見出し画像

全ての企業が行うべき従業員エンゲージメントの調査について、解説します

従業員エンゲージメント調査が必要なのは、人事チームだけではありません。
確かにエンゲージメント調査は、人事部がどこに注力すべきかを知る上で役立ちますが、その効果はビジネスのあらゆるレベルで実感できます。

企業が時間をかけて従業員の声に耳を傾け、従業員の経験に投資し、強力な職場文化を構築することで、誰もが利益を得ることができるのです。
また、エンゲージメント調査は、慎重に実施すればビジネスに永続的なプラスの影響を与える可能性があります。

この記事では、そんな従業員エンゲージメント調査が人事チームだけでなく、組織全体にとって非常に重要である理由を解説します。

▼1on1への理解を深めたい方はこちら

▼OKRへの理解を深めたい方はこちら


従業員エンゲージメント調査とは

まずは簡単に、従業員エンゲージメント調査の概要を解説いたします。

従業員エンゲージメント調査とは、自社のエンゲージメントのレベルを知るために、企業が従業員に対して行う調査のことです。

本調査では多くの場合、設問数10項目程度の簡単な調査を何度か行い(=パルスサーベイ)、従業員からどれだけ愛着を得られているかをヒアリングします。

調査する項目については、企業によってまちまちですが、以下が例になりますのでご参考ください。

・私はこの会社で働いていることを誇りに思う
・私は自分の役割以上のことをしようという気になっている
・この会社を家族や友人に進めたい
・3年後も私はこの会社で働いていると思う
・会社の代表や経営陣を信頼している
・会社の代表や経営陣から十分な情報やコミュニケーションを得ている
・この会社では、キャリアアップの機会が十分にある
・私の仕事に見合った報酬を得ている

など

従業員エンゲージメント調査がもたらす7つのメリット

従業員の満足度を定期的に測定しフィードバックを収集すれば、企業は優秀な人材を獲得し・育成し・維持する方法について、より多くの情報に基づいた意思決定を行うことができます。

エンゲージメントを優先し常に改善に取り組むことで、サポートされていると感じ幸福感を得る従業員が増え、成功につながる職場を構築することができます。
ここでは、従業員エンゲージメント調査がビジネスに不可欠な7つの理由をご紹介します。

メリット①|従業員に声を届けられる

エンゲージメント調査は、従業員がその会社で働くことの素晴らしさについて率直な意見を述べることができる数少ない機会のひとつです。
従業員が率直で建設的な意見を述べるようにするには、彼らが安心して話を聞くことができ、大切にされていると感じられるような調査環境を作る必要があります。

年次調査や短期的なパルス調査を定期的に実施することはもちろん、調査プロセスのすべてのステップに従業員を参加させるよう努力することも必要です。
従業員エンゲージメント調査では、リッカート尺度(回答者が「強く反対」から「強く賛成」の範囲で答える5段階評価)の質問を使用するだけでなく、従業員がエンゲージメントや定着率に役立つと思う考えやアイデアを共有できるよう、自由形式の質問も含めるようにしてください。

次に、アンケートの結果を、良いものも悪いものも含めて、人事チームのアクションプラン案とともに従業員と共有します。
人事部門が自分たちのフィードバックをどのように解釈し、組織に変化をもたらすために利用するかを示すことで、従業員は自分たちが評価され、意見を聞いてもらっていると感じることができます。

自分たちの会社が職場文化を改善しようと真摯に取り組んでいることを理解すれば、今後の調査への賛同や参加も得られやすくなります。

メリット②|チャンスとなる領域の特定が可能

エンゲージメント調査では、従業員のコミットメント・モチベーション・自分の役割や会社に対する情熱を測定し、ビジネスのどの分野が繁栄しているか、そしてどこにもう少し注意を払う必要があるかを詳細に洞察することができます。
適切な質問をすれば、従業員エンゲージメント調査の結果から、従業員のライフサイクルのあらゆる段階を把握することが可能です。
これにより、最も必要とされるところに組織の尽力を向けることができます。

例えばある従業員から、自分の役割に対して経験不足を感じている、ワークライフバランスがとれていない、会社でどのようにキャリアを積んでいけばよいのかわからない、などの回答を得たとしましょう。
このような問題を認識することで、職場でのプランニングやイニシアチブに関して、より多くの情報に基づいた意思決定を行うことができます。

例えば、アンケートの結果、女性社員だけが不当な報酬を受けていると感じているケースを考えてみましょう。
この場合、従業員が性別に関係なく自分の価値に見合った報酬を受けられるようにするために、給与公平性監査(PEA)を実施することができます。

全従業員の調査データだけを見ていたのでは、このような傾向に気付かず、迅速な是正措置を取ることができないかもしれません。
このように、組織内のエンゲージメントの状況を詳細に把握することは、エンゲージメント戦略全体に反映させることができるため、非常に貴重な資産となります。

メリット③|有意義な変化を促す

人事チームが、どこに、どのように労力とリソースを集中させるべきかを正確に把握していれば、従業員の生活に大きな影響を与えることができます。

先ほどの例でいえば、従業員が自分の役割に対して十分な経験を積めていないと感じていることが調査で明らかになった場合、この問題にどのように対処し、解決するかについて、より多くの情報に基づいた決断をすることができます。
例えば、オンボーディング・プログラムの見直し、OJTの導入、さらには社内におけるメンタープログラムの立ち上げなど、従業員が自分の職務に秀でるために必要なトレーニングやリソースを提供することができるでしょう。

このようにエンゲージメント調査は、企業が選択肢を検討し、アクションプランを作成し、組織内に有意義な変化をもたらすために必要な情報を提供してくれます。
さらに継続的に調査を行うことで、自分の行動がビジネスに与える影響を長期にわたって追跡し、必要に応じて計画の継続や更新に役立てることも可能です。

メリット④|従業員との信頼関係を構築する

従業員の体験を向上させる方法を特定したら、次は行動を起こす番です。
従業員のフィードバックに対して迅速かつ慎重に行動することは、従業員に対して強いメッセージを送ることになります。
会社は従業員を大切に思っており、従業員のキャリアを成功させるためにできることはすべて行っているのです。

従業員の信頼を得るには、透明性が非常に重要です。
最初の行動計画を従業員と共有するだけでなく、新しい取り組みや方針が職場環境に与えている影響について、定期的に従業員に報告するように心がけましょう。

自分の提案が聞き入れられ、評価され、対応されていると従業員が信頼すれば、今後のアンケート調査にも積極的に参加してくれるようになります。

アンケートの回答率が上がり、より率直なフィードバックが得られることで、企業はより正確で有益な情報を収集することができ、効果的なエンゲージメントに関する意思決定に役立てることができます。

メリット⑤|企業文化を形成する

従業員から愛される職場文化を作るには、年に一度の従業員エンゲージメント調査を実施するだけでは不十分です。
改善すべき点を特定した後は、従業員のフィードバックに対応するために迅速に行動を起こし、従業員に配慮していることを示す必要があります。

従業員のニーズは常に変化しており、会社は常にそのニーズに耳を傾け、迅速に対応する必要があります。
福利厚生の充実やキャリアパスの整備など、企業文化の形成につながる取り組みが必要です。

従業員の声に耳を傾け、それに対する行動を起こすだけでも、従業員に対して強力なメッセージを送ることができます。
従業員の声に耳を傾け、従業員が生き生きと働けるような職場文化を築くために、責任をもって取り組んでいるのです。
従業員を巻き込むには、時間と労力、そしてコミットメントが必要ですが、それは投資に見合うだけの価値があるのです。

メリット⑥|リーダーに責任を持たせる

企業で働くすべての従業員が、企業文化を形成しています。
ですが、上級管理職ほど企業文化を形成する力を持つ人はいません。
また、従業員のエンゲージメントはビジネスの収益性に直結するため、従業員の職場における体験を最優先することは、経営陣にとって最善の利益となります。

しかし人事チームと同様に上級管理職も、どこに焦点を当て影響力を活用すべきかを知るための指針が必要です。
そこで役立つのが、従業員エンゲージメント調査です。

上級管理職は、エンゲージメント調査の結果を利用して従業員体験に関する情報を常に把握することで、人事チームが「人」を中心としたプログラムを作成し、その意識を高めるのを支援することができます。
例えば、経営幹部は対話集会や全員参加の会議、部門会議などを利用して、職場環境をリモートファーストへの切り替えたり、主な介護者だけでなくすべての親に休暇を取ることを奨励する包括的な育児休暇制度を採用するなど、調査結果を受けて実現した新しい取り組みについて発表することが可能です。

エンゲージメントの重要性をシニアリーダーに理解してもらうために、全社的または個人的な目標や主要成果(OKR)の一部としてエンゲージメントを設定しましょう。
そうすることで、経営陣が責任を持って組織全体の従業員エンゲージメントレベルの向上を支援するよう促すことができます。

メリット⑦| データのベンチマークを行う

最後に、エンゲージメント調査の結果を収集・追跡することで、自社のデータを時系列でベンチマークすることができます。
また、改善の機会を特定し、取り組みの効果を測定することも可能です。
これは、より積極的な変化への対応にもつながります。

例えば、組織全体の管理職の満足度が低下していることに気づいたとしましょう。
この場合、リーダーシップ研修プログラムを立ち上げ、中核となるマネジメントスキルをブラッシュアップすることによって、管理職がより優れたリーダーになれるかどうかを確認することができます。
次のエンゲージメント調査やパルス調査で管理職の満足度が上昇した場合、そのプログラムが役に立ったと考えることができます。
そして、その情報をもとに、新規および既存のリーダー向けのトレーニングをさらに積極的に行うことができます。

エンゲージメントデータのベンチマークは、ビジネスのレジリエンスを高めるのにも役立ちます。
従業員とビジネスのニーズは常に変化しており、時には互いに矛盾することもあります。
過去のデータを参照し、従業員の感情の変化の背後にある背景を理解できれば、チームメンバーはより多くの情報に基づいて人材に関する決定を下すことができ、時には相反する優先順位を決定することもできます。

まとめ

従業員エンゲージメント調査は、より良い組織を作るためには必須事項です。
従業員の声に耳を傾け、より良い職場づくりに向けて、今すぐ行動を開始しましょう。

ハイマネージャーの提供する、6つのお役立ち資料はこちら

・・・
ハイマネージャー
OKR1on1フィードバック人事評価などハイブリッドワークのマネジメントに必要な機能が全て揃ったピープルマネジメント・プラットフォーム「HiManager」の提供、及びマネジメント人事評価に関するコンサルティングを行っています。

HiManagerに無料お問い合わせしたい方はこちら⇩