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地域選抜や県選抜に選ばれるために大切なこと。

 今回のテーマは「地域選抜や県選抜に選ばれるために大切なこと」です。プロの選手になるという夢を持っている子供たちにとって、「○○選抜」というのは、夢への第一歩と言えます。高いレベルの環境でトレーニングすることで、自分の成長につながります。「強豪チーム」とは程遠いチームに所属している選手にとっては、「○○選抜」に選ばれるかどうかは、今後の人生を左右する出来事になるかもしれません。 

 ただし、先にお伝えしておきますが、僕は「プロに近づく」=「○○選抜に選ばれる」ではないと考えています。その理由も説明しながら今回のテーマについてお話します。

 僕は、どこかの選抜には一度も選ばれていません。ですが、スペインとアルゼンチンでプレーすることができました。スペインのFCバルセロナU-14で2007年からコーチをしているカルロスさんと話をしていて、「日本の大多数の育成コーチレベルは、残念ながら高くはない」と言われました。とても悔しかったですが、その当時、日本の中学年代の「高円宮杯」で優勝したチームが、FCバルセロナの3つ年下のカテゴリーのチームに大差で負けているのを見て、何も言えませんでした。日本の中学生とスペインの小学生では、全てのスピードが違いました。スペインが圧倒的に速く見えました。

 僕は、日本では評価されていません。アルゼンチンから帰ってきたときに、1つのクラブからお声がけいただきましたが、日本での評価はそれくらいです。ですが、自慢ではありませんが、スペインやアルゼンチンのクラブではとても高く評価していただきました。どちらの国も、「認知」「思考」「判断」における選手の質を評価しておられます。

 日本でも、「○○選抜」というのは日本代表に近づくほど、指導者の質が高くなります。ですが、一方で地域選抜や県選抜では、残念ながら高いレベルの指導者は少ないのが日本の現状です。そう考えると、地域選抜や県選抜に選ばれる選手こそ、本当はプロ選手になるという夢から遠い存在なのかもしれません。

 冒頭で、「高いレベルの環境でトレーニングすることで、自分の成長につながります」とお話ししましたが、これは「選ばれた選手たち」が集まってトレーニングができる環境だからです。トレーニングの質が高いわけではなく、参加している選手の質が「一定以上」と言えるからです。

 ここまで説明しましたが、それでも○○選抜に選ばれたいという子供たちのために、僕からいくつかのアドバイスをします。

 先ほどもお伝えしましたが、地域選抜や県選抜の指導者のレベルは決して高くはありません。「評価する視点」は、素人同然の可能性があります。

 そう考えると、「チームにとって最高の仕事をする地味な選手」は選ばれないということです。「目を引くような派手な選手」「万人受けする選手」が選ばれるということです。

 僕が、○○選抜に選ばれるために、選考会で注意することは3つです。「ミスの回数を限りなく『0』にする」「ボールをたくさん受ける」「堂々と自分のプレーをする」です。これができれば間違いなく選ばれます。

 どれだけ良いプレーをしたとしても、ミスの回数が多い選手は「マイナス」のイメージが付きまといます。この時、レベルの高い指導者であれば、「認知、思考、判断の成功の後に実行でミスを犯した」という状況であれば、高い評価をもらえますが、この視点は素人の指導者にはありません。例え、「認知、思考、判断の全てでミスを犯していても、実行で成功」していれば、ある程度の加点をしてくれるのが素人の指導者です。実行のミスなくプレーしていれば、一定の評価を得られるのは間違いありません。

 ボールをたくさん受けることで、「印象」が強くなります。結果、「何も良いプレーをしていない選手」であっても、「あの選手、なんか良くない?」と話題にあがります。嘘みたいですが、実際にボールをたくさん受け続けていれば、多種多様な指導者がいるので、理解できない視点で評価してもらえることがあるのです。指導者の評価の観点や視点も整理されていないのが、地域選抜や県選抜のレベルです。

 堂々とプレーしていれば、「上手く見えてしまう」のがファンの視点です。レベルの低い指導者は、この視点で選手を評価します。「印象」「雰囲気」だけで、評価は大きく変わります。楽しそうにプレーしているだけで、目立つことができます。「大声」なども、印象付けることができるひとつの武器ですね。

 地域選抜や県選抜でも、高いレベルの指導者がいる地域はいくつかあります。そういった地域の選手たちは、1人2人ではなく、6人7人みんなが日本代表などに選ばれています。数年前、静岡県出身の代表選手が多かったのは、間違いなく指導者のレベルが高かったからです。

 レベルの低い指導者が選んだ地域選抜や県選抜の選手は、全員次のステップの選抜で落ちてしまいます。数年間、誰も次のステップの選抜に行けないのであれば、指導者のレベルが低いということなので、指導者をすぐに変えるべきだと思います。

 本気でプロ選手を目指すのであれば、○○選抜に選ばれない方が良い確率は高いです。それよりも、高いレベルの指導者を見つけて、そこでトレーニングし続ける方が効果的です。多くの保護者や選手が間違ってしまうのは、「肩書き」に魅力を感じて目的とはかけ離れた道を進んでしまうことです。僕は、冷静に考えた方が良いと思います。

 それでも、○○選抜に選ばれたいのであれば、注意することは3つです。「ミスの回数を限りなく『0』にする」「ボールをたくさん受ける」「堂々と自分のプレーをする」です。


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