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巨大化と一般化
目の前に沢山の数字が一列に並べられていたとする。その数字の列に規則を見出したいとき、私たちはどうするか。
まず、それらをじっと観察する。そしてその数が3つずつ増えていると分かったとすれば、列のx番目の数字は3xと書ける。こう書くことでたとえ私たちの目の前に書かれた数字が有限であっても、数を仮定し、見えないはずの数の行方を無限の彼方まで追うことができる。
次に私たちは考える。もし等間隔で並んでいる数字が3でなかったら、任意であったらどうやって数の行方を追うのだろうと。この疑問に答えるために人々は等差数列という集合をつくり、その任意の要素で成り立つ性質を一般項というもので表現した。最初の数をa、数の間隔をdとおけば、等差数列のn番目の数は n(2a+(n-1)d)/2 と表せる。このことを知っていれば、私たちは同じような規則で並んでいる数を見たとき、脳内から適切な集合を取り出し、a、d、nを入力するだけで数の果てまでも予測することができる。
この過程を振り返ってみると、3つずつ増えていく数を3xという集合にし、それを等差数列という集合に拡張させることで処理できる情報を増やした。
今述べたプロセスが行われる対象は数字の羅列に限ったことではない。つまり、人間は身の回りに起こる様々な事象に対して規則を見つけ、集合を作り、それを巨大化することで発展してきたといえる。どんな集合をどのような方向に巨大化させるかは個人の判断に委ねられるが、やみくもに集合を作ったり、巨大化したりしたところで全く問題解決にはつながらない。画期的なモノやアイデアというのは着目する集合、巨大化の方向が優れている。
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