昔ほど時間をかけずに行ける。

学ぶことや体験についても、もはやボーダーフリー。

知りたいことは検索エンジン・生成AIでいつでも知ることができる。

聴きたい音楽は無料でどこでも溢れている。

デバイスさえあれば、可能性はどこまでも広がっていく。

10年前と比べても、大きな変化があった。

100年前からしたら、もはや違いが多過ぎて訳がわからない。

1000年前からしたら別世界。

便利であるということ、それは障壁が取り払われているということ。

それはとてもありがたいことであるかもしれない。

しかしながら、障壁が低すぎることによって、多くの問題が生じているのも気になるところ。

いつも混み混みである場所、行列で3時間待ち、予約順番待ちで最低1年待ち。

人が少ないということで快適さを求めるということが、かなり厳しくなった印象がある。

そのことについて恩恵を受ける人から、恩恵から遠ざかる人まで様々。

そのような中で、新たな障壁を作る流れができてきている気がする。

その基本はとても簡単。

それは相手にいかに「めんどくさい」と思わせることが出来るかどうか。




めんどくさいこと、それは人によってそれぞれ。

時間を無駄に使うことは、めんどくさい。

行列には並びたくない。

努力をすることはめんどくさい。

わざわざがんばりたくない。

続けることはめんどくさい。

気が付いたら三日坊主。

覚えることはめんどくさい。

英単語や漢字、覚えることは苦痛。

家事に時間を使うことがめんどくさい。

時短家電を使ったところで、たかが知れている。

その多くのめんどくさいというものによって、障壁が生じている。

もちろん中にはお金をかけて簡単に解決できるものもあるかもしれない。

しかしながら、お金をかけても解決できない面倒くささ、その部分が障壁としてしっかりと機能しているものが増えてきている気がする。




どんなことにめんどくささを感じるのか。

そのめんどくささをいかに認識させるのか。

ずるしてクリアできてしまうバグや抜け穴を防いで、めんどくさいという障壁を維持し続けるのか。

めんどくさいと思わせるハードルをいかに多く設定することが出来るか。

高嶺の花はさらなる高根の花として機能させることが出来るのか。

そのことに対して、多くの人が障壁を取り払おうと努力していき続ける。

障壁の解除、それは人類の発展であり、めんどくささから解放されるということ。

とはいえ、その障壁が無くなっていく行き過ぎた分野に、新たに障壁を設けていくこと、実はとても大切なことなのかもしれない。

そうしなければ、色々と制御が効かなくなってしまう物事も多くあるのだろうから。

そのためにも残すべき「めんどくささ」というものがあるのではないだろうか。




ありがとうございました。

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