【マーケット考察】2020.1.21
米国株式相場は5営業日続落。優良株で構成するダウ工業株30種平均は一時400ドル以上上昇しましたが、前日終値比313.26ドル安の3万4715.39ドルで終了。ハイテク株中心のナスダック総合指数は186.24ポイント安の1万4154.02で引けました。ニューヨーク証券取引所の出来高は前日比515万株増の10億1783万株。
ダウは前日までの4営業日で1260ドル余り下落。ナスダックは昨年11月に付けた終値の史上最高値からの下落率が前日に10%を超えていました。先週末からの長期金利上昇が一服したことを受け、割高感が強まって大幅下落していたハイテク株などを買い戻す動きが取引開始後に活発化しました。
但し、その後は米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催を来週に控え、市場では、インフレ懸念や金融引き締めへの不安感から買いが続かず、来週のFOMC次第ではさらに市場が神経質になる可能性があることから、投資家は動けないというのが本音ではないかと思われます。それを証明するかのように、昨日は短期筋の押し目買いが入っていっても、投資家の動きは依然として鈍く、午後に力尽きるような価格動向でした。
喩えますと、「さあ!この丘を駆け上がるぞ!」と掛け声を出しても誰もいなく、周りを見渡すと、「いやー。もうこの丘を登るのはリスクあるから他の登りやすい丘を探しに行こうぜ!」という声が帰ってくるようなイメージです。
【企業決算】
取引開始前までに発表になった2021年10-12月期決算(第4四半期)のトラベラーズの決算は市場予想よりも良好な内容を受け、3.2%上昇。アルミのアルコアもアルミニウムと半製品の価格上昇が、エネルギーと原材料のコスト上昇を相殺し、増益となり、2.7%上昇。
一方、ユナイテッド航空 は、1株損益の赤字は予想ほどではなく、売上高も予想を上回り、旅客、貨物とも運賃収入が予想を上回っているものの株価は冴えない反応。同社はオミクロン株の感染拡大を理由に、今年度の輸送能力の見通しを2019年の水準以下に引き下げました。アメリカン航空は1株損益の赤字は予想ほどではなかった一方、売上高は予想範囲内でしたが、両社とも株価は3%超下落。
引け後にネットフリックスの決算が発表され、売上高は予想範囲内で、1株利益は予想を上回りましたが、本年第1四半期の有料会員数が250万人の増加と予想(+626万人)を大きく下回ったことに失望感が強まり、時間外取引で午前7時6分現在、本日終値対比20%も大幅下落しています。これは来週以降、続々と決算発表されるIT・ハイテク株への試金石となる可能性もあります。
【経済指標】
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