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ビブリオバトルの思い出。つまらない人と、アンバランスな罪刑法定主義


ビブリオバトルで僕たちの本をプレゼンした高校生が、優秀賞を取ったらしい。


https://twitter.com/typenitro_/status/1763701822903230739?s=46


公式からフル尺の動画も公開されている(以下のリンクをクリックすれば該当部分から再生が始まる)。


とても良いプレゼンだった。高校生だから場馴れしておらず、緊張が伝わってくるが、そこも含めて好印象だ。死ぬほど練習したんだろうなと思うと、とても愛らしくなる。

本当にありがたいことである。未来ある高校生が本を読み込んでくれて、素敵なプレゼンを作り上げてくれた。

僕は彼の勇姿に拍手と感謝を送り、温かい気持ちになっていた。そしてその直後、薄ら寒い記憶が強烈にフラッシュバックした


彼に限らずこの動画のプレゼンはどれも素晴らしいのだが、これは高校生ビブリオバトルの全国大会であり、都道府県大会を勝ち抜いてきた精鋭によるものだ。いわばビブリオバトルの上澄みである。

そして当然ながら、ビブリオバトルの沈殿物も存在する。僕はその沈殿物を目撃したことがある。


……いや、この言い方は良くない。ビブリオバトルはあくまで趣味の領分であって、「上手くなければカスだ」みたいな言説は正しくない。好きな本の話を好きにすればいいのであって、ヘタでもなんでも楽しめればいいじゃないか。僕は本心からそう思っている。

だから、今日語りたいのは、もっと大きなテーマだ。「ビブリオバトルがヘタな人をくさす」みたいな話ではなく、「おもしろい話とは何か」そして「おもしろい話ができない大人が多いのはなぜか」である。かつて沈殿物を見た思い出から、それを紐解きたい。

繰り返すが、「ヘタな人間はビブリオバトルに出るな」みたいなことが言いたいのではない。むしろこれから展開する論旨は真逆で、「ヘタでもいいから、若いうちにいっぱいプレゼンの場に出てほしい。そうでないと話がつまらない大人になるので」というものだ。ぜひとも若い皆さんはプレゼンの場に出てください。

なお、拙著『教養悪口本』もなぜかビブリオバトルでたいへん人気らしく、「教養悪口本をプレゼンして県大会の決勝まで残りました」みたいな報告がいっぱい来ている。多分、変な本として一発ネタでウケやすいんだと思う。ありがたいことである。皆さんどんどん使ってください。


さて、そんなワケで、以下は僕が見たビブリオバトルの沈殿物についての記述になるが、明らかに表立って書くべきことではないので有料になる。表には出てこない、リアルな「場末のビブリオバトル」が気になる方はぜひ課金して読んでほしい。

単品購入(300円)もできるが、定期購読(500円/月)がオススメだ。いつ入っても当月書かれた記事は全部読める。3月は4本更新なのでバラバラに買うより2.4倍オトク。


それでは早速見ていこう。僕が見たビブリオバトルの、奇妙な参加者を……。

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