【構えと攻め】剣道で1本を取る方法

今回は構えと攻め方についてお話していこうと思います。

前段の理合について記述した中で、『技が炸裂する状況を作りに行く』と謳いましたが、これが『攻め』という事だと認識下さい。

そして、その『攻め』を最大限発揮する為に『構え』が重要だと言うことも認識下さい。

全ての『攻め』は『構え』から始まりますので、それぞれ分けて説明していきます。
練習する際、こちらも念頭に置いて励んで行きましょう!



①構えについて

基本は『中心をとること』になります。

剣道における中心とは3つ存在し、
そのうち2つは空間上の話になります。

まず1つは↓画像のように相手の体の中心線に合わせます。(横軸)
ちなみにこの中心線は自分が主体なので、相手の正面は関係ありません。日本剣道形2本目の仕太刀側の体捌きからの振り下ろしをを想像して頂くと容易かと。

もう一つは、相手の目から見て竹刀が点で見える位置です。(縦軸)

※縦軸を合わすのは中々難しいので、鏡を見ながら構えの練習する方がいいでしょう。

懐は深く。
左手の位置は拳3個分目ぐらいが丁度いいと思います。

この2つの軸合わせ(空間軸の中心)と、
打つタイミング(時間軸での中心)の取り合いがよく聞く『間合いの攻防』と呼ばれるものになります。

先にこの3つの中心をとることが『攻め』の第一歩。
3つの中心を先に自分が取って、初めて『打突可能な状況』になります。よく返し技や応じ技や出鼻技を打たれる方は、この3つの中心のどれかが欠けていると思われます。

この3つの中心を取った段階で、そのまま打突しても大概応じ技や返させることは少ないですが、一本を取れるかというと不十分になります。

3つの中心を取った上で、
『技が炸裂する状況』を作りに行く『攻め』を行うことが一本を取りやすくなる近道となります。


②攻めについて(相手の崩し方)

人それぞれプレイスタイルがありますので、私がよく使用する攻め方の一例を載せておきます。

くどい様ですが、あくまで3つの中心を取った瞬間の話です。それを取れてなくてこれを試したとしても全く相手は崩れませんので、ここだけ絶対に忘れないようにして下さい。


攻め方 その①フェイント

なんだフェイントか〜。と思った方。
これはフェイントでも高度なフェイントになります。内容は簡単なのですが実際結構難しい。
やる事は『本気で打突しに行き、打突の開始コンマ1秒間、身体を止める事』です。
少なからず殺気というのは存在し、それを無意識の内に人は受け取ります。特に試合中などはそのセンサーがより敏感に反応します。
そんな中、本気で打突する体勢や気概は物の見事に反応してしまいますので、これがマジで効きます。

ポイントは『打突の出始めに身体をほんの瞬間止める』こと。

イメージは『空想の打突を相手にぶつける』こと。

実際まだ打突は始まっていないので自身の身体は崩れていません。相手だけ崩れているので、面が空いていたら面。小手が空いていたら小手と、空いた打突部位に打突出来るはずです。

私は小手が得意なので、10本中9本はこれで面を打ちに行きます。これで決まれば御の字ですが、まあ大概防がれたりしますので、相手が私のタイミングと面打ちに慣れてきたと判断した段階で小手打突に変化させます。
これで決まればいいのですが、決まらなくても相手の内心はバクバクしている筈です。パニック状態になった相手には、同じフェイントを行った後、諸手突きがほぼほぼ決まります。

こんな感じに一本が取れる確率がトントン拍子に上がって行き、こちらの打突選択肢の幅が爆発的に増えていく。そんな攻め方です。是非お試しを。

攻め方 その②竹刀を殺す (相手の中心が弱い場合)

打たれるのが怖い方必見。
相手の竹刀を殺していれば、返されたり応じ技を打たれる事はありません。
竹刀を殺しましょう。

表から抑えて打突する方法は皆さん練習でやっていると思います。練習でやっているからこそ、打たれる側も防げるようになってきています。

今回は裏から確実に殺す方法です。

①まず左足を左斜め前に少しすり足させながら、相手の竹刀を右方向へ払います。(重心は左足)

②そのまま自身の勢いを殺さず右斜め前に右足ですり足すると同時に、相手の竹刀を右下方向へ押し殺します。竹刀を押す場所は、相手の竹刀の真ん中〜手元までの位置を推奨。

③これで完璧に相手の竹刀は死にましたので、後はがら空きの面なり小手なり突きなり、自分の好きな技を直ぐに打ち込んで下さい。

※入りすぎて前に打突する空間がない場合は、その場で踏み込みして引き技に変えて下さい。

①②③をスムーズに行えるように是非試して下さい。


攻め方 その③竹刀を殺す (相手の中心が強い場合)

中心を取ってもすぐ取り返されるな〜
っと竹刀がカチャカチャと間合いの攻防が続いて硬直している場合の攻め方です。
一瞬でも中心が取れたその瞬間、相手の剣先を一瞬左方向へ抑えた後、くるっと時計回りに剣先を回転させて相手の竹刀の上に自分の竹刀が乗るような位置まで持ってきてください。
その際、少しだけ間合いを詰めて、剣先は相手の目線まで伸ばすことをオススメします。

この時点で相手の竹刀は死にましたので、そのまま腕を少し伸ばして面を打突する事が可能です。
※相手の小手はすかぶります。


攻め方 その④相手の腕を浮かす

私は小手が得意技と言いました。
いつも小手が打ちたくて打ちたくて仕方がない上に、一発で気持ちよーく決めたいので、色々と準備します。

準備というのは、以下2点。
・面が得意技と思わせる
・攻めた後の打突が面しか無いと思わせる

大体パターンは決まっていて、攻め方その①その②その③で面を打ちまくります。大概返されたり応じ技されたりしないので、これに関してはもうバンバン面を打っていきます。
中盤戦くらいになって、相手が私の攻めと面に慣れてきたなと思った瞬間、

剣先を相手の右小手に刺すように剣先を下げつつ、瞬時に間合いを攻めます。動く距離は道場の床板一枚分の距離程度。

十中八九、相手の腕が浮きますので、そのまま小手を打ち込む事が可能です。



終わりに

相手を崩して、技が当たるまでの一連の流れを色々描きましたが、これが理合になります。
なるようににしてなること。
私は設計書と思っています。
それ通りにすればそれ通りになる。

ただし、人それぞれで違ってきますので、
対戦相手にちなんだ設計書を、
ご自身の練習の中で見つけてください。

これを見つけることが、練習です。

基本打ちや技の稽古していても強くなれません。

ご自身の理合を追求して行きましょう。

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