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ゲラ確認と授賞式とコスパ厨。あんこうの卵巣は情報量が多い。

日記を毎日つけ初めてから、かれこれ4年になる。誰に読ませるワケでもないけれど、日々の雑感やこなしたタスクを記録している。

今週はあまりにも色々なことがあったので、日記のボリュームがいつもより幾分多くなった。

だから、今日はその日記を公開したい。もちろん、公開不可能な情報は適宜秘匿させてもらうけれど。有料マガジンだと言っても、個人的な日記をすべて公開するのは不可能なのだ。


3月14日(月)

8時に起きた。コーヒーを飲みながら、編集者から送られてきたビジネス書100冊本のゲラを確認&修正する。PDFに書き込む形で。

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前著のゲラ確認は紙に書き込むという超アナログな手法だったけれど、今回はPDFだ。

僕はゴリゴリのペーパーレス信者なので、前著のゲラが郵送されてきた時は「今どきwww紙を郵送ww」と笑ったものだけれど、結論から言うと、意外にも紙の方がよかった。

それは、仕事してる感なしでチェックできるからである。


僕はほとんどの仕事を作業部屋のデスクで行なっているので、デスクでキーボードを叩いていると「仕事してるなぁ」という感じがする。

逆に言うと、仕事以外の時間は必ずデスクから離れている。本を読む時も映画を観るときも、リビングのソファに座る。人間の脳は単純だから、物理的に場所を切り替えるだけでモードが切り替わるものだ。(という話が、ビジネス書にはよく書かれている。真偽については分からないけれど、少なくとも僕の体感ではその通りだ)


そういうことで、前著の紙ゲラ確認作業はリビングで「読書するか~」という軽いノリで行なうことができた。1週間も経てば自分の文章は他人の文章に変わる。ソファに座りながら読み返し、「ふ~ん、おもしれえなぁ」と楽しんだ。自分で書いて自分で面白がれるのだから、自己完結的で幸せな人間である。ウロボロス作家。

もちろん単に読み返すだけでなく、気になるところは赤ペンで修正していく。この作業もちょっと楽しい。「読みながら気になったことを書き込む」というのは、読書+読書メモをつける作業とほとんど同じだから、仕事をしている感じがしない。


一方、今回はデジタルでのチェックなので、体感は完全に仕事だった。

PDFに修正指示を書くためにキーボードをガチャガチャ叩いていると、原稿を完成させる工場での一過程という感じがする。ベルトコンベアを流れていく原稿をチェックするイメージだ。

これは面白い発見である。チェックの効率はデジタルの方が圧倒的に良いんだけど、楽しさはアナログの方が上。僕は割と合理的な人間であると自負しており、「効率が悪いもの」を嫌っている。いわゆるコスパ厨ど真ん中なのだけれど、それでも、効率が悪い方が楽しいこともあるのだ


そう。この現象を一般化すると、「あえて非効率にすることで楽しみが増える」だ。

キャンプなんかと一緒だろう。家のコンロはつまみをひねればすぐに火がつくのに、わざわざ不便な薪に火をつけて喜ぶのと同じだ。

僕はキャンプをしょっちゅうやっている人を見て「おいおい。そんな不毛なことをして何になるんだい」なんて冷笑的な気分になっていたけれど、何のことはない、僕自身も非効率による楽しさを享受する存在なのだ。

でも、よく考えると、ソファに座りながらタブレットでゲラチェックすれば、楽しさと効率を両取りできる気がする。次回はそうしよう。とりあえずタブレットを買っておくことにしよう。


昼は丸ごと使ってnoteマガジンを書いた。以前は少なくとも丸一日の余裕を持って書き上げていたけれど、最近はいつも当日に書いている。仕事にバッファを持たせてゆっくり仕上げるのが好きなのだけれど、ここ半年はそんな贅沢ができなくなっている。


夜、ゆる言語学ラジオのサポーターとオンライン飲み会。土曜日にやった物販イベントの打ち上げ。イベントの思い出や裏話を話した。仕事がまだ残っているのでノンアル。

途中で40分抜けて、ゲラチェックに伴う編集者との打ち合わせ。編集者は22時でも当たり前に稼働していた。彼はいつ寝ているのだろう。

オンライン飲み会が終わって風呂に入ってから更にゲラチェック。終わらせてから寝た。ベッドに入るのは2時くらいになってしまった。


3月15日(火)

8時40分に起きる。慌てて起きて、ダンボールを組み立てた。

使い終わったビジネス書100冊を校閲のために徳間書店に送り返す必要があるので、朝からヤマトの集荷が来る可能性があるのだ。

本当は昨日の内に箱詰めを終わらせておきたかったのだが、疲れすぎて断念してしまった。朝やればいいと諦めて寝る技術ばかりが上がっていく。

ヤマトが来る可能性のある9時には何とか荷詰めが終わった。着替えてコーヒーを淹れて、少しだけ読書。

その後、確定申告作業をやる。今日までだから午前中に終わらせておこうと思ったのだけれど、e-taxが落ちていた。待てど暮らせど確定申告はできない。「おいふざけんなよ」と一瞬思ったが、システム管理者の気持ちを思うと同情の余地しかない。「e-taxの障害のために遅れました」と書いておけば申告は明日以降でもいいらしいので、諦めて明日に回す。


11時に動画編集スタッフが家に来る。今日更新のゆる言語学ラジオの最終編集と作業を一緒にやる。特殊な編集を要する動画だったので、いつもよりやや時間がかかった。途中で一緒にランチ。彼と家で作業する時は、とりあえず昼飯を奢る不文律ができている。僕はこれをログインボーナスと呼んでいる。

午後、サムネイル作りやタイトル付け作業の指示出しをしてから、溜まりまくっている雑務を処理した。振り込みとか、連絡返信とか、請求書の送付とか。

日が暮れきった後、編集スタッフと今週のタスクについて打ち合わせをして解散。

夜、ビジネス書100冊本に連動してリリースするWebサイトの制作準備を少しやった。サーバーの設定を整えて動作確認まで終わり。寝る前に少しだけ本を読んだ。『半導体の地政学』、面白い。


3月16日(水)

久しぶりにたくさん寝た。午前中にスケジュールがないのはありがたい。カフカも『変身』の中で書いていたけれど、早起きというものは人間をバカにしてしまう。

たくさん眠った上に、天気も良い。朝から読書をしていると、頭がよく動くのが分かる。こういうベストなコンディションで日々をすごしたいものだ。

午前10時に遅めの始業。e-taxが復活したらしいので、確定申告を終わらせる。僕が使おうと思っていた決算データに「e-taxの障害のせいで遅れました」ということを書くためには、Web版ではなくソフト版のe-taxを導入することが必要で、ソフト版を導入するためには4つの付随ソフトや証明書を入れなければならないみたいな結論にたどり着き、あまりのめんどくささにめまいがした。かぐや姫にむちゃくちゃを言われる婿候補はこんな気分だろうか。

結局、使う予定だったデータを活用するのは諦めた。e-taxの中の確定申告書作成コーナーに必要事項を入力して、別途確定申告データを出した。二度手間である。システムが落ちるのはしょうがないけど、「一言書けばいいぜ」からの、一言書くのが大変というトラップは勘弁してほしいなと思った。

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