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ほんまる神保町「灰泥屋」3ヶ月やってきて(データ解析編)

ほんまる神保町の棚主シリーズの3本目、売り上げ編というか、データ解析編というか、「自分でできることをコツコツと」編というか、そういう回です。


はじめに

1本目は7月5日に書いた「シェア型書店に参加」、要するに「棚主はじめました!」っていう記事。

2本目は先日の『ほんまる神保町「灰泥屋」3ヶ月やってきて』、ここでは「オレ、棚主つづけられるのかな?」という話でした。

3本目の今回は、そこで予告されていた

本当に知りたい情報は、先のツイートにも書いたように、売り上げです。これを(ウェブの情報から)知るには、変化をフォローしていく必要があります。

ほんまる神保町「灰泥屋」3ヶ月やってきて

つまり日々の変化をフォローしていった話、つまり「売り上げ」についてです。

おことわり

コンプラというか、想定ツッコミへの回答というか、(そういうことをやっている自分も何だろうなと思いながら書いてますが)コメント。前回の記事にも書いた通り、棚主とはいえ、内部情報はもらえないので、情報ソースは「ほんまる神保町」のウェブページだけです(つまり、誰でも取得できる情報だけ)。ウェブへのアクセスはフロアガイドページへ1回、そこから各棚主情報ページへ1回を、1日一回してゲットしたもので、ネット負荷などは無視できるほどだと思っています。解析は python で行ってますが、あえて共有するつもりはありません(当たり前のことしかしてないし、例えば棚主個人がそれぞれアクセスするようになったら、帯域などの問題に発展しかねないので)。本当は、われわれ棚主には、ビジネスパートナーとして、ほんまる神保町の本部から、情報共有などして欲しいなと思ってます(が、いろいろと手が回らないのだろうとは想像しています)。

直近6日間のデータの解析

ぼくが個人的に企てたこのデータ解析プロジェクト、はじめたのは10月9日で、その日の夜(店舗が閉まるのが午後7時で、ウェブページの情報取得はその後、具体的にはだいたい9時前後)から昨日(10月14日)の分までの結果を紹介します。

この週末は、普通の週末ではなく、月曜日(10月14日)が祝日の連休でした。そういうこともあって、普段よりも人出も多く、売り上げもいいのかな、と想像されます。月末には有名な「神田古本まつり」があるようで、その時はもっとすごくなるのかな?いずれにせよ、平日と週末では数字が全く異なるだろうと思っていたので、週があけるのを待っていました。

結果

日次の売り上げ冊数

日次の売り上げ冊数(店舗全体)

図に示したように、日次の本の売り上げ冊数(ほんまる神保町の棚全体)は以下のようになりました。

  • 10月10日(木) 11 冊

  • 10月11日(金) 17 冊

  • 10月12日(土) 21 冊

  • 10月13日(日) 32 冊

  • 10月14日(月) 9 冊

5日間で売れた本は合計 90 冊となります。(繰り返しになりますが、ほんまる神保町の棚全体に対して。)

日次の売り上げ金額

日次の売り上げ金額(店舗全体)

日次の本の売り上げ金額(ほんまる神保町の棚全体)は以下のようになります。

  • 10月10日(木) 7,455 円

  • 10月11日(金) 15,074 円

  • 10月12日(土) 21,524 円

  • 10月13日(日) 32,424 円

  • 10月14日(月) 7,084 円

5日間の合計は 83,561 円です。

棚ごとの売り上げ冊数

ここまでは、日次の、ほんまる神保町の店舗全体のはなし、つまり棚すべての合計でした。ここからは、棚ごとの、この5日間の売り上げを見ていきます。

棚ごとの売り上げ冊数

図に示したように、

  • 18 冊が売れた棚が1つ

  • 9冊、5冊がそれぞれ1つ

  • 4冊、3冊がそれぞれ3棚

  • 2冊売れた棚が9つ

  • 1冊売れた棚が 19

他の棚(ぼくの棚も含む)はこの5日間、1冊も売れてません。

棚ごとの売り上げ金額

棚ごとの売り上げ金額

この5日間全体にわたる、棚ごとの売り上げは

  • 最高は 23,562 円

  • 次が 7,934 円、5,731 円、とつづき

  • 1,000 円以上 2,000 円未満の棚は 13

  • 1円以上 1,000 円未満の棚は 16

「1円以上」と書いたのは、要するに売り上げのある棚に限定して、ということです。

考察

というか、なんというか、ため息しか出ない結果となってしまいました。この数字を「現実」だと信じると、多分アクティブな 320 棚のうち、赤字でない棚は(あったとしても)一桁、もしかしたら片手?何しろ、上の数字はお店でお客さんが財布から出した金額であって、棚の売り上げではない。新刊の仕入れ値は8割で、それを引いた2割から手数料 5% を引かれた額が本当の「売り上げ」となる。つまり「2万円売り上げ」も正味 3,000 円ということ。古本は言い値だけど、それにしても、それぞれ仕入れ値はあるわけで。

可能性としては、この5日間は特別低迷していた、ということもあり得るか……ないでしょうね。最初に書いたように、むしろ連休だった。その結果ということで。

別の可能性として、ウェブに出てる情報は一部分で……というのも、ないでしょうね。自分のところの棚の管理を考えても。(「ほんまる」本部の棚は別でしょうが。うん、グッズの販売とかは、よかったりするのかな?)

「ほんまる神保町」に、というか今村翔吾氏に、ビジネスとして成立する「シェア型書店」にきちんと発展するパスはあるのでしょうか?(ぼくは
、ビジネスに関する嗅覚はゼロなので、まじめに、分からない……)

たまたまですが、今日15日は「ほんまる神保町」の棚賃の定期引き落とし日で、住信SBIネット銀行から振込手続完了のメールが来てました。

ぼくは、前のノートにも書いたように、「ほんまる神保町」のポイントの1つは「リアル書店」であることだと思っていて、一度現地に行って、自分の目で見る必要があると思っているので、(自分で納得するためにも)判断はそれまで保留しますが、なにかしないといけないことは確かですね。

データ解析は、引き続き、ぼくの関心が続く限りにおいて、継続していこうと思っています。

(付記)投稿後、日経ビジネスの記事を発見

最初見かけたのは Yahoo! ニュース掲載の記事

元ネタは日経ビジネスの記事で、こちらは 10月7日に公開された模様。

今の時点では、登録せずに、読めるとこだけ読んだだけだが、なんかぼくの方の想定と、今村翔吾のビジョンは、最初からズレてたようにも読める。

今村:おかげさまで初月から黒字が達成できました。
今村:これは家賃や人件費を全部払った上での営業利益です。

—シェア型書店の業態を部屋の賃貸業と捉えた場合、棚主さんさえ集まれば、収益は安定しますよね。そこはまずクリアできた、ということですね。

今村:そうなります。

—粗利などをざっくりお聞かせいただけますか?

今村:棚貸しについては、基本的に仕入れがないので、粗利率は100%になります。

—そうか! もう一つ、書店としての本の売り上げ(棚主が並べた本の販売)からの収益についてはいかがでしょうか。

今村:本の売り上げについては、手数料を5%と低く設定しているので、収益への貢献はそれほど大きくはありません。……(中略)……本とグッズを合わせたところの粗利率は13~14%ぐらいです。

—ということから、「ほんまる」のビジネスモデルは、圧倒的にサブスクということが見えてきますね。

今村:だからこそ、料金をいただいている棚主さんに、いかに満足していただくか、そのソフト面がこれから重要になると思っているところです。……(中略)……棚主さんには、ひと月の棚代がお得で、継続に値すると思っていただくよう努めないといけません。ここからは集中して、ソフト面を充実させていこうと思っています。

直木賞作家が仕掛けるシェア型書店、1号店は初月から黒字に

こういうビジョンにおける、あの「棚主限定」コンテンツだったのか(だから、ぼくにはピンと来なかったのか)。

ちょっと、あれこれ、考える必要がある。冷静に、合理的に。

(付記、その2)ちょうど1週間分の結果になったので、その2日分を追記

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