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「今どこ?」→「道」からはじまる 散歩(ぼうけん)
はじめまして。
12月からMIMIGURIにジョインしている山本賢(やまけん)と申します。
先日、弊社共同代表である安斎さんの新著『冒険する組織のつくりかた「軍事的世界観」を抜け出す5つの思考法』の先行予約がスタートしました。この書籍は、これまでの企業経営を支えてきた「軍事的世界観」という旧来のOSに疑問を投げかけ、「冒険的世界観」という新しい発想を提案する渾身の一冊です。安斎さんがこれまで培ってきた経験や知見がぎっしり詰まっていて、これからの組織づくりに必要なヒントが満載です。
この新著のテーマにちなんで、今年のアドベントカレンダーでは #わたしたちの冒険 というテーマを掲げております。MIMIGURIのメンバー1人ひとりが、それぞれの視点で「冒険」について綴っていきます。
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まだ社内でもはじめましての方がたくさん!な今日この頃ではありますが、
私は最近自分が面白いと感じたものを並べてみる、という小さな散歩(ぼうけん)をしてみたいと思います。
「今どこ?」→「道」
まずスタート地点は、タイトルにもある、「今どこ?」→「道」。
これは知人のお子さん(中学生)がいつもの時間に帰ってこないことを心配してLINEを送ったんですね。「今どこ?」と。その返信が「道」の一文字だったんです。
それ以前のやりとりを見るに、別にふざけている様子もない、大真面目。
これを見て、なんと秀逸な..!と言葉を失いました。
非常に具体的に、正確な住所で伝えることもできれば、もう少しざっくり「XXのコンビニの前」とか、「XX通りの近く」とかもできそうですよね。一方、もっとざっくり伝えると、地球とか日本とか。
でもこれは少しふざけているように感じる、というか。
なんだか絶妙なラインを攻めるLINEなのではないか。そう感じました。
繋ぎかえ言葉たち
そのときに思い出されたのが、今日の散歩の2つめの通過点でした。
少し前から採集したいな、と思っていた”ちょっとだけズラした表現”たち。
トイレを化粧室やお手洗いと呼んでみたり、
「お客様に気づかれないように内容量を減らしました」という表現を
「お客様の楽しみを損なわないように内容量を減らしました」と言い変えてみたり、
I love you を月が綺麗ですね、と翻訳してみたり。
「今どこ?」→「道」であれば具体↔︎抽象を縦横無尽に行き来してみたり、お手洗いであれば前後の行動に言及してみたり・・・、などなどあらゆる方法で、自由に繋げかえている様子が見て取れます。
この繋ぎかえをすることで、世界はもっともっと面白く見ていく余地で溢れている気がするんです。
繋ぎかえることで、#見方を変えていく、#訂正をしていく、#表現の仕方を変えていく、ことにつながっていく、みたいな思考が私の周辺を漂っています。
「いや、ただのリフレーミングっしょ」といってしまえばそうかもなのですが、この遊び心のある繋ぎかえの妙になんだか惹かれてしまっているんです、近頃の私。
文体練習
3つ目の立寄地は、レーモン クノーの文体練習。もともと存じ上げていたのですが、最近求めて楽しく読んでいます。この本自体は多くの人が手に取っている本だと思うので、私が語るのなんておこがましい。
Amazonの解説だけ貼っておきます。
他愛もないひとつの出来事が、99通りものヴァリエーションによって変幻自在に書き分けられてゆく。20世紀フランス文学の急進的な革命を率いたクノーによる究極の言語遊戯が遂に完全翻訳された。前人未到のことば遊び。
例えば、「腹痛が痛い」みたいな重複した表現(複式記述)に置き換えて書かれていたり、アニミズム的な目線で書かれていたり、控えめな口調に転換されていたり。
まさに様々な表現方法で翻訳していくプロセスの面白さ、#表現の仕方を変えていく様子を見て取ることができるんじゃないかなと思うんです。
ここまでを眺めると、3つの事柄がいくつかのキーワードでゆるやかに手をつないでくれたように感じます。(少なくとも私にはw)
そして、この文脈に載せたからこそ、3つの事柄の単体の時とは異なる位置付け/意味づけが付与された(書き換わった)ようにも感じます。(少なくとも私にはw)
「ガチリレークッキング」
ここで、4つ目の立寄地は、「ガチリレークッキング」。
youtubeとかで様々な人が企画されているようなんですが、私が目撃したのは、昨年のM-1の直後にかまいガチという番組で放送されていたときでした。妻と「今年ももうちょいでM-1だね」という話をしているときに、「そういえばかまいガチの”ガチリレークッキング”今年もあるのかな」という会話をして、あれ面白かったなと最近思い出したのです。
「ガチリレークッキング」は、各チームがレシピを一切見ず、リレー形式で料理を完成させ、その味を競い合います。チーム内でなにを作るのか、に関する打ち合わせはNGで、食材や調理工程のみをヒントに、前の人が何を作ろうとしたのかを推理して調理を続行していく企画です。(たしかそうだったはずです。)
「ある文脈に載せて、それぞれの事柄の位置付けが書き換わる」、まさにそれを体現しているのが、ガチリレークッキングなんだと思うんです。
この野菜は肉と合わせて炒めればよさそう、と思ってカットしていたはずが、次の人は意図を組み取り違えて、ペーストにしてソースにしてしまう、そういうことが連鎖していきます。
(時々、本当によくわからないから、といって前の人の調理したプロセスをガン無視して、傍に放置していくパターンもありますがw)
前の人が調理した過程に対して自分の解釈を重ね、前の人が意図しない方向に自分の調理を加えていく。それを繰り返すことで、当初想定していなかった料理ができあがる。
そのプロセスにおいて、途中の調理一つ一つのアクションの位置付けは書き換えられて、#表現の仕方が変わる。#見方を変えていく、#訂正をしていく、そういうことに近いんじゃないかなと想像します。
同じようなことは、MIMIGURIにジョインした私の周りでも起こることだと思っています。
私自身の探究という小さなノイズが加わることで、チームの皆さん個別の探究テーマの位置付けやまなざしがほんの少し書き換わる。加えて、チームとしての探究のあり方(文脈)も少しだけ変わっていく。(※もちろんチーム単位だけではないと思っていますが、まずは身近なところから!)
そういう触発を期待して、できる限り自分の中に湧き立つ思いや今後獲得していくであろう”知”をひらいていきたい、そんな思いです。
そして同時に、きっと、私の人生におけるMIMIGURIジョインの意味もこれから先、書き換わっていくんだろうと。
最後に
近しい場所をうろちょろするだけの散歩となってしまった気もしますが、
最近面白いと思ったことがどんなものであるか、それらをどのように結びつけるのか、にもその人の個性が宿る/その人の作家性が見え隠れする気がします。そういうことで、はじめましてのご挨拶とともに、私の”歩く”姿をご覧いただけるとよさそうとか思ってみちゃったりした訳なんです。社内のみなさんはもっともっと深く思考されている人がたくさんいらっしゃると思うのでとても恐縮な思いではありますが、生煮えな、途中の思考を面白がってくださる方が多い場所だと思うので!
みなさま、どうぞこれからよろしくお願いいたします!
本のご紹介
冒頭でも記載した通り、『冒険する組織のつくりかた「軍事的世界観」を抜け出す5つの思考法』が先行予約中ですので、ご興味のある方はぜひ見てみてください。
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ありがとうございました〜〜