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営業を科学する【新規開拓編】
こんにちは。かわうち(@KENGO_Kawauchi)です。
はじめに
今回は営業をテーマに書いてみたいと思います。
僕自身、新卒で野村證券に入社して地方や東京でガッツリ営業もやっていました。
営業をする中で、どのように成果を出していくのかということを真剣に考えながら日々仕事をしていた訳ですが、今回は営業というものを科学してみたいと思います。
営業で成果を出すために必要な要素やフェーズを因数分解して考えていきましょう。
営業に携わる人、特にインサイドセールスとフィールドセールスの両方を一人で行う営業パーソンにとって少しでもお役に立てば嬉しく思います。
【新規開拓編】と題していますが、僕は新規開拓というのはとても尊い仕事だと思っています。
0→1を生み出すというのは本当に難しいことです。新たにお客様になっていただくということですが、これは本当に難しいことなんです。だからこそ尊い仕事だとも思う訳です。
だってお客様じゃなかった人が、営業を介したことによって新たにそのサービスや商品を使ってくれるようになる訳です。こんなすごいこと、嬉しいことってないなって思う訳です。
難しいからこそ、世の中には成果が出ずに悩んでいる営業パーソンは多いことと思います。
しかしながら、営業というものを因数分解して要素ごとに考えれば「どうしていいか分からない…」とか「とにかくやり続けろ!」みたいなことにはならないとも思っています。
何が課題で、何を改善していけばいいのか?
それらをちゃんと把握できるように、因数分解して手を打つべき要素を浮かび上がらせていくことが大事だと思います。
ちなみに今回は、ウェブサイトや広告配信などによるリード獲得については触れません。
あくまでも「ザ・営業!」ということをやっている人をどまんなかに設定した記事にしております。
伝統的(古典的?)な営業の新規開拓について絞って書いているという点を踏まえた上でお読みいただければ幸いです。
ちなみに、これが伝統的(古典的?)な方法かについては議論の余地があると思いますが、それはさておき、このような手法からの観点で新規開拓が尊いと思う最大の理由は、ウェブや広告からのリードでは接触できない顧客を獲得できるということです。
顧客自体が自身の潜在的ニーズに気づいていない場合、営業による物理的なプッシュがあって初めて自身のニーズに気づくことがあります。
そういう出会いによって課題の解決が見出せることにつながる。営業によるアプローチがなければ生まれ得なかった(生まれる可能性の低かった)大きな成果を生み出すことができる。それができる営業という仕事、新規開拓はとても尊いことだと思う訳です。
尊い、尊い、としつこくてすいません…m(_ _)m
でも新規開拓を頑張っている営業のみなさんには、そういうすごい仕事をしているんだ!って自信を持っていただければ嬉しいなと思っています。
ちなみに、三戸政和さんはあと10年で営業という概念がなくなるともおっしゃっています。著書の「営業はいらない」も読ませていただきました。勉強になる良書だと思います。
ここでは、営業が必要だ!とか、必要ない!みたいな議論をするつもりはありません。
いわゆるインサイドセールスとフィールドセールスの両方を一人で行う営業パーソン向けに、新規開拓という点に重きをおいて営業を科学してみたいと思います。
それでは書き始めていきたいと思います!
ターゲットへの接触方法は3つしかない
新規開拓においてお客様と接触する方法は基本的には3つしかありません。①飛び込み
②手紙
③電話
この3つです。
3つしかないんかい!と思われるかもしれませんが、3つしかありません。
逆にこの3つをどう組み合わせていくか?どれが成果を出すために自分にとって最適な手段なのか?ということなんです。
【飛び込み】
いわゆる飛び込み営業というやつです。
今の時代は不謹慎だったり、敬遠されがちなやり方かもしれませんが立派な接触方法のひとつです。
【手紙】
野村證券でいうところの巻紙ですね。筆で気持ちを込めて面談依頼の手紙をお送りしたり。ここにはDMも入ってきます。
ちなみに僕は野村證券の新人時代、1年間で1,000枚以上の巻紙を書きました。大変でした…w
手紙やDMというのは郵便屋さんの力を借りた営業方法とも捉えることができます。自分が別の仕事をしている間に郵便屋さんの力を借りて営業をかけているイメージですね。こういう観点は大事だと思ってます。いわゆるレバレッジを効かせるということです。費用対効果をしっかりと考えて、採算がとれると判断するのであれば、ぜひ郵便屋さんの力を借りましょう。
【電話】
電話による営業ですね。テレアポと言ったりする場合もありますね。
電子的な方法により移動を伴わない接触という観点でいうとメールによるアプローチもこの中に入ってくると思います。提携のメールを自分以外(営業アシスタントなど)に送ってもらう場合は「手紙」の手法のひとつとも捉えられます。
まずは接触方法の種類をしっかり把握することが大事です。
すごく単純なことですが、この部分を整理・把握できていないパターンは結構あります。
n数を増やさないと何も始まらない
いきなり数学?みたいに感じるかもしれませんが、わかりやすくいうと「n数:サンプル数」ということです。
営業はn数を増やさないと何も始まらない。僕はそう考えているのですが、一体何が始まらないかというと、確度の高い営業プランを立てられるかどうかが始まらないということです。
営業においても、新規開拓においても「いつか結果が出ればいいや」的な考え方はビジネスパーソンとして論外です。
いつまでに、どのくらいの成果をあげなければいけないのか?
そのためには今年、今月、今週、今日、今、何をやるべきかをしっかりとプランニングしなければなりません。しかしプランニングすることが大事なのではありません。あくまでも、そのプラン通りに行うことで求めた成果が出るかどうかが大事なのです。
つまりは、求めた成果に結びつくプランを立てられているかが最も重要だということです。
n数を増やし、確度の高いプランを立てるとはどういうことか?
それは、自分は何件の電話をしたら、何件のアポを獲得できて、そのアポから何件の成約に結びつくのか。これをしっかり把握するということです。
逆に考えると、1件の成約を獲得するためには、何件のアポが必要か?アポを獲得するためには何件の電話が必要か?
これを見出すということです。
そうなるとサンプル数(n数)が多ければ多いほど、その確率というのが精緻になる訳です。そういう意味で、確度の高いプランニングのためにはn数を増やさないと何も始まらないということです。
成果=数 × 質 × 熱量
営業の成果は3つの要素の掛け合わせによって成立すると考えています。
成果=数 × 質 × 熱量
どれくらいの数を、どれだけの質と熱量で実行できるか?
これが営業の成果を構成する要素だと考えています。
数という要素は言わずもがな、どれだけの件数にアプローチするかということです。
質という要素は、提案の質です。セールストークであったり、資料のクオリティ、質問への対応などです。
熱量という要素は、いわゆるエネルギーです。自分が提案しているものへの自信であったり、お客様のことをどれだけ真剣に考えているか、どれだけ想いを持ってお客様にアプローチしているかです。
これはどれかがゼロであれば成果はゼロということを意味します。
たくさんのお客様に、ものすごい熱意を持ってアプローチしたところで、提案の質が目も当てられないものであれば成果には結びつきません。
また、ものすごいクオリティの高い資料で提案したところで、お客様のことをまったく考えていない提案であれば、これも成果には結びつきません。
つまり、これら3つの要素をそれぞれどれだけ高次に持っていけるか、保てるかということが成果を生み出す上でとても重要であるということです。
営業の4つのフェーズを意識する
成約にたどり着くまでには大きく4つのフェーズがあります。
①接触
②アポ
③提案
④クロージング
この4つのフェーズのどこに、どれくらいのターゲット顧客を抱えて(抱えられて)いるのか、ということを正しく把握しなければなりません。
先ほども申し上げましたが、成約にたどり着くまでの確率から逆算し、求める成果をあげるためには、それぞれのフェーズに抱えていなければならない顧客数を必要以上にキープしておかないといけない訳です。
必要数というのは、n数を増やすことによって得られた確度の高い営業プランから導き出す訳です。
4つのフェーズを意識した営業の進め方における重要な考え方は、大量の料理を同時につくるイメージに近いかもしれません。
もちろん、お客様を料理するという意味合いではありません。わかりやすく説明するためですので、ご容赦くださいませ。m(_ _)m
例えば、100人にカレーを提供しなければならいとしましょう。
材料を切って、炒めて、ルーを入れて煮込んで、さあ完成という具合なんですが、ひとつの鍋で作れるカレーは10人分だった場合、10人分が完成してから次の10人分をつくるために、再び人数分の材料を切って、炒めて…みたいなことをやっていたら、はじめに出来たカレーは最後のカレーを作り終えるときには冷め切っちゃいますよね。
営業も同じです。ひとりのターゲットに、接触して、アポをとって、提案して、クロージングするなんてことだけをやっていたら期間内に目標を達成することなんて出来ません。
ですので、1つ目のカレーの材料を炒めながら、2つ目のカレーの材料を切る。1つ目の鍋を煮込み始めたら、2つ目の鍋を炒め始める、その間に3つ目の材料を切るみたいな同時進行をしなければいけないということです。
これって言われれば当たり前なんですが、意外にひとつの案件だけ追いかけてクロージングは迎えたけど、次に提案できるお客様がいません的な人って多いと思います。
成果を出す営業は、n数によって導き出された確率に則って、各フェーズに必要な顧客数を常に抱えられている状態をキープしなければならないのです。
上司がなすべきこと、本人がなすべきこと
最後に、営業部門や営業担当を抱える立場にある上司がやらなければならないこと、そして営業パーソン本人がやらなければならないことについて触れてみたいと思います。
まずは上司がなすべきこと。それは【質】をあげることに注力することです。
【成果=数 × 質 × 熱量】だと言いました。この成果を生み出すための要素の中の【質】を上げてあげることにとにかく注力すべきです。
質はすぐには上がりません。しかしながらその際に上司としてできる有効な手段は「同伴外交」です。同行営業と言ったりもしますね。
クロージングに向けて高い質の提案を一緒におこなってあげることが有効な手段です。逆にいうと、【質】をあげるために上司をうまく使える営業パーソンは優秀です。
次に、本人がやらなければならないことですが、それは【量】と【熱量】の部分です。
とにかく、数をこなすこと。誤解を恐れずいうと、成果が出てないのであればがむしゃらに数をこなすことだけをまずは考えるべきです。n数を増やして確度の高い営業プランを立てるためには【数】が重要です。【数】をやっていない人には確度の高いプランを立てることは出来ません。
接触からクロージングまで行う営業パーソン(インサイドセールスとフィールドセールスの両方を一人で行う営業パーソン)で、成約確率100%の人は存在しません。
n数によって導き出された確率がどれくらいかは人によって違いますが、数はこなさないと成果は増えません。ですので、まずはとにかく数をこなすことです。
また「熱量」をあげることです。それは、自分が提案しているものへの自信であったり、お客様のことをどれだけ真剣に考えているか、どれだけ想いを持ってお客様にアプローチしているかです。
出来ない営業パーソンに限って自信が扱っている商品やサービスについて批判的であったり、良い部分が見出せていないことが多い。
こういう営業パーソンは、一刀両断!勉強不足です!!
その商品、そのサービスについて、とことん考えとことん勉強した結果、本当にダメなものであれば扱うべきじゃない。扱わなければいいのです。
営業は押し売りではありません。お客様のためになると思うものを届けることが営業の仕事です。不勉強なのに文句ばかりの営業パーソンは典型的にダメな営業です。すいません、熱くなってしまいました…m(_ _)m
お客様のことを真剣に考えることは営業として怠ってはいけない重要なことです!ということが言いたかったので。これも熱量ですよ。
少し話は逸れるかもしれませんが、テンションとモチベーションは履き違えない方がいいと思います。テンションというのは一過性のもので、モチベーションというのは自らを突き動かすドライブです。
成果の出ない営業パーソンほどテンションで勝負しています。決してその部分は履き違えない方が良いと思います。
さいごに
営業を科学する【新規開拓編】ということで書かせていただきました。
■成果を構成する要素は「成果=数×質×熱量」
■接触方法は「飛び込み・手紙・電話」の3つしかない
■営業における4つのフェーズ「接触→アポ→提案→クロージング」
■正しく成果を出すために精緻な確率を持つ。とにかくn数を増やすこと。
これが重要だと考えております。
今回の記事が営業に携わる人にとって、少しでもお役に立てば嬉しく思います。
ちなみに、n数を増やすといっても、
どれくらいの数をこなせばいいの?
どんなセールストークがいいの?
どんな手紙を書いていたの?
などなど、今回の記事では書ききれなかったこともたくさんあります。
つまりは、成果を出すための要素である【数】【質】【熱量】をどのように高次に持っていくか、高次を保つかについてです。
これについては、また機会があれば書いてみたいと思います。
お読みいただきありがとうございました!
経営/組織/営業/スポーツ/新規事業のことなどが、僕の好き&得意な分野なので、また書いてみたいと思います。
これは僕のツイッターです。@KENGO_Kawauchi
こちらでもちょいちょい呟いてますので、気が向いたらのぞいてください ^_^
ありがとうございました!