フェーズ2 〜ニート、そしてブラック会社

転職先決まる

ニート生活に1ヶ月で終止符。面接に行った会社の社長が「明日から来い!」と即決してくれた。業務内容とか条件はよく分からなかったが、孤独死しそうな自分にとって断る理由はなかった。
15人ほどの小さな会社。新聞折込の地域タウン誌を発行する会社で、商店街や個人経営の店を中心とした広告提案営業だ。

社長のこだわり(頑固さ)から、
・営業にパソコンは無し。
・資料は手書きと切り抜きとコピーを駆使
・日報は交通費申請もノートに手書き。
・営業は社内にいられない。
・月に1.5万円くらい携帯代がかかるが、補助は1500円。
・基本、社長は社員に根性論で激怒。
・仕事に使う備品は全て自腹。
・使えるのは封筒と日報用のノートだけ。
・頻繁に「1件取るまで帰社禁止!」令が発令。
・未回収金で起こした家庭裁判の費用が自腹。
・土日休みなのに土曜休む時は要相談。
・保証月給は額面で13万。
・インセンティブはあるけど貰える方が稀。
・ボーナス無い。残業代もない。
・当然家賃補助だの手当てはない、皆無。
・福利厚生って何?食べ物?
・休日に持ち回りで会社(社長)の犬の散歩
・社長はよくキャバ嬢連れて飲み歩く
・交通費は支給された

典型的な社長ワンマン企業。金を握る経理責任者に実妹を置くという万全の体制だ。毎月赤字だと言われ続けてきたが、本当の財務状況は誰も知らない。

思い出せば、在籍3年弱の間に入社して即退職する人を50人以上見てきた。わずか15人の会社でだ。1ヶ月以上続いたのは5〜6人だったろうか。3ヶ月以上続いたのは2人くらい。世間を知っている人は、数日でこの会社はやばいと感じていたのだろう。

今改めて思えばなかなかブラックな会社であるが、働いている頃はこれが普通だと思っていた。なぜなら他の会社を知らない。ある意味で洗脳されていた。それに3年はやると決めた。ニートになって自分にスキルと経験が皆無であることを再確認したので、またすぐ辞めればさらに転職が厳しくなると確信していた。浅い覚悟ながら、「石の上にも3年」を心に決めた。

実際には2年8ヶ月ほどで前向きに転職をできたが、今も自分の礎ととなる学びがたくさんあった。たしかにブラックな会社だったかもしれない。ニートに続き、ブラック会社で働けたことも貴重な経験となった。

フェーズ3へつづく...



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