OXとHX - 組織変革と自己変革
緊急事態宣言も解除され、Covid19も次のフェーズに移り、新しい生活様式いわゆるNew Normalという状態が徐々に浸透され始めています。新卒採用という観点では、従来の経団連ルールに即し、就職活動がオフィシャルに解禁。企業側もこの状況下でオンライン面接の仕組みを急いで整備をされていようです。企業にとっても就活生にとっても”新しい”就職活動が開始されると思います。
<参考>
新卒採用選考、様変わり オンライン主流、始動前倒し
https://www.at-s.com/news/article/economy/shizuoka/771569.html
この状況下でSAP社から「働く人を中心に考える」という新しい人事コンセプトでの最新の人事ソリューション「HXM(Human eXperience Management)」の提供が開始されました。従来のSuccessFactorsに加え、クアルトリクスという従業員体験管理のソリューションを組み合わせて新たな人事ソリューションを打ち出していく方針のようです。興味深いのは、このソリューションをプラットフォームとして、SlackやDocuSignなどとのHR Techが組み合わせされている点です。興味深い点は日本のHR Tech企業であるヴァル研究所(駅すぱあと)やZENKIGEN社の「HARUTAKA」(Web面接採用ソリューション)との連携も発表している点です。プラットフォームだからこそできるローカル対応だと思います。
<参考>SAPが“働く人を中心に考える”新人事ソリューション「HXM」発表
https://ascii.jp/elem/000/004/014/4014411/
以前私がお伝えした通り、一つのCloud HR/HCMプラットフォームを核に、必要なテクノロジーが組み合わさっていくBlendedな状態が今後メインのアーキテクチャになっていくと考えています。そうすると本当に必要なデータが収集・蓄積され、「一人ひとり」への人事施策が可能になります。今回のSAP社の発表もこの概念を体現するものと理解できます。
つまるところ、今回のCovid19において今まで日本企業がPain pointsとしていた部分が一気に顕在化をしました。CHROだけでなく、CFOやCEOも含め人事を司るリーダーの皆さんの組織変革(OX =Organization Transformation)と人間の変革(Human Transfomation)ができる企業が残っていくと考えられます。
種の起源で有名なチャールズ・ダーウィンは、
生き残る種というのは、最も強いものでもなければ、最も知的なものでもない。最も変化に適応できる種が生き残るのだ。
と述べています。また歴史学者として著名なアーノルド・トインビーは
人類史における文明の発生、そして成長。これらは、「自然・環境」、「他の人間社会」の外部環境の変化、また人間自身の変化を含めたありとあらゆる『挑戦』を受け、それに『応戦』していくところに実現した
と述べ、チャレンジアンドレスポンスの概念を提唱しています。
この時代即応の考え方をするためにアジャイルかつレジリエンスな組織に変革できるかがキーになってくるでしょう。
Enterprise AgilityやOrganizational Agilityという言葉が昨今流行りだしています。サプライチェーン領域においては10年以上前からSense and Responceという言葉が流行っていましたが、これはデータを収集し(Sense)、観察・考察(Seize)して、反応する/アクションするという概念が、これが組織・人事領域においても仕組みとして必要になっています。
そして、この組織の一員である一人ひとりがGrowth mindsetを持ち、当事者意識を持って、自分自身の価値を社会のために組織のために伸ばしていけるかが2つ目の鍵です。OXとHXが今後のキーワードになります。
次回からこの不確実性の時代においてOXとHXを実現するための「リーダーシップとマネジメント」について考察をしていきたいと思います。