東大(理科II類)に現役で受かるまでにお世話になった参考図書(国語編)

はじめに(そもそも国語の対策って要る?)


 はじめに書いておきます。

 東大の理系を受験するのであれば、国語の対策はほとんどいらないんじゃないかと思います。対策するにしても、センター対策(足切りを超えるため)だけです。その後、東大の二次試験に特化した対策は必要ない、と私は考えます。なぜなら得点比率が低い上に、点数のばらつき(標準偏差)も小さいからです。(440点満点の二次試験において、国語の配点は80点しかありません。しかも、だいたいの受験生の得点は30 ~ 50点の範囲に収まります。)

 ですので、まずはセンター試験の国語を一度、時間制限内で解いてみるといいでしょう。もし、その時点で8割を超えるのであれば、足切り突破には十分であり、国語の対策はほぼ必要ないということになります。余力を他の科目に回した方が効率的でしょう。(このnoteを読む必要もありません)

 そのような前口上を述べた上で、さらに読者の読む気を無くさせるようなことをこれから書きます。

 はっきりと書きますが、国語という科目は、とにかく努力が反映されにくい科目です。特に、現代文の対策はほとんど無意味と言い切っても良いのではないかと思います。できる人は特に何もやらなくてもできますし、できない人は努力をしてもなかなか成績が上がりません。ですので、対策は後回しがオススメです。やるとしても、古文・漢文を優先すべきであると思います。
 あるいは、国語の勉強は気晴らしみたいなもの、と捉えてもいいかもしれません。過去問として取り上げられる文章は(特に東大の二次試験の出典は)読んでいて面白いです。

(ヒント:ここで「面白いな」と思って読めるということが、国語という科目における潜在力を表します。もし、「面白い!」と思いながら読めているにも関わらず、得点だけが低いのであれば、あなたは何か損をしています。コツを掴みさえすればすぐに伸びるでしょう。そんな人はなかなかいませんが、、、)


現代文:とにかく知識を詰める(くらいしかできることがない)

 得点に結びついていた!と確実に言えるわけではありませんが、知識はあった方がいいと思いますので紹介させていただきました。

古文:古典常識が欠けがち

 古文単語を覚えて、古典文法の活用表を丸暗記(いやぁ、大変そう^^;)をしているにも関わらず、古文が苦手だ、という友達が何人かいました。そういう人たちに共通していたのは、「常識」が欠けていることです。

 もちろん、ここで言う”常識”は、今から1000年くらい前の日本での常識です。

例えば

上にさぶらう御猫は、かうぶりにて、「命婦おとど」とて、いみじうをおかしければ、かしづかせ給(たま)ふが、

枕草子『上にさぶらふ御猫』

という一節(書き出し)を読んで、「え!!!羨ましい!!!」とびっくりできなくてはなりません。ここでは猫好きの一条天皇が、「命婦のおとど」という猫にわざわざ位(天皇の近くに控えることができるくらい高い)を与えた、という状況が説明されています。「自分の生涯をかけても、そこまでは出世できないのに、あの御猫め、ただ寝転んでいるだけで、、、チクショー!」となるわけです笑。
 その理解が、のちの命婦のおとどへのいたずら(翁丸という犬に襲わせる)の読解に繋がるわけです。

※余談ですが、、、この話、個人的に大好きです。なんとまぁ、1000年前の「イヌ派vsネコ派」論争が繰り広げられているわけです。名言の宝庫です。二つだけ紹介させてください! 

 次の引用は、乳母がのんびり昼寝をしている命婦のおとどにイラッときて、びっくりさせてやろうと翁丸(犬)に襲わせる場面です。

「翁丸、いづら。命婦のおとど食へ。」

枕草子『上にさぶらふ御猫』

そして、命婦のおとど(猫)を追いかけ回した翁丸(犬)。そのことが一条天皇にバレて大目玉をくらいます。

「この翁丸うち調じて、犬島につかはせ。ただいま。」

枕草子『上にさぶらふ御猫』

 一条天皇は、罰として翁丸(犬)を棒で叩いて、犬島に流せ!と命令します。「犬島」ってのがいいですよね笑 私はお腹を抱えて笑いました^^そんなものがあるんかいっ!笑


話が逸れたので、ここまでをまとめます。

 要するに、古文において勉強する必要があるのは次の三つです。

古文単語
古典文法
古典常識

 これらのうち、”古典常識”が欠けがちだと思います。

 私は、そうした古典常識を、訳注を読む中でなんとなく身につけていきましたが、この参考書はそれらがよくまとめられていて読みやすかったです。(ただの読み物として、楽しみながら読んでいました笑)

漢文:範囲が狭いので、一気に詰め込むのが吉

 漢文は一気に詰めて(二週間くらいで)完成させることを勧めます。暗記すべき内容も、それほど多くはありません。

 私は、これを使って一気に詰め込んだ覚えがあります。

さいごに

 お世話になった参考書シリーズの中で、「国語編」は最も内容が薄くなってしまいましたが、それはやはり、私自身があまり国語対策をしてこなかったためです。ご了承ください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?