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先延ばし癖は治んないんだよ笑

 僕は病的な先延ばし主義者だ。正常な社会生活が送れなくなるギリギリのラインをいつも攻めている。そして、大抵の場合はそのラインをほんの少し跨いでしまうわけだ笑

「先延ばし癖、治さないと死ぬよ??」

 電気料金を滞納してしまって(それも、お金がなくて滞納ってわけじゃなくて、単純に振り込みにいくのがめんどくさかっただけだ)停電した僕の部屋で、蝋燭のあかりに(いつ送電停止になってもいいように蝋燭を準備している)照らされながら、僕の家に泊まりにきた友人が僕に説教した。その様子はさながら百物語のようだった。僕は、もちろん、震え上がった笑

 ただ、悪いけどその友達は(そして、「先延ばし癖、治そ?」とか言う人みんなが)先延ばし癖のことを理解していない。

 先延ばし癖は、治らないんだよ

 なぜなら、先延ばし主義者は、先延ばしを治そうという試みすらも先延ばしにしてしまうからだ。そういう原理で、永遠に先延ばし癖は治らない。数学的帰納法のように美しい「先延ばし癖は治らない」の証明だ。

 さらに申し上げると、「先延ばし癖」のおかげで僕は今も生きていると断言できる。

 何か辛いことがあった時、衝動的に”死にたい”と思うことなら誰にでもあるだろうと思う。僕はそんな時にも生死の境を跨いでしまわない自信がある。なぜなら、僕には「先延ばし癖」があるからだ。

 死んでしまいたい。でも、今じゃなくていいや。

 そう思っているうちに、いつの間にか立ち直っている。


まずいな。僕には課題が99くらいも残っていてだな、、、
まぁ、いいや。とりあえず、岸田衿子の詩集でも開こうか。

『くるあさごとに』

くるあさごとに
くるくるしごと
くるまはぐるま
くるわばくるえ


 忙しくなった時に呪文のように唱える詩だ。

さて、目の前には蝋燭の火が揺らめいている。

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