参加者リスト共有のない飲み会をやめろ。アジェンダのない会議と同じだから。
ビジネス書によく出てくる教えで、「アジェンダ(議題)のない会議は罪」というものがある。
これは本当に正しい。僕はビジネス書を小バカにする本などを書いて生計を立てており、ビジネス書に出てくる大半の教えをくだらないと思っているフシがあるのだが、そんな僕でも太鼓判を押せる。これは本当に正しい。
「なんとなく1時間話しましょう」みたいな会議は、まず間違いなく時間のムダに終わる。目的は明確でなければならない。何のための会議なのか、事前に準備しておくべきことは何なのか、すべての会議はそれを定める必要がある。
「アジェンダのない会議は罪」という教えは広く信じられており、多くのビジネス書に出てきた。僕が観測した中だけでも、8冊ぐらいはこれを言っていた。それなりに普及していると言えよう。
しかし、構造はほぼ同じでありながら、全然普及していない教えがある。それは、「参加者リスト共有のない飲み会は罪」である。
「この日、友だち集めて飲むから来なよ」という勧誘はごく一般的であると思われるが、僕はこうやって誘われるのがあまり好きではない。参加者の情報を事前に共有してほしいからだ。
というのも、10人とかの飲み会になると「何してる人なんですか?」「◯◯です」「へえ~」みたいな話をしている時間がバカにならないからだ。ひどいときは、自己紹介だけで50分くらい消費することもある。
しかし、この50分は本来であれば不要な時間である。自己紹介を聞くのではなく、事前に参加者リストに目を通してくればいいからだ。
これは、会議にアジェンダが必要な理由と相似形をなしている。アジェンダがあれば会議の前に情報収集ができる。参加者リストがあれば飲み会の前に情報収集ができる。
うす~い質問しかできない
クリエイターが多く集まる飲み会で特に顕著なのが、「その人のことを知らなくて気まずい」である。以下に、飲み会でしばしば見られるやり取りを示す。
これ、僕は本当に100回ぐらい経験している。その度に、「事前に知っていれば予習して来れたのにな……」と悲しい気持ちになる。
たいてい帰り道でこの人の曲を聴きながら帰るのだけれど、「めちゃくちゃ良いバンドだ!!!」ってなることがしばしばある。で、好きな曲がたくさんできて、「今なら質問することめちゃくちゃあるのに…」ってなる。時すでに遅しである。
この手の経験を繰り返してきたので、僕はいつからか、友人を集めるときには簡単なプロフィールを一緒に送るようになった。
そして、確信を深めた。これ、参加者の満足度にめちゃくちゃ寄与するぞ、と。
プロフィールを共有すれば満足度が上がる
プロフィールを丁寧に書けば書くほど、ちゃんとした交流が生まれる。ポイントは、履歴書のような人物紹介ではなく、その人のおもしろエピソードが伝わるような紹介を書くことだ。こんな感じで。
どうだろう。これがあるだけで、飲み会の有意義さがだいぶ違うんじゃないだろうか。何と言っても、開始1分でチャHの話を深堀りできる。つまり、飲み会はいきなりピークに突入するのだ。
普通、彼が持っている最もおもしろいエピソードであるチャHの話に到達するためには相当の時間と酒を要するはずだが、その余計な時間をショートカットできる。
また、「iTunesのトップページってどんな感じだっけ?」と下調べしていくこともできるので、当日いきなり芯を食った質問ができる。これが事前共有のメリットだ。
実践編
以下、実践編に入りたい。僕が実際に主催した飲み会で、2時間かけて参加者リストを書いて共有した結果を説明しよう。ここでは、嬉しいことがたくさん起きた。幹事冥利に尽きる、と思った。
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