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情報量が凄まじい、爆勝の大阪ダービー 2025J1リーグ開幕戦
柿谷曜一朗並みの気分屋でnoteやってます、ご無沙汰しております。2025年シーズンあけましておめでとうございます。いまだに声が少々枯れております。開幕戦からいきなり語りたいことが凄まじいですな、はっはっは。
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セレッソ大阪30周年の集大成を生え抜き出身セレッソ一筋監督で迎えるも不本意なシーズンで終結。原点回帰し明確に攻撃&育成スタイルを掲げてチームを再構築、アーサーパパスを監督に迎え、重心をより前に、矢印を明確に前に向けたサッカースタイルの構築に取り組んでいる最中。レジェンド級の選手やここまで長くセレッソに貢献してくれたベテラン選手が相次いで退団し、残った実績ある選手だけでなく将来の活躍が期待される若手選手も含めて全員が戦力になり、これからのセレッソ大阪をまた心機一転創っていきましょうやというムードの中、用意された開幕カードは金J開幕戦・大阪ダービーアウェイゲームinパナソニックスタジアム吹田。なんでこんなゲームを開幕にもっていくんだというリーグ側のセンスに戸惑い(プレーしやすい・過ごしやすい秋頃にスカスカの日程を組むセンスも理解しがたい)、ただ結果次第では勢いをもって開幕ダッシュを切れるという期待感もあり、新しいチームの現在地も未知すぎてどう見ればいいかとソワソワする気持ちもありと、様々な想いがあった。
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特にシュートクロス練習は要注目。
大注目のカード故にチケット争奪戦も凄まじかった。自分はミックス席をゲットしたけどアウェイゴール裏はダイナミックプライシングの影響で一時は1万円台にまで跳ね上がったとか。結果的に1万でも足りないぐらいビッグな試合になったけど(笑)
サポーターとしてクラブを応援したいなら隅っこに押し込まれようと屋根があろうとなかろうと結局来てくれるんでしょ、売れるからどんどん値上げしようというのはビジネスとしては正解。この傾向はヨドコウ桜スタジアムでも起きるはず。まして転売対策も一段と厳しくなっているし。
転売ヤーはお互いに協力して潰す。しかしアウェイサポーターからはとにかくカネを巻き上げる。これが令和の大阪ダービーか。
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この試合およびシーズン通しての前評判は低め。順位予想も二桁順位が多め。チーム総得点の半分を占めていた得点源の移籍や選手層が薄いことが響くのではと不穏な意見があったが...
正直、個人的にああいった順位予想にはタイトル獲得を経験してからほとんど興味がなくなってしまった。低い順位を予想して、本当にそうなってしまうほうが嫌だし。セレッソ大阪が一番、あとはそれ以外、の精神で贔屓目で応援しつつ、チーム状況や相手の動きも見て冷静に見る目も持ちたい。
何事も「積極性と先回りの思考(プロアクティブであること)を持つこと」が大事。ちなみにこれはアーサーパパスのWikipediaから拾ってきた言葉である。
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今のセレッソだとシーズン予想が高すぎてマークされ余計なプレッシャーがかかるよりは、じわじわとチーム力をつけてのびのびと謙虚にやってもらったほうが絶対にいいので、前評判が低くても結構。
あとはこの試合だけでいうと、あちらさんは監督続投によりチームの方向性や戦略は上積みがあるが、戦力の上積みがあまりない印象。3年目にしても監督の志向に沿ったチーム編成ではないのはなかなか厳しそう。逆にセレッソ大阪は戦力は上積みというよりは補充が多めであとは若手がどれだけ突き上げられるか、ベテランは勝利のメンタルを発揮してチームを牽引できるか。戦略の上積みはこれからという状況なので、セレッソの出来次第でどちらに転んでもおかしくない試合になると予想。
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スタメン発表。監督が変わっても大一番で監督の信頼を勝ち取ってきたシンジカガワには驚いたし、颯太と澪哉の二十歳コンビもスタメン入りで中々理想的な構成。向こうはパワー系のウイングブラジリアンがいない代わりに高卒新人が入っており果たしてどうなるかと思っていたら...
まさかの開始7分で先制点!
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畠中の縦パスから始まったゴールではあったが、その前に右サイドで相手のプレッシングをパス回しでなんとか剥がしていて、これはまだプレス回避とビルドアップがごちゃまぜの状態か?とハラハラしていた矢先の展開。
畠中から颯太へのパスも別に鋭いグラウンダーではないが狙い十分のパス。これで中谷を引き出し、翔を使って逆サイドの勇斗に展開。ここの奥抜のプレッシャーも弱い。勇斗に渡ったときにはルーカスが右サイド奥に張っててハットン、澪哉、真司、颯太がPAエリア内に駆け上がってて、これは早速厚みのある攻撃ができているな、と...
真司が倒されるもこぼれ球を颯太が美しいカーブシュートを描いて先制。向こうのゴール裏の目の前で桜の戦士たちが喜びを爆発するなんて観てるこちらも一気にスイッチが入ったよねえ。ああ、開幕したんやなってこの瞬間思った。
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前半はハイラインは敷くものの、距離感が悪くて自陣でボールを失う展開もあり、ただ基本的には相手を自陣に引き込んでサイドに流れた颯太か、ウイングのルーカスか澪哉を使って敵陣深くまで攻め込みたいんだろうなあという狙いは見えた。
一方でカウンターを受けて一気に帰陣を迫られる場面が続くと空いているスペースにつけこまれ厳しくなるので、今後もボール奪取のところは後手を踏まないようにしたい。
一度畠中が山下のスピードと対峙して戻りきらないといけないカウンターはあったけどあんなフルスピードのドリブルからファーサイドに対角のシュートなんて相当難しい。
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前半の内容だけでも相当お腹が満たされた。チームの現在地をひとまず45分感じることができたし、ただダービーマッチなので結果も伴ってくれるといいなあと思って後半に臨んだらまさかの開始早々に颯太が2点目。
ルーカスが敵陣深くまで攻め込んだクロスのこぼれ球がいいところに転がり込みディフレクションも起きてあっさり決まった。予想外の1点。長蛇のトイレの待ち列行かなくてよかった(笑)
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さらにその後右サイドで相手が圧縮してきたところを真司がかいくぐり、逆サイドに展開をして畠中→翔→澪哉と渡るころには1点目同様にハットン颯太ルーカス、そして真司がエリア内まで攻めあがっていた。ゴール前に人数をかけていき、エリア内からシュートを決めていくスタイルが今後も強みになってくれると嬉しい。澪哉は相手に向かってドリブルできるので半田の対応を見ながらカットインシュート、こぼれ球を真司が決めて3点目。DAZNで曜一朗が「ほんまゴール前で慌てないっすねえ」と大絶賛。
後半早々に点が入った影響もあったと思うけど、前半ほど自陣でリスキーなパス回しをして相手をひきつけ裏返しを狙うこともしなくなり、颯太を中心に自陣よりも敵陣で、相手のパスの出所に悉く圧力をかけていってた。今回はそれが見事にハマった。
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2失点目で長い長いVARチェックがあって、これが変にリズムを狂わせるかもしれないと身構えていたが、結果的にセレッソのほうが集中を切らさず4点目を獲得する。FKでハットンと進藤の間でフリーになっていたあちょが綺麗にヘディングで叩き込む。
2失点目は得点直後でここで試合を落ち着かせてほしかったのもあって、点の取り合いになってきたなあと思った矢先に、突き放すように追加点を入れたので気持ち良かった...!
こんな点の取り合いに慣れている元ミシャ札幌勢の進藤あちょルーカス、リーグ優勝経験者の真司や畠中、アドレナリン出まくっている若手含め、とにかく全員が生き生きとしていた。
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5得点目の元彦のは、曜一朗の解説とセットで観ると胸が熱くなる。「パス出すな」「せやなお前は」これだけで十分だけどあえてこちらが一言付け加えるなら「おかえりなさい、”セレッソで”点を決めてくれる元彦を待っていました!!!!」
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そしてこれで多くの青黒サポが席を立ち始めた。相当なダメ押し。これぞ仕上げのゴール。
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パパスは5バックをおぼえた。
試合前はセレッソ大阪の仕上がりがあまりに未知だったもんでフワフワしながら臨んだ金J大阪ダービーアウェイマッチは、開始7分のゴールでセレッソ大阪サポーターのスイッチが入り、後半早々からセレッソがじわじわと主導権を取り戻していって、4点目5点目で相手のメンタルもへし折るという爆勝試合で幕を閉じた。
ローランドアンバサダーがトークショーで話していた「Jリーグが、セレッソ大阪が一番勢いに乗れる試合を組んでくれた」との言葉通りの試合に。何度目かの俺らが大阪。
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まだ1試合ではあるがチーム状況、良いところや改善点も出てたしそれを生で感じることができてとても収穫のある試合になった。すぐに来るホーム開幕戦に向けて切り替えてもらい、謙虚にかつ強気に戦って勝利をつかむ姿を観たいところ。
アーサーの采配は今回は選手交代をしないままに4得点を達成したので、今後得点に直結する采配や局面を打開する采配が観られるかどうかにも注目したい。
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そして試合は相手がいて成り立つもので、3年目を迎えたポヤトス体制吹田さんの話もしておくと、ここまでクオリティが落ちているチーム状況だとは思わず。
「チームの方向性や戦略は上積みがあるが、戦力の上積みがあまりない印象」と先ほど書いたが、編成のテコ入れもなく”継続して積み上げていけば昨年通りに結果を残せる”という意気込みだけではさすがに苦しい。
「僕らは同じ監督のもとで3年目だし、哲学と戦い方は浸透している。選手もさほど変わっていない中で向こうよりは積み上げているものが確実に大きい。問題はそれをピッチ上で表現出来るかどうか」と宇佐美はガンバのプライドを口にした。
プライドが高いのは知ったことではないが、この試合を見る限りセレッソの勢いに面食らっていたように見えた。ポステコスタイルでリスクをかけて前に激しく来るだろうとセレッソ対策はしていたと思うがそれがほとんどピッチ上で体現されていなかった(特に相手の前線の守備はアーサーどころか小菊さんからも相当厳しく見られるだろうレベルで酷い)。
敵将曰く「プレッシャーをしっかりと掛けて行くことと、そして相手をハメ込んだ時には絶対にそこで逃さない。後は攻守のリオーガナイズを速くして相手に時間を与えないこと」を目指した結果、守るゾーンが広くなっていてこれだと鈴木徳真は2023年にぶち当たったものと同じ課題に再び向き合うことになるかも...これは3点目の真司の攻め上がりに対して後手を踏む徳真の姿を見た印象。まあどうなろうと構わないが。
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この1試合で向こうがこれまで積み上げてこられたであろうものが崩れたとは思わないが散々な出来だったのは間違いない。セレッソ大阪としてはここで変に浮かれることなくひとまず自分たちの方向性を示せたことをプラスにとらえたい。
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大注目の大一番を乗り越えて、結果がついてきてくれたおかげで大阪でのホーム開幕戦もかなりポジティブに臨むことができる。曜一朗も丸橋祐介アンバサダーも来場してサポーターの前に出てきてくれるし、いい雰囲気で楽しめそうだ。今年もよろしくお願いいたします。
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