【マーケット考察】2022.1.11

米国株式相場はまちまち。一時、優良株で構成するダウ工業株30種平均は590ドル超下げ、ハイテク株中心のナスダック総合指数も350ポイント超下げる局面がありました。

しかし、その後、(1) ニューヨーク市のオミクロン感染がピークを打った兆候が見られるとの報道、(2) JPモルガンのダイモン最高経営責任者(CEO) が、消費が強く、経済もここ数十年で最も強い成長を予想しているとの楽観的見解を明らかにしますと、ダウは下げ幅を縮小。ナスダックは、新規の材料が無い中、この数日の売り浴びせによる値頃感から買い戻しが入り、下げ幅を縮小。

結局、優良株で構成するダウ工業株30種平均は前週末終値比162.79ドル安の3万6068.87ドルで終了。一方、ハイテク株中心のナスダック総合指数は6.93ポイント高の1万4942.87で引けました。ニューヨーク証券取引所の出来高は前週末比1億2603万株増の10億8648万株。

昨日の株式市場の不安定さが伺える現象として、電気自動車大手テスラ社株の日中価格変動幅の大きさが挙げられます。同社株は、寄り付き後4.6%下落していたものの、終盤にプラスに転じ3%高で引け、日中で7.6%も変動しました。

1月5日に公表された昨年12月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の「 従来の想定よりも速いペースで利上げを実施するのが妥当との見方で、金融引き締めに積極的な 」議事要旨は、米国株式市場の全体的なセンチメントをネガテイブに転じさせ、米国株を1月5日以降続落させています。

市場は今年3月のFOMCで、少なくとも1回の利上げが実施される可能性を8割弱織り込んでいます。米ゴールドマン・サックス社は、FRBが今年4回利上げし、7月にFRBが保有している8兆7600億ドル ( 1007兆4000億円相当 ) にも及ぶ資産ポートフォリオの債券やその他資産を売却し、市中からお金を吸い上げることにも着手すると予想。これまで利上げは、3月、6月、9月の3回と予想していましたが、12月を追加し計4回としました。

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