アンダーカヴァー (名盤016)
「アンダーカヴァー」
「アンダーカヴァー」は1983年に発表されたローリング・ストーンズのオリジナル・アルバムです。リアル・タイムで中学生の頃に初鑑賞、刺激を求める年頃、それ故に打って付けの作品でした。本作の興奮や刺激は例えるなら、喫煙、飲酒、運転免許あるなしに関わらずオートバイの暴走行為、楽しい故に夜遅くに帰宅等、大小様々ですが十代の頃にいけないことや好ましいことではないという自覚がありながら求めたり、止められなかったり、ある種、背くことの快感や憧れに似ています。また、アルバム・ジャケットも十代のニーズに応えるような刺激がありました。考えてみるとサイケデリックな時代の名盤の数々も思い浮かびますが、新しいドラッグ、それを試みて作られたトリップ感もあります。でも、冷静も垣間見えるのはバラード等を一切、排除した構成です。あの音では不釣り合いなそれですが、逆にそれも含めてカントリーやフォークがどのような感触になるのか危険を冒すようで好奇心も湧いてきます。スタジオやプロデューサーやエンジニア等の活躍や貢献が充分に反映されている本作、加えてプロモーション・ビデオが必要不可欠だったことやリミックスの12インチのレコードを視野に入れた音作りも反映されていますが、やはり、十代の気分も反映されたアルバムでもあります。
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