
戦争の禁じ手:日用品が爆発する恐怖と、それにより失われるものについて
イスラエルとレバノン・ヒズボラが争っていることが、ニュースになっている。
歴史をさかのぼるとかなりややこしいことになるのだが、どちらも主張を一歩も譲る気配がない状態。
ガザ地区での戦争・虐殺が始まり、それから何年も放置されている状態。
昨年の10月より報道されるような大きな争いになっているものの、そこからさらにエスカレートしている。
そして、現在イスラエルに関連する戦争において、禁じ手と言われることが報道されるようになってきた。
それは、日用品・通信機器に爆発物が仕掛けられる戦いになったということ。
日常に使うものの中に、爆発物が仕掛けられる。
イスラエル側がそれにより優位に立ち、戦争が新たな段階に進んだと主張された。
ある意味、この技を仕掛けることで、ヒズボラ側にとんでもない恐怖を植え付けることが出来たのかもしれない。
それによって、恐怖で通信機器が使えなくなり、使う事のリスクをしめすことが出来るのは大きいかもしれない。
しかしながら使われたのは日本製のトランシーバーやポケベルであることも情報として流れてきている。
このことに対して、実際に作ったメーカーの人はどのように感じたのだろうか。
自分が人々のためにとして作ったものが、意図せず相手を殺傷する兵器に早変わり。
とても心が痛むとともに、なぜこのような使われ方がなされたのかということについて大きな怒りを覚えるに違いない。
モノに対する愛情や、それに対する尊厳が踏みにじられることに対して、とてつもない悲しみを覚える人もいるかもしれない。
そして、爆発物を仕掛けた側に対して、今まで味方であったとした人であっても敵に回るかもしれない。
これはある意味で究極の敵を増やす行為として映るかもしれない。
果たしてこんな状態でよいのだろうか。
上記に増して、実はさらなる恐怖というものがある。
というのも、もしこのようなことが身の回りで当たり前になったらどうするのか。
その危険性に対する模倣犯が増えてきたらどうなるのか。
日常に使っている携帯電話が爆発するかもしれない。
もし新型のiPhoneに仕掛けられたのならば、新しいものを入手できた喜びは束の間で、喜びは大きな失望に変わるかもしれない。
ポケットに入れている場合は、足が吹き飛ぶかもしれない。
もしBluetoothのイヤホンに爆薬が仕掛けられていたのならば。
わずかな爆薬で、軽く頭は吹き飛んでしまう。
他にも自動車に仕掛けられる爆弾や、パソコンに仕掛けられる爆薬。
装置を起動させた瞬間に、周囲が吹っ飛ぶような状態を作られてしまう事。
このことが日常になることを許可したということが、現在の戦争のフェーズになるかもしれない。
ある意味、平穏な日常は疑いの目を持たれるとともに、完全に平和ではなくなったという事。
常に目に見えないどうしようもない恐怖で囲まれることになったという事に他ならない。
日本だから大丈夫というものでもない。
もしも、このことが当たり前に模倣されるようになったのならば。
数グラムの爆発物を仕掛けることそのものは、プロからしたらそんなに難しいことではないこと。
ということは、どのような国でも、ちょっとしたいたずらとしてこのことを実施してしまうこともあるかもしれない。
それがどのようなことをもたらすのか。
誰もが疑心暗鬼になり、おびえながら暮らす社会。
毎日がロシアンルーレット状態で、いつ誰の持ち物が爆発するか分からないという恐怖。
この状態を是としたのが、今回の戦争における禁じ手。
世界中にその可能性を広げることとなったといっても過言ではないかもしれない。
果たして、このことによる影響はどのような形で現れるのだろうか。
色々と世の中が複雑に、より厳しい方向に向かっていってしまうのだろうか。

ありがとうございました。