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若い桜の開花目前 2021J1⑩ セレッソ大阪vs浦和レッズ
ゴールを取るため、ゴールを守るために、チームは約束事を決め、徹底してこなそうとする。
チームとしての決まり事の再現性が高く、試合の主導権を握るに値する内容だとそのサッカーは支持を得やすい。
ただサッカーにおいて、素晴らしい内容のサッカーをしても必ずしも結果に結びつくとは限らない。その逆もしかり。どれだけ主導権を握られても、ワンプレーでゴールを奪い、どんなにいびつな守備陣形でも相手にゴールを取らさせなければ勝ち点3を獲得することができる。
今節は、内容はどうであれ結果として上位争いに踏みとどまることができたといえる試合だった。
U23からトップチームへ
試合終了の笛が吹かれたとき、ピッチ上には西尾隆矢、中島元彦、山田寛人の3人がいた。かつてセレッソ大阪U23でアグレッシブに戦い実力を上げてきた3人。我々サポーターも将来のセレッソの顔として期待を寄せた3人。
彼らは今トップチームでチームに欠かせない戦力になろうとしている。
クラブは昨年までのロティーナ体制を継続しなかった。次世代を担う若手選手が出てこなかったことを問題視していた。
クラブは育成で育て上げてきた若手、レンタル修行で経験を積んできた伸び盛りの選手にチャンスを与えることで、チームの底上げを図ろうとした。
有望な若手にチャンスを与え、さらに成長を促すことで、ローコスト経営でもチームの戦力アップに繋げることができる、との考えの元で今チームは動いている。
かつてU23チームで実戦経験を積むところからステップアップしてきた選手たちがJ1で、セレッソのトップチームで出場時間を増やし始めている。今後彼らにさらにチャンスが与えられるだろうと思わせられる試合だった。
特に寛人は66分の先制点のシーンでも空中戦に競り勝っていたように、この試合では効果的なプレーが多かった。昨年J1仙台で実戦を積み、様々なポジションを経験。この試合では潤に代わり右サイドハーフで出場。仙台でもやっていたポジション。
守備にしっかりと戻れるだけでなく、前への推進力も期待されての投入。前半では豊川・嘉人にボールが収まらず、空中戦の競り合いでも分が悪かったが、寛人が前線のターゲットになったことでアタッカー陣の役割が幾分整理された印象。強引にも相手ゴールに攻め込むチャンスが広がった。
寛人は琉球・仙台へのレンタル修行前のまだ動きが硬かった頃と比べると別人だった。今後ゴールに直結するプレーが増えてくるとチャンスは増えそう。戦術に助けられる場面が期待できないので個人次第ではあるが...
決定力に乏しかった浦和が早めに得点しようと攻め込み、テンポを上げてきたのもあって試合がオープンに。そうなると元彦のドリブル、むつきのスピードも生きてきた。2人とも決定機があっただけに決めておきたかった。特に元彦はバースデーゴール未遂。85分のダイビングヘッドはコースを狙い過ぎたか。この辺はまだ経験値が足りないということで今後の課題に。ただ同じく戦術的に助けてくれないので個人次第。
隆矢もこれで12試合フル出場。昨年の状況からは考えられないことになっているが対人能力やフィジカルの強さを発揮しディフェンスリーダーとして君臨している。
今後長くセレッソの顔としてチームを牽引するポテンシャルがある若手選手と、経験値と実力が高い中堅・ベテラン選手たちとの融合。何度も同じようなことをこれまでも書いている気がするが、新たな若手の台頭に注目し、とにかく全選手をサポートする。今季はその部分でどれだけ団結できるかが重要だ。
5月も桜満開で
4月は新型感染症の影響もありながら配置で殴ってくるチームにも振り回されながら色々ありながらも12試合20勝ち点とまずまずの状態をキープできたのは結果的に大きい。3月はあまりチャンスが少なかったり離脱して出場できていなかったりした選手たちが4月はチャンスをつかみ始めた。
そしてついにダンバンラムちゃん、アダムタガートが合流、チアゴも来日。タツと原川、トシ、さらに全治期間を考えると為田も復帰目前か。離脱していた様子のダンクレーも復帰。
5月は選手も揃うので、"個人能力的に"さらにクオリティの高いプレーを見せてほしい。
まず5月最初の試合で確実に勝つところから。
どれだけメンバーが変わっても、勝利へのこだわり、執着心をセレッソ大阪は持ち続けなければいけない。