地域のラボ(実験場)から、埼玉北部に新しい風を
こんにちは。埼玉北部の仕掛け人、チーム県北(なかのひと)です。東京の北に位置する埼玉の、そのまた北部を地域の実験場(大人の遊び場ともいう)として、地域に来てくれる皆さん、そして地域の面々(私たちも)がともに笑顔になれるよう、いろいろな仕掛けを企てています。
前回の記事の続きということで、我々のチームがなぜ発足したのか、地域の課題を交えながらひきつづきお話したいと思います。
地域に新しい風、そしてそれを受け止める土壌をつくる
私たちが、これから埼玉北部地域のファンが増えるのに一番大きな課題と感じたのが、地域に新しい風をいかに吹かせるかというところでした。
地域を盛り上げるという話は決して今に始まった話ではなく、それこそビジネスだと商工会議所や商工会、観光だと観光協会といった組織があって、これまで色々と手を打ってきました。しかし、いつものメンバー、議論を重ねても正直打つ手は打ち尽くした、というのが正直どこの地域でもあり得る話でしょう。この地域でもそれは決して例外ではないように思われます。
いや、実はそうではないかもしれません。特に20〜30代の若い世代には今までにやったことないことにチャレンジしたいという思いもあるでしょう。ただ、既存の昔からある組織では、いくら下から提案をしても上の長老たちに理解されない、場合によっては潰されるなんて話は珍しくありません。地域で新しくチャレンジしたい思いがあっても、既存の体制のせいで実現できないのであれば、ものすごく残念な話です。
一般的に地域活性というと自然と思い浮かぶのが、地域の既存の会社、既存の事業をいかに存続させるかという話になると思います。ただダメな商店街の活性化事例を見ると一目瞭然ですが、地域の人が魅力を感じない商品を並べて、売れないから行政の補助金を頼る、そしてどれだけ経営が悪くてもお店の存続が目的になる… それは本当に地域活性なのでしょうか。
それよりは、まずは地域の中から、あるいは地域の外からでも、新しい風が吹いて、次の地域の活性の原動力になる。そのほうが健全な地域活性の方向じゃないかと思うのです。
おりしも、近年20〜30代を中心にした世代が埼玉北部地域に移ってきて(あるいは帰郷して)、新しいお店や取り組みも徐々に増えつつあり、新しい風が吹く予兆は見られます。ただ、そうしたお店の多くが孤軍奮闘し、大きな輪となってはおらず、もったいない…という状況です。
企業も経済情勢の変化に合わせて、自社の組織体制を見直しながら改革を進めていくように、地域もまた体制を見直して、新しい風を受け入れる土壌をつくる必要があるでしょう。いくらイノベーションとやらを古い体制の上に敷こうとしても結局は何も変わりません。
公共スペースを地域のラボ(実験場)に
前置きが長くなりましたが、そんな課題感を前提に、私たちチームは、既存の公的組織・協議会から離れた、アンオフィシャルな、ゆるやかな枠組み(つながり)として、まずは同じ思いを持つ地域の仲間の集まりとしてスタートしました。
ただ、単なる飲み屋談義で思いを語って終わってしまうと先に進まない、新しいことができる「場」を考える必要があります。ちょうど埼玉北部においてはひとつ中心となる場がありました。それが、ちょうどオープンしたアウトレットの敷地すぐ側にある公共スペースでした。
アウトレットは各地にあれど、すぐとなりに公共スペースのある場所は珍しいかもしれません。アウトレットのオープンを機に多くの人が集まる場でもあり、またスペースの持ち主である地元行政としてもこの場を地域の新たな拠点として位置づけたいと動きがあり、私たちのチームとしても地域に新しい風が吹くのに絶好の場がある感じました。
そこで、2022年の夏、私たちはまずは地元行政に話をうかがいに行き、公共スペースの管理者とも意見交換を重ねながら、少しずつ新しい風を生む地域のラボ(実験場)としての公共スペースの可能性を模索してきました。
そうしていくうちに、私たちのチームとしての第1歩ということで、この11月に大型イベント企画の輪に加えてもらうこととなりました。
少しお話が長くなったので、イベントの詳細やその後ろにある私達の思いは次回紹介したいと思います。