米国株マーケット考察 2021.1.28

マーケットサマリー

米国株式相場は続落。ダウ平均は633.87ドル安の30303.17ドル、ナスダックは355.47ポイント安の13270.60ポイントで取引を終了しました。

米国株は昨年10月28日以降最大の下落幅となりました。ニューヨーク証券取引所の出来高は前日比7億2925万株増の18億1840万株。

欧州株は新型コロナウイルス関連でのロックダウンが2021年のドイツ経済の悪化を誘引し、更なる金融緩和は銀行セクターの収益減少の原因になるとの報道に大きく反応しました。

一方の米国株は、ポジション調整の色彩が非常に濃いです。

バイデン米政権による大型財政出動への期待で、ダウ平均は昨年末から年初にかけて史上最高値を更新する展開が続きましたが、利益確定売りに押されており、新型コロナウイルスワクチンの配布の遅れや、ウイルス変異種への警戒感は第1・四半期の米国経済のモーメンタムを失うのではないかと危惧されてきました。

米連邦準備制度理事会(FRB)はこの日が最終日となる金融政策会合で、事実上のゼロ金利と量的緩和策の維持を決めました。この決定は市場の予想通りで、株価への影響は限定的でした。

今の株価レベルではポジション調整が進むのは健全でしょう。経験則からいっても1月のトレンド転換は有り得ますし、歴史的に言えば新大統領就任1年目の株式市場は極めてな緩やかなものなので、第1・四半期自体のパフォーマンスはそれ程良くない傾向にあります。

外国為替市場は米ドルインデックスは続伸しました。債券利回りが低下しているにも拘らず、株式・商品下落がドル高の流れになっています。

確かに「米ドル売り・米国株買い」は、昨年後半の典型的な勝ちパターンでしたから、このクロスポジションは相当積み上がっている筈です。ポジションのアンワインドが出てきてもおかしくないと言えます。

用語解説


-アンワインドー保有ポジションを巻き戻し(解消)すること。低金利の円を借りて高金利の通貨などで運用する円キャリートレードを解消する場合に「アンワインドする」などという使われ方をします。


立沢賢一とは


元HSBC証券社長。
会社経営、投資コンサルタントとして活躍の傍ら、米国宝石協会(GIA)会員など多彩な活動を続けている。投資戦略、情報リテラシーの向上に貢献します。
・立沢賢一 世界の教養チャンネル
http://www.youtube.com/c/TatsuzawaKenichi

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