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サイドバックの動きの変化

 今回のテーマは「サイドバックの動きの変化」です。サイドバックにレベルの高い選手がいると、試合で勝つ確率が高くなるのをご存知でしょうか。それにはしっかりとした理由があるのですが、簡単に話すと「スペース」が生まれやすいからです。サッカーが「陣取りゲーム」である以上、どれだけうまくスペースを使えるかが勝敗に関わってきます。サイドバックの前後には、大きなスペースが生まれやすく、このスペースを制することができれば、攻撃も守備もうまくいく可能性が高くなるということです。言い換えれば、よく負けてしまうチームは、サイドバックの質が低いと言うことが多いです。これはゴールキーパーも同じです。ゴールを守ると言う重要な役割から、ゴールキーパーは大切と考える人が多いですが、それよりも周りにスペースが生まれやすいポジションだから勝敗を左右することになるのです。「どの範囲であれば守ることができるのか」「どれだけスペースを埋めて、うまく使うことができるか」が、ゴールキーパーとしての評価を大きく変えます。
 話がそれましたが、サイドバックが重要だと言う事は理解していただけたかと思います。今回は「サイドバックの動きの変化」についてお話しします。この話をするときに、年代別で話そうかと思ったのですが、詳しすぎてもう訳が分からなくなるので、大まかに説明していこうと思います。

 サイドバックの動きは、大きく分けると2回変化がありました。最初は、ディフェンスラインの主役としてサイドバックが活躍していた時代です。この時代のサイドバックはセンターバックの次に守備ができる人という感じでした。センターバックと違ったのは、広いスペースを守るためのスピードが必要だったということです。なので、身長よりもスピードが重要で、小柄なサイドバックはこの時代から多かったです。そして、1階の変化の時を迎えます。サイドバックが攻撃参加をする時代が来ます。守備の時に広いスペースを守るだけではなく、攻撃の時に広いスペースを使うことで攻撃の成功確率が高くなることがわかったのです。ここでサイドバックには、これまで以上のスタミナと、攻撃能力が必要になりました。この時代は、あくまでも最初に生まれた広いスペースを使うだけです。サイドバックが攻撃参加をして、最終的な仕事はサイドからのセンタリングを上げることでした。ブラジル代表のロベルトカルロス選手が、カフー選手、オランダ代表のファンブロンクホルスト選手やダービッツ選手が有名でした。
 そして、2回目の変化がここ数年でやってきました。サイドバックの「ウィング化」です。これまでの守備はボールを奪われたと、一旦引いて守備陣形を作り守備をしていました。しかし、グアルディオラ監督のバルセロナが、前線からのプレスに力を入れて、ネガティブトランジション(攻撃からすぐに変わるとき)に無理矢理ボールを奪い返すことを始めました。サイドバックが前に走ってボールを奪いに行くことが可能になったのです。つまり、高い位置に居続けられるようになったことで、攻撃にスタミナを使えるようになりました。この時代に求められるようになったのは、これまでの「サイドからセンタリング」ではなく、サイドから中を使ってゲームメイクをしたり、ゴールを決めたりすることです。
 最近の試合分析では、マンチェスターシティのカイルウォーカー選手や、リバプールのロバートソン選手、チェルシーのアスピリクエタ選手、バルセロナのダニエルアウベス選手が、外側から攻撃に参加するオーバーラップより、内側から攻撃に参加するインナーラップの回数が多くなっているということがわかっています。もっと言うと、ハーフスペースでボールを受けて攻撃の組み立てやチャンスメイクをしているということです。サイドバックが、これまでのウィングとセントラルミッドフィルダーを合わせたような選手になっているということです。
 内側に入るタイミングと、外側に広がるタイミング、そして後ろに下がるタイミングと、前に上がるタイミングの見極めが大切になってきました。今回は「サイドバックの動きの変化」についてお話しをしました。

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