世界経済危機!パニックモードの金融市場
金融市場は絵に描いたような完全なるパニックモード。主要米国株価指数は再び10%下落し、史上最高値から約28%下落した。11年続いたBull Marketは公式に終焉したと言ってよい。
昨日の場中の顕著な特徴は債券やゴールド、シルバーといった貴金属が売られたことである。市場参加者は保有株のマージンコールをカバーするために、唯一含み益のある安全資産まで売らなければいけない程追い詰められているのだ。
今回の局面は、過程は異なっているがリーマンショックに類似してきた。つまりミクロの視点からは正しいと認識できる行動でも、それが合成されたマクロの世界では必ずしも意図しない結果が生じてしまうという「合成の誤謬」になってしまっていることだ。政府や中央銀行が矢継ぎ早に防衛措置を打って来たが結果的に世界経済をグローバルリセッションに追いやってしまってきている。そしてグローバル経済の突然休止は何を意味するかというと一度止まってしまうと再スタートが容易でない事だ。それはあたかもこぎやめた自転車を再度こぎ始める際に相当なエネルギーを消費するのと類似している。
一度スタートしてしまうとこの種のパニックモードは簡単には止まらない。何故なら市場は政府や中央銀行の対応策の実効性について懐疑的になってきているからである。
ドル円は再び105円台に戻った。米国債券利回りが上昇した事で金利差拡大が復活したという教科書理論だ。一瞬、質への逃避の主役として101円台に突入したドル円は今のところ市場関係者のレーダーのロックオンから解除され、指標性を失ってしまっている。今後も方向性に欠ける動きを繰り返すと傾向にあると思う。
立沢 賢一
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