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DM送ってきたヤバいバカ2選-自意識メリル・ストリープと世界のユメサワ
「あれ?日本の義務教育って廃止されたんだっけ?」
そう思いたくなるくらい頭の悪い人からのダイレクトメッセージがよく来る。
僕のDMボックスはカオスだ。半分はマナーも頭もすごく良い人からのメッセージで、「○○の記事面白かったですよ!この部分はさり気ない太宰治のパロディですよね?感心したので投げ銭しておきました!」とか、「□□についての情報を募集されてましたよね?こういう英語論文があるので参考までにどうぞ!」みたいなとても嬉しい連絡をくれる。
僕はその度に「うわ、こんな尊敬できる賢いフォロワーがいて嬉しいな」と思う。普通Twitterのフォロワーなんてごった煮のようなもので、フォロワーの知性は正規分布っぽくなるはずだ。
(画像引用元:統計Web)
だから、普通のごった煮フォロワー群なら、そんな賢い人からのメッセージはごく一部になるはずだ。
にも関わらず、僕のDMボックスに寄せられるメッセージの半分はすごく尊敬できる賢い人で占められている。これはほとんど奇跡と言っていい。主にこのマガジンの購読者層がこの奇跡を支えてくれているような気がする。いつも皆さん本当にありがとうございます。
そういうワケで、半分もこんな賢い人たちによって占められている僕のアカウントはごった煮どころか超高級な寄せ鍋なんじゃないかという感じもするのだが、そうではない。
残り半分のメッセージはもうホントにどうしようもない知的レベルのものだ。人類の下位2%の知性を煮詰めたみたいなメッセージで、知的レベルの差にめまいがする。
これは、アレだ。火鍋だ。
現代における火鍋といえば、優しい味の白湯スープと、唐辛子の辛味が効いた麻辣スープの両方が一度に味わえる形の中国式の鍋である。
火鍋における2つのスープは両方とも美味で嬉しいものだが、僕のDMボックスは違う。「かたや超美味なスープ、かたや泥水」みたいな感じ。
できれば美味なスープの方だけを味わっていたいのだが、DMは残念ながら開いてみるまで泥水かどうか分からない。スープだと思って開いたら泥水だったということが頻繁に発生する。そういう場合には強制的に泥水をすすらされてしまう。僕の毎日は強制火鍋ロシアンルーレットだ。「今日はスープだ!」「ああ~、今日は泥水か…」と一喜一憂しなければならない。
陰陽思想DMボックス
ところで、現在一般的な火鍋で使われる鍋は、中国の伝統思想である「陰陽」の概念に基づいて作られている。よく見るこのマークと形が一緒だ。
現代の火鍋は陰陽思想に上手になぞらえているため、中国人にめちゃくちゃありがたがられ、これほどまでに市民権を得た、というワケである。アイデンティティに結びついた食事は強い。
さて、基本的な陰陽思想の考え方はこんな感じだ。
・かつて世界は混沌(カオス)の状態だった。
・混沌の中から、光に満ちた明るい澄んだ気、すなわち陽の気が上昇して天となり、重く濁った暗黒の気、すなわち陰の気が下降して地となった
・森羅万象は、相反する陰と陽の二気によって消長盛衰する。
・したがって、陰と陽の二気が調和して初めて自然の秩序が保たれる
先ほど、「二極化したDMボックス」を思いつきで火鍋に喩えたのだけど、この喩えはかなり正しかった。陰陽思想を前提にしている点でも火鍋と同じだからだ。
僕のDMボックスは「光に満ちた明るい澄んだメッセージ」と「重く濁った暗黒のメッセージ」が調和している。めちゃくちゃしっかり陰陽思想の基本に則っている。僕のDMボックスは陰陽思想で運用されていたのだ。
というか、僕のDMボックスの方が火鍋よりもちゃんと陰陽思想で運用されている。
火鍋においては、陰陽思想と結びつけるためには「麻辣スープ=辛い=熱い=太陽=陽の気」「白湯スープ=辛くない=穏やか=地面=陰の気」という連想ゲームを必要とするが、僕のDMボックスにはもうそのままズバリ「陽のメッセージ」と「陰のメッセージ」が届けられている。まさかの火鍋越えである。喩えたと思ったら本家を越えていた。
火鍋よりしっかりした陰陽思想なので、僕のDMボックスは中国人にめちゃくちゃありがたがられるに違いない。中国に行く機会があったら自慢しまくろうと思う。
陰のメッセージ-義務教育って廃止された?
前述の通り、陰のメッセージは頭が悪すぎてめまいがする。
あれ?憲法26条改正された??義務教育って廃止されたんだっけ?みたいな世界観。
すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。
(憲法26条2項)
それは例えば、こういう人からのメッセージだ。
「お金はいらないので企画に参加させてもらえませんか?」という謎のオファー。どういうことだかさっぱり分からない。この時、僕は特にイベント企画などをやっておらず、何も参加者を募集していない。意味不明な連絡である。
「お金はいらないので」も謎だし。なんでちょっと僕がお前にお金を払うのを前提にしているの?
そして、なぜかこの手のアホからの謎の連絡は「あなたに興味を持ちました」と一方的に興味を告げられることが多い。いや、僕はあなたに興味ないんですが……。
っていうか、「あなたに興味を持ちました」って、どういう精神状態???要するに、「あなた、面白い子ね、気に入ったわ」ってことでしょ?めちゃくちゃエラそうだよね。一方的に人を審査するセリフだ。
「あなた、面白い子ね、気に入ったわ」、そんなエラそうなこと言える人いる…?よっぽどの権力者でも言えないよ。僕は一生言える気がしない。
言えるとしたら……そうだな、「ファッション業界で世界一と言ってもいい絶大な権力を誇り、”ニューヨークでは、誰もが私になりたがる”とすら豪語できるような人」かな……。
あっ、いたわ。
(映画『プラダを着た悪魔』より)
言ってたわ~。メリル・ストリープ、完全に「あなた、面白い子ね、気に入ったわ」みたいなこと言ってたわ。その一言でアン・ハサウェイを採用して、その瞬間からアン・ハサウェイを自由に操ってたわ。
意味不明な連絡をしてくるアホ、自意識がメリル・ストリープなのかもしれない。その一言で僕を自由に操れると思ってるのかもしれない。残念ながら彼は自意識だけメリル・ストリープで権力はゼロなので、僕は「アホだなこいつ」と認定するだけだ。
自意識メリル・ストリープと遊んでみる
自意識メリル・ストリープの相手をする義理は特にないのだけれど、この日はヒマだったので「アホだなこいつ」と思いながら返信してみた。
すると返ってきたのがこちら。
やっと彼の言わんとすることが分かった。「お金はいらないから企画の仕事を手伝わせて欲しい」ということらしい。
えっ、それを言いたくて「企画に参加させてもらえませんか?」って言ってたの?日本語力どうなってんの?オオカミとかに育てられたの??
なんでオオカミに育てられたのに自意識がメリル・ストリープになったんだろう…?俄然面白くなってきたので、ラリーを続ける。気づけば僕も彼に興味を持ち始めていた。
「多分こいつはろくなことできないだろうな…」と分かりつつ、「あなたには何ができるか教えてちょうだい?」と、僕もメリル・ストリープで反撃する。これが俗に言う”メリル・ストリープ返し”である。
劇中でメリル・ストリープに「ハリー・ポッターの未発表原稿を入手しろ」と無茶振りをされたアン・ハサウェイは、人脈をフル活用して見事に入手し能力を証明するワケだが、果たして彼はどうやって能力を証明してくれるだろうか…?ハリー・ポッターの未発表原稿はムリでも、何か面白い実績を見せて欲しい…!!
うん……まあ、お前はそんなもんだろうな……。いいよ……。期待してなかったから……。
僕は先ほど「能力を証明するもの」を見せろと伝えた。これはつまり実績であり、ハリー・ポッターの未発表原稿を手に入れた、というような明確なものが欲しかった。
しかし彼から返ってきたのは、極めて抽象的な自己申告のみである。「人に凄く好かれます」という小学生みたいな自己PRだ。それを聞いて「いいですね!じゃあ是非お願いします!」ってなると思っているのだろうか?アホの考えは複雑怪奇である。
そして、驚くべきことに彼は「相手のニーズを引き出すことが得意でWin-Winの関係を作れる」のだという。
今まさに僕のニーズを全く捉えられておらずバカにされているというのに、すごい自信だ。溺れながら泳ぎが得意だと豪語する人、初めて見た。
更に注目すべきは、「タイピングは少しならできます」の部分である。
彼のこのアピールからは、そもそも「タイピングが少しもできない現代人」など存在するのか?という興味深い命題が湧いてくる。速い遅いの差はあれど、「タイピングは少しもできません!」と宣言している人は見たことがない。
ほぼ全ての人が「タイピングは少しならできる」と思うので、彼のアピールは全く情報量がない。「私は普段食事をしています!」と同じくらい情報量がない。
更に興味深いのは、この部分。
めちゃくちゃタイピングに失敗している。
「関係にする事ができます」とすべきところを「関係にす事ですきます」と間違えている。これは少なくとも2個以上の間違いが混在している。1個の間違いなら「す事ができます」とか「する事できます」とかになるはずだ。こんな短い文章でよくこんなに間違うことができるものだと、逆に感心する。
ある意味、これは彼の正直さを示しているのかもしれない。今まで基本的に自信過剰で自意識がメリル・ストリープだった彼が「少しならできます」と控えめに表現していることは、「少ししかできません」というアピールに他ならない。
そして実際、少ししかできていない。彼は能力が極端に低いが、正直な人間ではあるのだろう。その正直さを活かしてどうにか社会で頑張って欲しいと思う。僕の仕事は絶対に手伝わないで欲しいけれど。
もうひとりの陰のメッセージを実名で紹介
と、まあこんな調子で僕の火鍋越えDMボックスには重く濁った暗黒のメッセージ、すなわち陰のメッセージが色々来る。
そのほとんどは量産型の陰であり、相手をしないで無視することも多いのだけれど、面白そうな陰の場合はなるべく返事をすることにしている。
そんなことをやっていると、タイピングが少しできる自意識メリル・ストリープよりも強い印象を残すヤツもいる。今日は特に強い印象を残した名作陰を紹介しよう。彼はその頭の悪さ・愚かさ・醜悪さ・意味不明さにおいて群を抜いており、「しょうもない人間ってのはこういう人のことを言うんだな…」ということがよく分かる。
なお、ここから彼のTwitterアカウントや実際のやり取りがバリバリ出るので有料になる。気になる方はぜひ課金して読んで欲しい。
単品購入(300円)もできるが、定期購読(500円/月)がオススメだ。8月は5本更新なので、なんと3倍のコスパである。いつ入っても今月書かれた記事は全部読める。ぜひ定期購読を検討されたい。
なお、タイトルの「世界のユメサワ」は、僕が最終的に彼につけたあだ名である。課金して読むとその意味が分かる(分かっても別に得はしない)。
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