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「深み」をとってパスを受ける

 今回のテーマは「深みをとってパスを受ける」です。サッカーをしていると、「深み」という言葉をよく聞きますが、これって説明するのがとても難しいです。僕も、この「深み」について説明しようとすると、ちょっと悩んでしまいます。ただ「後ろに下がってパスをコースを作る」というわけではありません。僕から「深み」について一番わかりやすく説明しようとすると、こうなります。

 「深み」というのは、ボールより自陣ゴール方向にいる選手が、「中央にスペースを作る」と「中央へのパスコースを作る」というのを同時にやること。

これにもう一つ加えたいのは「この2つを同時にやりつつ、攻撃のリズムやスピードを変えない」ということです。

 「中央にスペースを作る」と「中央へのパスコースを作る」をやろうとすると、自陣ゴール方向に下がり過ぎたところに立ってしまう選手や、中央にスペースもパスコースもあるからといって全然下がらない選手がいます。これをするとどうなるかというと、ボールを受けてから次のプレーをするまでに時間がかかってしまったり、次にボールを受ける選手のスペースや時間が制限されてしまう事が起こります。

 少し想像してみるとわかるのではないでしょうか。後ろに下がりすぎてパスを受けようとすると、距離が遠いのでボールが来るまでに時間がかかり、こちらがパスを送ってもパスが届くまでに時間がかかります。
 後ろに下がらないでパスを受けてしまうと、相手との距離が近くなり、相手ディフェンスからすぐにプレスを受けてしまいます。この状況で、うまくこちらがパスを送ったとしても、中央にいる選手はスペースも狭くなっているので、相手ディフェンスからのプレスを受けてしまいます。「深みを取る」という動きができていないチームによく起こる現象は、「パスコースが外側にしかない」ということです。
 逆に、中央にいとも簡単にパスを通すことができている選手は、ポジショニングを修正する力があるということです。立ち位置を決める能力が高い選手です。この能力に優れた選手が何をしているかというと、ちゃんと「深み」をとってパスを受けているのです。

 どこに立てば、相手からプレッシャーを受けずにパスコースが作れるのか、次のプレーがしやすいのか、を考えることは大切です。「中央にスペースを作って、中央にパスが通せるところに立つ」だけで、相手のプレスも受けずに、次のプレーがしやすい状況を作ることができます。
 ちなみに、日本でパスを受ける動きというと、ボールを追い越して前に走るサイドに走る、スペースに走る、というイメージが強くなります。しかし、スペインでは、必ず一番最初に「深みを取れ」ということを教わります。それだけ、ボールより後でパスコースを作ることが大切なのです。そして、中央にスペースを作るということは大切なのです。
 次のトレーニングや試合からぜひ意識してくれしてみてください。

 今回は「深みをとってパスを受ける」というテーマでお話しさせていただきました。

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