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かんじんのこと

 かわいそうに! あなた方はなんていらいらしているんだろうねえ! 少し休んで、二人きりになるがいいよ。それがかんじんのことだからねえ。ほかのことはつまらないことなんだよ、気をとられるほどのことではないんだよ!

『簡素な生活』シャルル・ヴァグネル(大塚幸男訳)

 結婚式の準備に追われて疲れ果てている二人におばあさんがかけた言葉とのこと。1895年に書かれて大ベストセラーになった本だそうです。
 かんじん・肝心・肝臓心臓なんだからこれ以上大事なものはなかなかないのに、忙しくて忘れてしまうとはなにごとか。
 心臓が止まれば、はいサイナラだ。
「さ・よ・う・な・ら」って言うひまもないかもしれませんぞ。
 おばあさんはこうも言っています。

 子供たちよ、全くのところ、世の中はあまりにも複雑なものになって来ているよ、しかもそのために人間が今までよりも仕合せになることはないんだからねえ・・・・・・
いいえ、それどころではないんだからねえ・・・・・。

同上

 どうしたら我々の肝臓と心臓をいたわれるだろうか。
肝臓は酒をひかえるとして、
心臓はどうする?
首班指名は ”一丁目のマンションの自転車置き場にいるデブ猫” でいくしかないよ。あの尾っぽのみじかいやつ。

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