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初めて中国で高速鉄道に乗る方法

本土の中国人が中国で高速鉄道乗る際、身分証をゲートにかざせば搭乗できますが、外国人は身分証がないため、別の方法でないと高速鉄道に乗れないのです。
今回は外国人が中国で高速鉄道に乗る方法をご紹介します。


中国の高速鉄道の概要

中国高速鉄道が出来たきっかけは実は鄧小平が日本に来日した際、新幹線の快適さに感動し、中国にも必要だと痛感して高速鉄道の設営を始めたと言われています。

1978年に来日した鄧小平

そんな中国の高速鉄道について、改めて簡単に概要を紹介しておきたいと思います。

移動できる都市

現時点で高速鉄道に乗ると行ける都市は上海を起点にすると、西はウルムチ、北はハルビン、南は珠海まで到達でき、行ける都市はかなり多いです。
現時点と書いたのは高速鉄道の路線開発は今でも中国で行われており、内陸部のいくつかのエリアで施工しているからです。
路線図を見る限り、中国の内陸も含め、かなり都市に行けることがわかります。

中国高速鉄道の停車駅

時速450キロ走る車両も存在 速度は世界一

意外と知られてないのが、中国高速鉄道の車両を提供している原産国です。
高速鉄道車両の型番が7シリーズ存在しています。

CRH1 時速250キロ 原産国:カナダ
CHR2 時速350キロ 原産国:日本
CHR3 時速350キロ 原産国:ドイツ
CHR5 時速250キロ 原産国:フランス
CRH6 時速200キロ 原産国:中国
CRH380 時速380キロ 原産国:中国
CR400 時速400キロ 原産国:中国

近年、中国国内で時速450キロまで開発に成功し、高速鉄道車両のスピードでは世界一までになっていますが、初期段階では日本をはじめいろんな国からの技術支援があったことが想像されます。

座席のグレード

日本の新幹線のように中国の高速鉄道も座席のグレードが存在しています。

二等席の車両

二等座 = 二等席、スタンダートの席
三席 | 通路 | 二席 という並びが基本。

一等席の車両

一等座 = 一等席、スタンダートの席よりも少しグレードが高く、座席も広め 
二席 | 通路 | 二席 という並び。二等席に比べるとゆったりしている。

ビジネスシートの車両

商务座 = ビジネスクラス、リクライニングシート仕様でかなり快適 
二席 | 通路 | 一席 という並びで窓側は一人で座れる。

ちなみに、二等席は足元にUSBポートが付いており、一等席以上は電気コンセントが付いています。

チケットの価格

チケットの価格は走行距離、車両、座席、時間帯によって価格が変わってくるため、一概には言えないのですが参考として、上海から北京まで高速鉄道で移動した場合、約1500kmの距離に対して二等席の価格は片道一枚あたり600元(約12,800円)です。
そう考えると、600元÷1500kmだと、1キロ = 0.4元(約9円)の計算になりますから、かなり安く感じられます。
ちなみに旧正月、国慶節などの長期休暇の時期を除き、平日と土日は基本的に同じチケット価格です。
また、D2281やG17など英数字で始まる番号は、日本で言うと、ひたち27号、のぞみ55号など新幹線の運転区間と列車名を表しています。
「D」は日本やドイツなど海外技術によって生産された車両で、「G」は中国国内で開発した車両です。
「G」の方が車両空間が広く、速度も平均時速350キロ間で価格も高めの設定になっています。
ちなみに、「D」は动(dong)= 動、「G」は高(gao)の拼音から取っています。

外国人が中国高速鉄道のチケットを買う方法

次に実際、外国人がチケットを購入し、高速鉄道に乗る方法を紹介します。
購入方法は窓口とアプリによる2種類の購入方法があります。
窓口は高速鉄道駅まで赴き、パスポートを提出し、行き先と希望時間帯などを告げれば購入できます。
しかし、並ばないといけないことが多く、駅員に窓口越しで直接声をかけて購入するスタイルのため、言葉が不自由なこともあると思います。
また、チケット販売機もありますが、英語と中国語対応のみで操作性も良くないため推奨しません。

私、個人的にはアプリを使った方法が一番効率良く、かつ安心できるため、アプリでチケットを購入する方法をメインにお伝えします。

「携程旅行」アプリでチケットを買う

私がよく使っているのが中国の旅行アプリ「携程旅行」です。
日本語名はCtrip(シートリップ)、日本からもサイトにアクセス可能です。

ただ、中国ではサイトよりもアプリの方が使い勝手が良いのでそちらの方がオススメです。
アプリストアで「携程旅行」を検索し、ダウンロードした後、アプリを開くと
「ホテル」、「航空チケット」、「列車チケット」、「旅行」、「観光」と表示されています。
このアプリはホテル予約や航空、列車チケットを購入でき、日本で言うと楽天トラベル+JR的な役割を持っていて、会社規模としてはアクティブユーザーが約9,000万人で中国国内最大手の旅行サービス会社となります。

アカウント登録は日本の携帯番号でも可能

最初にアカウント作成をします。

「我的」=マイページをタップ

ホーム画面の右下にある「我的」=マイページをタップし、アカウント登録を行います。

「登录/注册」を選択

次にアカウント登録のボタンをタップ。
画面遷移をすると携帯番号を求められますが、この画面はログイン画面で新規登録ではないため、右上の「注册」(登録)をタップします。

右上の「注册」が新規登録のボタン

日本の携帯番号でも登録でき、電話番号とパスワードを入力した後、すぐにSMSで認証コードが送られてくるのでそれを入力すれば、登録完了です。

日本の国際番号86を選択した後に携帯番号を入力

パスワードは数字+記号で8文字〜20文字の設定が必要。

パスワード設定画面

外国人はパスポート登録が必須

アカウント登録が終わったら、次のフローが重要です。
中国ではみんな身分証を登録して、アカウントと本人の紐付け作業を行うのですが、外国人は身分証を持たないため、パスポートで登録を行います。

マイページに行くと本人確認登録を求められます

中国では本人登録作業を行うことが法律で義務付けられており、これ怠ると航空チケット購入や高速鉄道の搭乗ができなくなるため、中国国内を中長距離で移動したい場合は必須になります。
きちんと「携程旅行」で本人登録しておくと外国人でも飛行機チケット、ホテルの予約なども出来るので非常に便利です。

「海外人士〜」をタップ
「护照认证」(パスポート認証)をタップ

パスポート情報を入力したら完了

パスポート登録の前にアカウントセキュリティ用のパスワード設置を求められるので設置完了させ、名前を英語で、ほかパスポート番号、有効期限、国籍を入力して「下一步」(次へ)をタップ。

アカウントセキュリティ用のパスワード設置
名前、パスポート番号、有効期限、国籍を入力

最後にパスポート写真を掲載されているページを撮影してアップロードすれば登録完了です。

スマホの写真フォルダから顔写真付きパスポートページをアップ

あとは「携程旅行」側の審査待ち。一般的に審査に3日間必要になります。

審査待ちの画面

高速鉄道のチケットを購入する

次に早速、高速鉄道のチケットを購入してみましょう。

①出発地、日付、片道or往復を選択
アプリのホーム画面で「火车票」(列車チケット)を選択。

「火车票」(列車チケット)をタップ

すると、出発地(上海)→目的地(杭州)、出発日付、片道or往復などが表示されます。

出発地、日付などの選択画面

漢字入力なしでも出発場所を選択可能。

出発・目的地の選択画面

搭乗日にちもカレンダーからそのまま選択可能。

搭乗日にちの選択画面

出発地や日付選択の操作が簡単で選択形式のため、漢字の入力をする必要がありません。
選択後「查询」(検索)を押すと、検索結果が出ます。

検索結果の画面

②高速鉄道の出発時間、座席、車両などを選択
検索結果が出たら、今度は乗車時間を選択し、次のページへ遷移し、二等席〜商务座などの座席を選びます。
座席選択の画面に乗車時間と車両番号など確認できます。
下の写真では「1时13分」(1時間13分)、車両番号「G7313」だと表示されています。

座席選択の画面

価格と時間帯に間違いがなければ、「订」を選択。
「订」= 予約するという意味になります。

座席、車両などの選択画面

その後は座席の場所と車両になりますが、車両選択は+10元になるため、無理に車両を選ばなくてもランダムに選ばれます。
「立即预定」(すぐに予約する)をタップすると予約完了。

③チケット確定と支払い
予約した後、アプリ側はチケットを取る手続きを行い、確定後SMSで通知が送られてきます。

予約確定した画面で支払うを行う

支払い方法は中国のキャッシュカード、またはアリペイになりますが、アリペイはクレジットカードと紐づけできるため外国人でも便利です。
クレジットカードの紐付け方法は以前紹介したこちらの記事に記載しているため、今回は省略します。

「支付宝支付」(アリペイ支払い)を選択

内容に問題なければ、アリペイで支払いを行い、これでチケット購入が完了します。
チケットには搭乗すべき改札ゲートの番号、高速鉄道の番号、車両、座席番号など必要な情報が全て記載されているので乗る前に確認が必要です。

購入完了したチケット

④キャンセルも可能
選択ミスや都合が悪くなった場合でもキャンセルや取り消しは可能です。

チケット代金の返金に関する確認画面

ただし、国営鉄道局のルールとしては
・乗車から8日以上の場合、キャンセル費用無料
・48時間〜7日以内の場合、チケット代金の5%引かれる
・24時間〜48時間の場合、チケット代金の10%引かれる
・24時間以内の場合、チケット代金の20%引かれる
仕組みになっています。

チケット代金返金後の画面

アプリでチケットを購入すると実物チケットはないのですが、最初のステップで電話番号とパスポート情報を無事登録できていれば、購入したチケットはすでに本人と紐付けられています。
なので、携帯とパスポートだけ用意できれば高速鉄道に乗車可能です。

外国人が高速鉄道に乗車する方法

準備しておきたいのは2種類のゲートを通る方法です。
高速鉄道は本人確認のチェックゲートと改札ゲートの2種類通らなければ乗車できません。

最初のゲートは本人確認のチェックゲート

高速鉄道駅に到着すると、最初の入り口で荷物検査と簡単な本人確認があります。
中国人はここで身分証をチェックゲートにかざせばすんなり入場可能ですが、外国人は専用カウンターに赴く必要があります。
この専用カウンターが駅によってはわかりづらいこともあって、外国人が苦労する点でもありますが、基本的には中国人は機械のチェックゲートを通り、ベビーカーや車椅子、外国人の方は中国人スタッフがいる場所で本人確認が可能です。

白いデスクが外国人専用カウンター

写真のようにみんなが並んでないところにスタッフが座っており、
「实名认证」(本人確認)と書いてあれば、外国人はそのカウンターで本人確認できます。

本人確認と荷物検査

本人確認ブースでパスポートを提出すると、パスポート番号と有効期限がスタッフに控えられ、場合によっては写真を撮影されます。
ちなみに写真撮影も本人確認のための控えです。
それが終わると、荷物検査ゲートを通り、無事終了するといよいよ待合場所に入ります。

荷物検査を終えると待合場所に入る

可能な限り出発時間の30分前に待合場所で待機しておきたい

地域によって差はありますが、上海の高速鉄道は改札が20個以上あるため、自分の搭乗改札を探すのも慣れないと大変です。

上海虹橋駅の待合場所

出発時間の30分前に待合場所に到着し、事前にアプリで購入したチケットの改札番号を確認できるようしておくと気持ちに余裕が生まれます。
高速鉄道は大体出発時間の15分前位に駅に着き、改札ゲートは同時間に開かれます。

次に改札ゲート

改札の電光掲示板で次に出発する車両番号が表示されるので、その情報を確認しながら改札の前で待ちます。

改札ゲートに高速鉄道の状況が表示されている
安徽省の黄山北駅の待合場所と改札ゲート

時間来たら、外国人専用ゲートでパスポートを提示してホームへ入ります。

左にある「人工通道」が外国人専用ゲート

あとは乗るだけ

ホームに着いたら、アプリで購入しておいた車両番号に乗ります。
まだ高速鉄道が到着してない場合は乗車する車両の番号付近でスタンバイします。

杭州駅のホーム

車両に入ったら、自分の座席を探し、高速鉄道が出発するのを待つだけ。
車両内にトイレや飲食販売もあるため、意外と便利です。

目的地に着いたらもう一度パスポートを提出

高速鉄道が目的地に着き、駅に着いた時はもう一度パスポートを出し、外国人専用ゲートを通る必要がありますのでご注意ください。
以上が高速鉄道の乗車方法の一通りの流れです。

終わりに

いかがでしょうか。
気づいた方がいるかもしれませんが、実は乗り降りに全てパスポートだけで乗車できるのです。
それは「携程旅行」アプリで本人登録を済ませているからこそ、スムーズにできたのです。
最初の本人登録をしっかりやっておくと後々楽になります。
高速鉄道なんて乗ったことがないので大変だと思うかもしれませんが、一回乗ると要領がわかるので二回目以降はそこまで苦労しないと思います。
時間に余裕があればぜひ中国の高速鉄道にチャレンジしてみてください。

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Ken Sonehara
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