米国株マーケット考察 2021.2.10

マーケットサマリー

米国株式相場はまちまち。ダウ平均は9.93ドル安の31375.83ドル、ナスダックは20.06ポイント高の14007.70で史上最高値を更新して終了しました。

米国株式市場はバイデン大統領の1.9兆ドル規模の追加経済対策とワクチン接種への期待から買いを続け、ダウ平均は再び最高値を更新しています。史上高値付近では上昇をけん引してきた景気敏感株を中心とした利益確定売りが先行しました。

企業決算は好調な内容が多く、10-12月期決算はS&P500企業ベースで2.4%の増益が見込まれています。

特徴的なのは米国小型株のインデックスであるラッセル2000が今年に入って、既に16%も上昇していることです。今のモーメンタムはたとえ調整的な局面があっても押し目買いの勢いはかなり大きいということです。

但し、株式市場における経済回復の期待値がかなり上昇していますから、その期待値に応えられるのか?そしてその次には何が起こるのか?そして、バイデン政権の中期的な政策としてどれだけの余地があるかが今後の中期的な焦点となりそうです。

用語解説


-景気敏感株ー景気動向によって、業績が大きく変動する銘柄のこと。「景気循環株」と呼ぶ場合もあります。鉄鋼、化学、紙パルプなどの素材産業や工作機械などの設備投資関連などの銘柄が該当します。

好況時にはモノが売れるため、多くの素材や設備、工場が必要になりますが、不況時には在庫調整で需要が低迷し、生産が落ち込むことなど、景気の波によって受注が大きく左右され、業績に直結する銘柄群のことです。


立沢賢一とは

元HSBC証券社長。
会社経営、投資コンサルタントとして活躍の傍ら、米国宝石協会(GIA)会員など多彩な活動を続けている。投資戦略、情報リテラシーの向上に貢献します。
・立沢賢一 世界の教養チャンネル
http://www.youtube.com/c/TatsuzawaKenichi

いいなと思ったら応援しよう!