米国株マーケット考察 2021.2.4

マーケットサマリー

米国株式相場はまちまち。ダウ平均は36.12ドル高の30723.60ドル、ナスダックは2.23ポイント安の13610.54で取引を終了しました。
ニューヨーク証券取引所の出来高は前日比1億1843万株減の10億5274万株。

企業業績に関して、S&P500企業の約83%が予想を上回る利益を発表しており、IT・ハイテク企業に至っては97%が予想を上回っています。新型コロナウイルスの影響でハイテクと巣篭もりセクターが順調なのが特徴です。

一方、経済指標に関して、1月ADP雇用統計は+17.4万人と、12月-7.8万人からプラスに改善し、12月分も-12.3万人から-7.8万人へ上方修正されました。これにより、今週金曜日発表の雇用統計が堅調な内容になるとの期待感が強まりました。

また、1月ISM非製造業景況指数は58.7と、12月57.7から低下予想に反して上昇し、2019年2月以降ほぼ2年ぶり高水準となりました。

直近で30台後半まで急上昇していましたVIX指数は23まで急落。あたかも株価調整が短命に終わりつつあるようにも見受けられます。

ここから更に上値追いをするかどうかは今後のマクロ経済指標に動向に寄ると思われますが、市場のモードは上昇方向が大勢のようです。

用語解説


-巣篭もりセクターー「巣ごもり」は、鳥などが巣にこもることの意味から転じて、休日に外出を控え、自宅で過ごすことをいうようになりました。外出を避けてネット通販、カタログ通販、宅配、レンタルDVD、動画配信などを利用し、外出せずに家の中での生活を楽しむ消費傾向を言います。

2020年に発生した新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、関連銘柄としては、前述のほかに家庭用ゲーム機器、スマホゲーム企業などが含まれます。

-ADP民間部門雇用者数ー民間給与計算代行業者大手のAutomatic Data Processing(ADP)社が、自身の持つ全米約50万社、約2400万人のデータを元に発表する雇用調査レポートにおける、月ごとの雇用者数の増減。2006年5月に始まった比較的新しい経済指標。

市場の注目度が高い労働省による雇用統計のうち、非農業部門雇用者数(NFP)の民間部門との相関性が高いとされており、雇用統計の先行指標として注目されます。雇用統計の二日前の水曜日(祝日などがある場合は前日の木曜日)に発表されます。

-ISM非製造業指数ーISM(Institute for Supply Management:供給管理協会)が全米の非製造業375社の購買担当役員に対するアンケート調査を実施し、その結果を基に作成する景況感を表す指数。アンケート項目は受注、在庫、雇用、価格など10項目。「増加・良くなっている、同じ、減少・悪くなっている」の三者択一となっています。10項目のうちの4項目、事業活動、新規受注、雇用、入荷遅延について、季節調整をかけた上で総合指数を算出します。

ISM製造業の2営業日後、毎月第3営業日に発表され、労働省による雇用統計の発表と前後しますが、雇用統計よりも発表が早い場合、雇用における非製造業の割合が大きいこともあって、先行指標として注目されています。

-VIX指数(恐怖指数)ー米シカゴ・オプション取引所(CBOE)が、S&P500種株価指数を対象とするオプション取引のボラティリティ(変動率)を元に算出、公表している指数。英語では別名Volatility Index(略称:VIX)と呼ばれています。

将来の相場に対する投資家心理を反映する指数とされており、一般的にVIXの数値が高いほど投資家の先行き不透明感も強いとされます。 通常は、10から20の間で推移することが多いですが、相場の先行きに大きな不安が生じた時には、この数値が大きく上昇するという傾向があります

立沢賢一とは


元HSBC証券社長。
会社経営、投資コンサルタントとして活躍の傍ら、米国宝石協会(GIA)会員など多彩な活動を続けている。投資戦略、情報リテラシーの向上に貢献します。
・立沢賢一 世界の教養チャンネル
http://www.youtube.com/c/TatsuzawaKenichi


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