レビュー「わたしの好きなアルバム10作品」 第七回 生活
「生活」
洋楽邦楽問わず、一番、好きなアルバムが本作です。春夏秋冬の秋、喜怒哀楽の哀、朝と昼と夜と真夜中だったら真夜中、音楽的にはレッド・ツェッペリンみたいなハード・ロックとアコースティック・サウンド、それらが本作ですが、本作が好きな理由を考えたら、これら四つの組み合わせが個人的には丁度良いテイストなのかもしれません。曲の並びや配置も充実していて、レコードだったら、A面の最後が「偶成」になるかと思いますが、アップテンポな曲が続いて、A面の最後はミディアムテンポな曲で終わるパターンは個人的には好みです。白地に黒字でアルバムタイトルとバンド名、それは、なんとなく、遺書を連想させます。そもそも、何で、このようなアルバムジャケットになったのでしょうか?わたしの単純な推測ではありますが、中島みゆきの「生きていてもいいですか」というアルバムの影響だと思います。白地と黒地で対照的ですが、「生きていてもいいですか」は消えてしまいそうな細い字、そして、アーティスト名もありません。曲数は少ないという事柄は一致していますが、その後の何十年に及ぶキャリアを重ねてきた中島みゆきとエレファントカシマシの前向きに生きる姿勢も一致しています。中島みゆきの熱心なファンではありませんが、エレファントカシマシの方向性が中島みゆきと一致しているのは嬉しいです。