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【人事部・マネジメント層必見】従業員の給与交渉・昇給要求に対してどのように対応するべきか?

金銭に関わる対話は誰にとっても簡単なことではありません。
また昇給への要求に対する対応は、慎重に扱わなければその過程でさまざまなトラブルが生じる可能性があり、イライラする上司や不満を抱く従業員を生み出す可能性があります。

もし人事部やマネジメント層が、従業員を会社のミッションを達成するための資産だと見なしていないのであれば、そうした昇給の要求は面倒なものだと思われるでしょう。

たいていの場合、最初にそうした話題を持ち出す勇気のある従業員は、少なからず自分の仕事に自信を持っているものです。
そして、彼らが本当に言いたいことは、「私は給料以上のことをしているのだから、それに見合った報酬を得たい」ということなのです。

この記事では、従業員の給与交渉・昇給要求に対して、できるだけスムーズに、かつ効果的に対応・交渉するための方法をご紹介します。

▼ 給与制度・人事制度への理解を深めたい方はこちら

従業員との昇給交渉を効果的に進めるための4つのポイント

ポイント①|採用から始める

給与交渉は、採用の段階から話し合いを始める必要があるのです。

人事コンサルティング会社CourtSide Consultingの創設者兼オーナーのCourtney Berg氏は、

企業は、そのポジションの最低報酬額と最高報酬額を明記した給与範囲を念頭に置くべきだ。

と述べています。

給与の範囲を決め、必要な市場調査を行って新入社員に競争力のある給与を提供することは、企業の報酬哲学と方針の一部であるべきなのです。

最初に給与の透明性を高めておけば、将来、従業員がより高い給与を求める際にも、昇給の機会が明確に制度に組み込まれているので助かります。

これは、その人が職務を引き受ける前であっても、採用や入社手続きの過程で提供されるべき透明性です。

ポイント②|評価を頻繁に実施する

年1回だけ人事考課を行う時代は、終わりつつあります。
2015年、Accentureは年1回の業績評価プロセスを廃止し、管理職から継続的にフィードバックを行う方式を採用しました。
Adobe・Deloitte・GEなどの他の企業も、同じことを行っています。

定期的なフィードバックを提供するために必要な努力は十分に報われます。
年に1回だけでなく、毎週チームメンバーにフィードバックを行う管理職は、優れた仕事をするためのモチベーションを持ち、仕事に従事する可能性も高いのです。

頻繁に評価を行うことは、雇用主が賃上げ要求に対応する準備が整っていることを意味します。
ある従業員が期待に応えているか、それ以上の働きをしているか、すでに話し合っているはずだからです。

なお、どの程度の頻度で評価を行うかは、企業文化・従業員の勤続年数・組織の成長計画によって異なります。

ポイント③|データを収集する

従業員の業績を考慮せずに昇給を決めることはできません。

最良のシナリオは、従業員が上司と自分の上手くいった仕事と業績目標について継続的に話し合い、準備をして交渉のテーブルにつくことです。
また、その従業員が社内でどのようにステップアップしていけるかを示す育成計画も用意しておく必要があります。

このような情報は、人事部が昇給の根拠を示すのに役立ちます。
最終的に経営者に昇給に同意してもらうために、その従業員の給与が上がれば、投資に対する見返りがあることを示すことができるためです。

すべての従業員が、自分がもっと高い給料をもらうに値するという理由を箇条書きにしたリストを用意してくるとは限りません。
もし用意してこなかったとしても、昇給の要求を否定だけをすることはしないようにしましょう。
その代わり、自分が会社にもたらす価値や、同じポジションの人の給料がどれくらいかといった市場調査など、より詳しい情報を持ってくるよう求めるのです。

そして、昇給の要求を評価するためにどのような情報を得る必要があるのかを、従業員に明確に説明するよう、アドバイスすると良いでしょう。

ポイント④|断るときは慎重に

昇給要求を断ることは双方にとって気まずいものとなりますが、人事の専門家によれば、慎重に対処する方法があるといいます。

〈正直に、そして率直に〉
従業員が交渉の場で出した条件を客観的に考え、正直に話すことが重要です。従業員は自分が素晴らしい仕事をしていると思っているかもしれませんし、そうでないかもしれません。
改善すべき点を指摘するのは、あなたの責任なのです。

〈永遠に「ダメ」ではないことを思い出させる〉
昇給の要求を再検討する機会が常にあることを従業員に伝え、昇給のために満たすべき目標を明示します。
最初の『ノー』を聞くと、多くの人は意気消沈してしまうものです。
そんなときは、建設的なコメントでフォローすることが必要です。

〈他のものを提供する〉
すべての会社が昇給を受け入れる余裕があるわけではありません。
特に、現在進行中のコロナウイルスの大流行により、多くの予算が直撃を受けている最中はなおさらです。

従業員の業績ではなく会社の財務状況が昇給を見送る理由である場合、その人の働きに報いる他の方法を探すことが良いでしょう。

例えば、有給休暇の追加や、売上目標の達成や成長目標の達成など、将来のボーナスの引き金となるような会社の業績指標を提示することなどが考えられます。

まとめ

昇給の要求は、多くの従業員にとっていかにストレスの多いものであるかを覚えておくことが重要です。

交渉のテーブルの向こう側にいる人は、何ヶ月もかけて勇気を出して自分の主張をし、反響の可能性に頭を悩ませているかもしれません。
人事部の仕事は、そのような従業員の不安を解消するために、手続きを示し、話を聞き、決定事項を明らかにすることを意識しましょう。

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