1984 (名盤035)
「1984」
「1984」はタイトルが示すようにヴァン・ヘイレンが1984年に発表したアルバムです。全九曲、オープニング・ナンバーはアルバム・タイトル曲、一分を少し超えるキーボード演奏のインストゥルメンタルです。1984年に限らず1980年代はキーボードやシンセサイザーの活躍が目立ちましたが、結果、ダイレクトに示したのがヴァン・ヘイレンというのは意外ではあります。それをなぞるようにアルバム・ジャケットも天使とタバコという組み合わせはギャップがもたらすジョークでもありました。個人的には「ホット・フォー・ティーチャー」が一番好きな曲、この曲を含めて「ジャンプ」、「パナマ」等四曲もシングルになっていて充実した内容です。振り返るとバランスの良い四人組、ギターのエドワード・ヴァン・ヘイレンが目立つのは当然ですが、リズム隊も強度が強く、デイヴィッド・リー・ロスも手ごたえのある歌声で好感触です。後にデイヴィッド・リー・ロスは脱退してソロへ転向、代わりにサミー・ヘイガーが加入しました。健全性が加わった印象を受けましたが、これもまた、ハード・ロックでありながらギャップを感じました。