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考えるヒント37 ハロルド・フライまさかの旅立ち

 普段、劇場に映画を観に行くことはあまりないのですが、先日、たまたま、時間ができたので、気になっていた映画「ハロルド・フライのまさかの旅立ち」を観てきました。

この映画の内容は、タイトルの通りで、イギリス南部に住むビール会社を定年した自由自適に過ごす主人公ハロルド・フライ宛に、かつて一緒に働いていた女性クイーニーから、ガンのため余命が僅かという手紙が来ます。ハロルド・フライは、「お大事に」という手紙をポストに投函しようとしますが、どうもその気になれず。たまたま、立ち寄ったガソリンスタンドの店員から「信じる力」で知り合いのガンが良くなったという話を聞き、ハロルド・フライは800Km離れたエジンバラの手前のベリックまで歩いていくことを決意します。

 もともとの英語のタイトルは、「The Unlikely Pilgrimage of HAROLD FRY」、直訳すれば、「ハロルド・フライの予期しない巡礼」とでもいったところでしょうか。自分が歩くことによってクイーニーが少しでも良くなるだろうという「信じる力」が結果的に「巡礼」に行き着いたとも言えそうです。とはいえ、800Km歩くのはクレージーなことで、東京から大阪まで500Kmなので800kmだと広島あたりまでになるでしょうか。その昔の東海道53次よりだいぶ長いです。ただ、このクレージーさが、起業家と似たような話で、最初は妻に呆れられ、止められますが、次第に、ハロルド・フライの巡礼がメディアにも紹介され、英国中でも話題になり、大きなムーブメントにもなります。
 
 さて、自分はハロルド・フライのように800kmも歩いた経験はありませんが、旅の記憶という点では、もう10年近く前になりますがニュージーランドの思い出が忘れられません。南部の都市クライストチャーチから車でクイーンズタウンまで移動したのですが、いたるところにラグビー施設がありました。サッカーでもなく、野球でもなく、ラグビーがニュージーランドの生活のいたるところに溢れていました、やはり、裾野が広いのですよね。そして、「高い山ほど裾野が広い」、そうした裾野の広さがナショナルチームのオールブラックスに繋がっているのだと実感しました、これは旅の良さですよね、最近は全然言ってないですが、また、行きたいですね。

もうだいぶ前になりますが、元APU学長出口さんがこう仰ってました、よりよく生きるためには、「人・本・旅」を中心にすべしと。これはそのとおりですよね。そして、ハロルド・フライも、クイーニーに会いに行くという「旅」を通じて、亡くなった息子への贖罪も果たし、ひと皮剥けたように思います。というわけで、映画を通じて、旅への思いが強くなりました。


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