賃上げ以上に、実労働時間を削減する方向へのシフトが必要
春闘が始まろうとしている。
労使交渉が今年もスタートする。
企業によって方針や色が異なるものの、今年こそはと息巻いている労働組合の人は多い。
物価上昇が続いて生活コストが高くなり、多くの家計が苦しくなっている。
だからこそ目標は、物価上昇以上の賃上げを実現させること。
経団連や政府というお上が号令を発しているから、ある程度は方向として賃上げができるに違いない。
特に大企業と呼ばれるところは、内部留保が貯まっているところもあり、使いどきを伺っている。
というのもインフレ時代においては、お金の内部留保として貯めてきたものの価値がなくなってきているから。
だから企業としては何か効果性のあるもの変換するという事で、価値を保全しようとする。
方向としては自社株買いや福利厚生の充実があるかもしれないが、恐らく給与も少しは上げていくにちがいない。
そきて企業としては、給与を抑えた結果が人に選ばれなくなるリスクに危機感も持っている。
価値を生み出すのは内部留保ではなく、人そのもの。
AIがやってきたとしても、人に必要な仕事部分の区別が明確になるだけ。
人がコストから財産に変わってきている。
そしてこれから少子化で減っていく若者に選ばれる為に、時には新人の給与を上げて初めからベテランレベルとしていく。
まさに同一労働同一賃金が実現されるのも近いのかもしれない。
そして実力があれば昇進や給与増額も年齢関係なく進めるようにする。
大きく会社が変わりつつあるように感じる。
そして同調圧力を感じるかのように、次から次へと我先にとまわりの企業が変化していく。
今までの会社からすると考えられないくらい労働者に優位に働く春闘になるに違いない。
従業員の給与アップに、追い風が吹いている。
そして個人的には給与アップはそれで良いが、それ以上に実労働時間の削減があるべきだと思っている。
100時間残業という、労働時間の法定ギリギリまで残業させてOKとするのではない。
裁量性としてみなしとしているから、問題なしとするのではない。
例えば8時間で決まっているのなら8時間とするように目指す事。
もし既に8時間なら6時間労働のように、より短くしていく事。
他にも、週休3日や4日とするのも面白いかもしれない。
これで労働時間削減前と同じ給与であるのなら、なおのこと良いと感じる。
もしかしたら時間が豊かになる一方で労働時間が減り、一時的に生産性として落ちるように感じるかもしれない。
でも今の時代と技術の進化からすると、長期的に見た場合様々な面で良い方向に効果が現れると思っている。
というのも、個人の時間が確保できて心に余裕があることは、様々なことに対して柔軟になりやすいから。
新たに生まれた時間を休息に費やしてもいいかもしれない。
新しい体験にしてもいいかもしれない。
本を読んで知らない世界にアクセスするのも良いかもしれない。
もしかしたら実力がある人はその余裕時間を使って、さらに効率的に改善したり、イノベーションを起こす事が出来るかもしれない。
良い方向の循環が回る為には、時間の余裕というのが鍵になる。
だからこそ、今一度働く時間を減らしていくという事が必要。
それも少しとは言わず、劇的に変えてしまっても良いレベルで。
そうする事で、もしかしたらより多くの人に選ばれるような会社になるかもしれない。
そしてさらに余裕が生まれて、結果的にどこまでも発展していく。
もちろん、今回のインフレはディマンドプル型ではなくコストプッシュ型。
場合によってはスタグフレーションと解釈することもできてしまうような状態。
だから、そもそもの前提としての賃上げが成り立たない可能性もある。
ただ、それ以上にマインド部分を変えるという点では、なんとかそこは頑張って給与を上げることはあって欲しいもの。
それが出来るだけでも素晴らしいことには間違いない。
そしてそれができない場合でも、真の労働時間の削減は進んで欲しいもの。
余裕という時間の価値が高まっているからこそ、それをすることは大きな変革になる。
リモートワークの普及には、コロナという外圧があったからこそ進んだ。
となると、余裕を持つ事が価値になるという外圧的な何かがあれば、一気に変わっていくに違いない。
それはどのようなことだろうか。
それはもしかしたら、次の金融崩壊によって需要が完全になくなる、もしくは価値観が根本的に変わるという外圧かもしれない。
さて、実際はどうなっていくのだろうか。
未来は誰にもわからない。
ありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?