蟠桃・孫悟空・インド神話

 

銀座の長野県アンテナショップ「銀座NGANO」で蟠桃を売ってあることを知り、飯田橋の所用の帰りに買ってきた。蟠桃は普通の桃と違い、平たくて固い(歯ごたえのある)桃である。


https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%B3%E3%83%88%E3%82%A6

 

元商社員の方によると「蟠桃は日本のスーパーではなかなかお目にかかりませんが、欧州、中でもフランスのスーパーでは寧ろ蟠桃のほうを多く置いているようです。出張時によく買い求め、ホテルで頂きました。」とのことであった。また、長野出身の先輩の方に写真を送ったら「子供の頃よく見た。懐かしい」との返信があったので長野では珍しくないのかも知れない。


 

蟠桃といえば、西遊記で悟空が西王母(道教の女神、中国の絵画に頻繁に登場)の桃園の不老長寿の蟠桃を盗み食いして一悶着を起こしたことを知っている人も居ると思う。


 

ところで、高校で世界Bの授業を受けた人はインドの二大叙事詩である「マハーバーラタ」「ラーマーヤナ」の名前を知っているであろう。これはアーリア人(イラン系アーリア/インド・アーリア人)の神話でバラモン階級が創ったものと言われている。


 

この内、「ラーマーヤナ」はアーリア人の南征(北部のコーサラ国から出て南インド、スリランカ島までの征服)を神話にしたものようである。前田行貴訳(2012)『ラーマーヤナ物語』青娥書房を読み面白いのであっという間に読了した。これによりアーリア人、バラモン教、仏教、ヒンドゥー教、東南アジアの仏教・文化(中国も含む)の繋がりを理解する必要を感じた。


ラーマーヤナの主人公ラーマに協力する猿公族(ドラヴィダ人のことかは?)の宰相ハヌマーンが孫悟空のモデルであろうと考えられている。ハヌマーンは風神ヴァーユの子なので飛翔ができる。

 

 

マハーバーラタは大著過ぎる(世界最大の叙事詩)ので、全訳をされた山際素雄さんの『マハーバーラタ』(2002)光文社新書を借りて読むつもりである。これは16話が載っている。


古代ギリシャの「イーリアス」「オデュッセイ」と対比され、ノアの箱船との類似性を指摘されるこれら叙事詩は、日本にも関係がある。梵天、帝釈天、毘沙門天など「天」のつく神様はインド神話(バラモン教/ヒンドゥー教)から来ているし、桃太郎伝説もそうだと言われている。

 

ついでに、ヒトラーは自分達アーリア人の人種としての優位性を主張したが、人種の意味でアーリア人とドイツ人は関係がない。但し、アーリア人の定義をインド・ヨーロッパ語族という広義の意味(人種より言語に重きを置く)とするなら絶対間違いとまではいえない。




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