ブラジルという国
ブラジルに合計3年間住んだ。日本以外で住んだことのある外国はモザンビークとイギリスだけで、気がついたらブラジル滞在が最長になっていた。
地理的には遠いようで、日系社会の存在のおかげで意外と近くもある、地球の反対側での生活は、率直に楽しかったと感じている。帰国から2か月が経過してしまっているのだけれど、せっかくなので備忘録として残したい。あくまでも私見なので、事実と異なることがあっても、そこはご容赦願いたい。
住んでいたのは、南東部のリオ州リオ市。その中でもゾナスル(南部地区)と呼ばれる主に富裕層が住む地域。ゾナスルはリオ(ないしブラジル)の現実ではないという人がたくさんいるけれど、個人的にはゾナスルも同じリオであると思っている。ブラジルの経済規模は大きく、信じられない金持ちがいる一方で、半数以上は経済的に貧しい、そんな社会の分断があり、リオはそれを表している街の代表例だったかと思う。
日本でブラジルのイメージといえば、最初に何が思い浮かぶのは何だろうか。やっぱり、サッカー、サンバ、アマゾン(森林の方)だろうか。リオは、アマゾンはないけれど、海も山も湖もある自然豊かな街で、サッカーは4つの大きなクラブがあり、毎年2-3月頃になるとサンバのカーニバルが行われる。
リオといえば、ビーチ。イパネマやコパカバーナは日本で聞いたことがいるかもしれない。いずれもどこかから砂を運んできた人口の浜であるが、どこか惹かれるいいビーチ。夏は常に超満員で、みちみちに人が集まっているが、浜辺を歩く(走る)だけでも気分が高まる。お気に入りは、イパネマで、レブロン方面に向かうことをぜひおすすめしたい。兄弟岩が奥に見えて、海と丘を同時に見ることができる。夕日もその方角に沈むので、夕焼けや日の入りと重なれば最高。もちろん日が出てる時間帯も十分きれい。
最近、サッカーのブラジル代表は良い結果を残せることができていないが、たくさん良い選手はいる。ヴィニシウス・ジュニオールやマルセロをはじめ、リオ出身選手も一杯いる。ちなみに一番試合を見に行ったのは、フルミネンセとヴァスコダガマ。サッカーで夢を掴むのがかなりの少年少女の夢となっている一方で、競争がかなり厳しく、ある種夢だけ見させる大きな産業になっている反面もあるのかもしれない。
カーニバルはあつい。ブロッコと呼ばれる街中で踊るものと、大きな大会があるが、毎年特定の時期に行われる。ほぼ裸の人が無数にいるのだが、そんな様子を見てると、もう自分が持っている倫理観とそこにいるブラジルのそれは全く異なるものだと感じた。何かが根本的に違う。それが良い悪いという話でもない。しかし、特にサプカイーで行われるカーニバルはパフォーマンスや競技としてかなり胸があつくなるものがある。たくさんの人が準備して、練習を重ねて、来たるカーニバルに備えるわけだが、それを生で見ることができたのはすごく良かった。熱気が半端ない。一生に一度は見て損はないと断言できる(1回で十分だと思ってたのに、結果的に3回足を運んだ)。まじでおすすめ。
ブラジルはご飯がうまい。基本的にはしょっぱい。日本的な繊細な味わいは少ないかもしれないが、がっつり食べる人にも、異国の味を楽しみたい人にもおすすめ。有名なのは、シュラスコ(ブラジル焼肉)、フェイジョアーダ(黒豆と肉の煮込み)。ブラジルは移民が多いからか、ブラジル風に発展した別の国のご飯も美味しい。たとえば、ストロガノフ、確か元々はロシア料理。日本の寿司も意外と人気、ブラジル人は揚げた寿司も発明した。ホッチ・フィラデルフィアと呼ばれる、サーモンとクリームチーズが入った海苔巻きをあげたもの、思いの外美味しいから、トライしてみる価値はあり。北東部や北部の料理もおすすめ。
何よりもブラジルで食べるアサイーは最高。日本でアサイーボウルとして知られるアサイーは基本的にはブラジル産(たぶん)。アサイー自体は甘くないのだが、基本的にリオで食べるのは、甘め。デザートにもってこいで、自分好みにカスタマイズできる。備忘録ということで、未来の自分にいつも食べてたのは、「バナナ」、「グラノーラ」、「ココナッツ」、「コンデンスミルク」だよと、記録しておく。帰国してから大泉で食べたけど、やっぱりリオのオークベリーが激うまだった。オークベリーはアメリカとかヨーロッパでも出店してると思う。日本にまだ出店してないことは、逆にチャンス(オークベリーさん、日本に出店するときは心の底から応援します)。
滞在中はブラジル情勢を追っていたので、政治とか社会問題に対する見方を残そうと思っていたのに、書き殴ってみると、ブラジル紹介文みたいになってしまった。まだまだ書き足りないが、とりあえず一区切り。
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