典型的な夏休み相場[マーケット考察]2020.8.14
米国株式相場はまちまち。ダウ平均は80.12ドル安の27896.72ドル、ナスダックは30.26ポイント高の11042.50ポイントで取引を終了しました。
最新週の新規失業保険申請件数は前週比22万8000件減の96万3000件と、予想以上に減少し3月中旬以降初めて100万件を下回り、2週連続で減少。市場予想(ロイター通信調べ)の112万件も大きく下回ったことを受け、米国家経済会議(NEC)のカドロー委員長は米経済は回復している。V字回復のようだ。最近のニュースは1カ月前よりも一段と改善している」と指摘しました。
とは言え、
(1) 新型コロナウイルス危機を受けた追加経済対策をめぐり、トランプ政権と議会の溝が埋まらない状態が続いており、
(2) 「財政策での合意がない限り上院採決をレーバーデー明けの9月8日まで実施しない」とのマコーネル上院院内総務の発言が嫌気され、
(3) クドロー国家経済会議(NEC)委員長は、財政策協議はいまのところ行き詰まっており、交渉は様子見だと認めたこと、
(4) 米中対立がエスカレートすれば、米経済や米株に影響を及ぼす恐れがあるとの声や感染第2波も収束の気配を未だ見せない中で、市場では、現段階では高値警戒感から、上値に慎重になっているとの声が出始めていること
から上値が重い展開となりました。
過去20営業日の株式市場の平均出来高は102億株で昨日は87億株と一段と減少しており、典型的な夏休み相場と言えます。
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立沢 賢一(たつざわ けんいち)
元HSBC証券社長、京都橘大学客員教授。会社経営、投資コンサルタントとして活躍の傍ら、ゴルフティーチングプロ、書道家、米国宝石協会(GIA)会員など多彩な活動を続けている。投資戦略、情報リテラシーの向上に貢献します。
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