昔の日本人は膝を曲げたまま歩いていた?
……とおっしゃる方もいらっしゃいます。
厳密には曲げたまま歩くのではなく、余計な力みを抜いた感じってのが適切かと思います。
膝を曲げると前腿に力が入ります。特に膝の近く。これは前腿が伸ばされていって、それ以上伸ばされたくないが為に緊張して固く張っていきます。
逆に腿裏のハムは強く収縮がかかります。
膝が曲がったままで歩くとハムは収縮しっぱなしになります。
こうなると腰がしんどくなってきます。
前腿をしっかりと収縮させられるとハムストリングスはしっかりと伸ばされます。ハムストリングスが伸ばされるとヒラメ筋と協力して身体の重心を脛骨直下に乗れる位置に調整してくれます。
こうなると身体を支えるのが前腿から腿裏のハムに主力が移ります。
デスクワークが多いと大腰筋が縮みやすくなって腰痛が………ってのがよく聞かれますが、立位の時に前腿がちゃんと収縮出来てるかどうかも重要になってきます。
前腿が収縮させられてないのにハムをストレッチかけてもあんまり効果が上がりません。
ハムが伸びるためには前腿の収縮がセットだからです。
前腿の収縮は内側、頭方へ向かって収縮させるイメージがあると良いです。
腱引きでも基本施術で腿の巻きがありますが、方向が下方向なので効果が薄いのと仰向けに寝かせて巻いても脳に情報が定着しにくいという欠点があります。
立位でこの矢印の方向へテンションをかけていくと身体が上手く持ち上がります。
試しに内側下方へテンションをかけた時と、頭方へテンションをかけた時でバンザイさせて見てください。あからさまに頭方へテンションをかけた方が楽に腕が上がります。
土台のテンションがしっかりとしてると上半身にも良い影響を与える例です。
人間は「直立」二足歩行が出来る動物です。
単なる二足歩行ではない所にも目を向けたいですね。
膝を伸ばす為の思考も大事ですよ。