見出し画像

「良か仕事」が、未来をつくる―なぜ進歩・発展で人が不幸になるか

 「百姓仕事の中でカネにならないもののほうに価値がありそうな気がする」あるとき宇根サンはオレにそう言ったのだ。(「農と自然の研究所」宇根豊代表のこと)
 (中略)
 もちろんカネは必要だから稼ぐけれども、それではカネにはならないことはやらないのかといえばそうではないのだ。直接カネにはならないが、将来につながるような仕事、山の手入れ、田んぼの排水、棚田の周辺のヤブの伐採などなど。このような仕事をオレの在所では「良か仕事」と言うのだ。
 (中略)
 カネにならないものはカネでは買えない。売買できない。これが公益ではないのか。赤トンボが群れ飛ぶ夕焼け空は売り買いできない。太陽、月、自然、景色、空気、水・・・・・自分の利益だけではなく、仕事の成果として公益を豊かにするものを「良か仕事」と呼ぶのではないか。
 近代化とはこの公益を私益化することなのだ。できることなら太陽も月も景色も空気もカネ儲けの道具にしたいと狙っている連中がひしめいており、それを可能にすることを進歩、発展といっているわけだ。だから、時代が進歩、発展するほどに公益は貧しく細くなり、人々は不幸になる。

『百姓の遺言』山下惣一

 現代に幸せはありえないでしょう。あっちでは戦争、そっちでは貧困、こっちでは過労死・自殺・病気・不登校。自分だけが幸せでいると思うのは幻覚だ。
 ただ、そうは言ってもやっぱり幸せになりたい。自然科学や技術の進歩はとめられない。生活の発展?もとめられない。
 あたまで考えるとひどいことになってしまいます。
 わたしの悪い癖です。
 あたまで考えるのではなくて、皮膚で感じるのがいいかと最近は思います。
日にあたる、風にふかれる、土(芝生とか)にすわる、木にふれる、とかそんなことです。
 頭文字をとって ”日風土木” なんて会社名いかがでしょう?
あえて建築関係じゃない企業さんに、ぜひ。

いいなと思ったら応援しよう!