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『少し怖い』が最高の指標──今日から始める“挑戦ノート”活用術
はじめに──「成長したいのに、何をどう測ればいいの?」
「最近、頑張っているのに“本当に成長できているのかな”と自信が持てない……」そんな不安を抱えたことはありませんか?
SNSのフォロワー数や売上など、目に見える“成果”ばかりを追いかけると、外部からの評価に振り回されてしまう。一方で、「自分の内面が成長しているはず……」と思っても、明確な指標がないからこそ「本当に変わってるの?」と疑問に感じることもあります。
実は私自身、東京大学で分子生物学の博士号を取得し、ITベンチャーに転職してから独立コンサルタントとして活動している過程で、何度も同じような壁にぶつかってきました。研究者としては論文数やインパクトファクターが評価され、ビジネスの世界では売上や成果指標が最重要に見える。でも、「それって自分の中の本質的な成長を映し出しているわけじゃないよな……」と感じていたのです。
なぜこの記事を読むと役立つのか?
• 外部指標に振り回されず、“自分の内面”をどう見つめればいいか がわかる
• “挑戦”という、意外とシンプルな指標 を軸に、どんな行動をとれば成長が実感しやすいかを知ることができる
• 読み終わる頃には、「あ、今日からこれやってみよう」という具体的なアクションプランがイメージできる
もし「成果を求められるから成長しなくちゃいけない」「でも一体なにをどう測ればいいの?」とモヤモヤしているなら、この記事があなたの突破口になるかもしれません。
1. 私の体験談──外部評価にこだわりすぎていた頃の“成長迷子”
1-1. 研究室時代の“数字の呪縛”
私は大学院で構造生物学を専攻し、分子レベルの仕組みを追究していました。研究成果が学会や論文として認められると嬉しい反面、「インパクトファクターがもっと高い雑誌に載せたい」「次はどんな発表で受賞できるんだろう?」と、どんどん外部評価ありきの思考になっていったんです。
• 成果が出ると幸せ。でも成果が出ないと大きく落ち込む。
• 次の投稿先や発表の準備に追われ、「やりたい研究の本質は何だったっけ?」と見失いそうになったこともしばしば。
もちろん、研究者にとって客観的な評価は重要です。けれど、数字だけを追い続けるうちに、心の底から「研究は面白い!」と思う気持ちが薄れている自分に気づきました。実験の本質的な楽しさを感じる瞬間が減っていたんですね。
1-2. ITベンチャー転職後の焦り
博士号取得後、思い切ってブロックチェーン系のベンチャー企業へ転職しました。技術好きとしてはワクワクだったのですが、初めはビジネスの“成果指標”との戦い。売上・成長率・KPIなど、研究とはまた違う数字で評価されます。ここでも「あ、数字が上がらない=自分が成長してない」 という思考回路にハマってしまいました。
• 新しい環境に飛び込んだはいいものの、やることが多すぎて混乱
• 「ビジネス成果が出てない自分=ダメな人間」に感じてしまう
このとき、「外からの数字」に依存すると精神的に苦しいことが多いと痛感しました。成果が出たらめちゃくちゃ嬉しいけど、出ない時期は自己否定モードに入ってしまうのです。
1-3. 「挑戦」指標との出会い
そんなとき、私は偶然読んだ心理学関連の本(Carol Dweckの「マインドセット」)で、「人間の本当の成長は、うまくいかないときでも粘り強く挑み続ける心に宿る」という考え方を知りました。日本語で言うと“挑戦”や“忍耐力”というキーワードですね。
• 結果はコントロールできないが、“挑戦の度合い”はコントロールできる
• 「昨日までと同じことを繰り返すか、少しだけ苦しい領域に踏み込んでみるか」は自分次第
そこで、「外部指標がどうあれ、自分がどれだけ“挑戦”をしているかを成長の基準にしよう」と決めたんです。具体的には、「昨日よりほんの少しだけ難しいこと」に毎日取り組むとか、「緊張するけど必要だと思うチャレンジ」を月に1回は実行するなどをマイルールにしました。
2. 核心トピック──「挑戦」を測る方法は意外とシンプル
2-1. “挑戦”を行動に落とし込むと成長が見えやすくなる
挑戦と聞くと、「起業」「転職」「世界一周」みたいな大きなものをイメージするかもしれません。ですが実際は、
• 人前で初めてプレゼンをしてみる
• 朝起きる時間を1時間早くしてみる
• 苦手な上司にあえて自分から質問しに行く
• 興味があるオンライン講座に申し込む
といった“ちょっと不快・怖いけどやったほうがいいこと”をこなしてみるだけでも大きな成長につながります。しかも挑戦には、「やった・やらなかった」の二択があるので、測定しやすいのが利点です。売上やフォロワー数のように外部要因で変動しにくいので、「自分がやったかやってないか」はハッキリわかるんですね。
2-2. 研究データも示す「コンフォートゾーン拡張」の威力
心理学でよく言われる「コンフォートゾーン(快適領域)を広げる」という概念があります。特に行動療法や自己成長研究では、「人は少しずつ快適領域を広げていくと、ストレス耐性や自己肯定感が上がる」と示唆されています。
たとえばスタンフォード大学のCarol S. Dweck教授は「少し難しい課題にトライし続ける人ほど、“成長型マインドセット”を身につけ、自信と能力が比例して高まる」ことを提唱しています。
つまり、外部成果が出るかは運やタイミングも絡むけど、“挑戦行動”の量と質は自分の意思で変えやすい。そして、その“挑戦”が積み重なるほど自己評価はポジティブになり、結果的にパフォーマンスも高まっていくのです。
2-3. 「苦しいこと」こそ成長のサイン
私が転職先で最初にやった挑戦は、英語での技術ドキュメントを1週間で書き上げることでした。正直、研究論文を読むのは慣れていても、ビジネス文書を英語でまとめる経験はほぼゼロ。緊張と不安が押し寄せ、「うわ、やりたくない……」が本音でした。
でも、あえてその“不快感”を「よし、これは挑戦のチャンスだ」ととらえてアタックした結果、書き上げた達成感はひとしお。上司にも評価してもらえて、「自分、ビジネスでもやっていけるかも」という確かな自信に繋がりました。
ここでのポイントは、できるかどうかギリギリのラインを見極めて、それよりちょっと高い目標を設定したこと。その“苦しさ”や“怖さ”こそが、内面的な成長のバロメーターだったんです。
3. 読者がすぐ使える「挑戦」測定ステップ
「とはいえ、具体的にどうやって“挑戦”を測ればいいの?」と思う方も多いはず。そこで、私が提案したいのは以下のシンプルな三段階のアクションステップです。
3-1. Step 1──「挑戦リスト」を書き出す
• まずは“ちょっと怖い・不快”だけどやる価値のあることをリストアップしましょう。
• 例)「セミナーや勉強会で質問する」「毎日30分の英語学習をやってみる」「上司に交渉を持ちかけてみる」など。
• ポイントは、既に慣れていることや余裕でこなせる内容は外すこと。ほんの少し“ハードルが高い”状態にこそ成長が眠っています。
3-2. Step 2──1つだけ選んで「期限」を決める
• リスト化した挑戦の中から、一番やりやすそうなものを1つだけ選び、実行期限を設定します。
• 「今週の金曜日までに上司に相談メールを送る」など、期限を明確にしないと先延ばしになるので要注意。
• ここで重要なのは「1つに絞る」ということ。複数を同時にやろうとすると、どれも中途半端に終わりがちです。
3-3. Step 3──振り返り&次の挑戦をアップデート
• 実行してみて感じた不安や喜びをメモや日記、スマホアプリなどに残す。
• もしやり遂げられなかったときは、「挑戦の難易度が高すぎたかも」「期限設定が甘かったかも」などの要因を振り返って、次の挑戦で微調整すればOK。
• やり遂げたら自分をたっぷり褒めてあげてから、次の挑戦リストを更新します。「もう少し難易度を上げてみよう」と少しだけハードルを高くしていけば、成長は加速していくはずです。
4. サプライズ的要素──実は“挑戦”は長期的な幸福感にも効く?
挑戦のもう一つのメリットは、「達成感」だけでなく、長期的な幸福感を底上げするところにあります。ニューヨーク州立大の心理学者John P. Forsythらの研究によると、あえて少し不快な課題に取り組んだ人は、「自分にはそれを乗り越える力がある」と実感しやすくなり、ストレスに強い心(レジリエンス)を育む傾向があると示唆されています。
この“私はやればできる”という感覚は、他のあらゆる行動にも好影響を与え、ポジティブなスパイラルを生み出します。さらに、「つらい瞬間でも、やって良かった」と思える回数が増えるほど、“将来への希望”が増すといった報告も。挑戦と幸福感は意外と深く結びついているんですね。
5. まとめ──「挑戦」は、あなたの“本質的な成長”を映す鏡
本記事のポイントを整理すると、以下のようになります。
1. 成果や売上など外部指標はわかりやすいが、自分でコントロールしにくく、振り回されがち。
2. 「挑戦」こそ、内面の成長を測るシンプルな指標になる。
• 昨日より難しいこと・少し怖いことに挑む → それ自体が“行動”であり、目に見える変化になる
• 誰にも左右されず、自分のペースで挑戦度合いを設定できる
3. コンフォートゾーンの拡張が長期的に幸福度や自己効力感を高める。
4. 具体的ステップは「挑戦リストを書く → 期限を決めて1つやる → 振り返って次の挑戦を更新」だけでOK。
私自身、かつては成果物(論文や売上)に振り回されていましたが、挑戦を成長指標に切り替えてからは、「うまくいかなかったとしても、挑戦した分だけ自分は前進している」と思えるようになりました。失敗も立派な成長の材料であり、得られた経験値は次の挑戦を後押ししてくれます。
6. 次の一歩と、あなたへのエール──共に「拡張」を楽しもう
もしあなたが今、「なんだか成果が出ず、自分が成長してる気がしない」と悩んでいるなら、今日からぜひ“挑戦”を基準に、自分の成長を測ってみてください。小さくていいんです。少しだけ不快、少しだけ怖い。そこにこそ可能性が眠っています。
• 今日できる小さな挑戦を、一つだけリストアップしてみましょう。
• たとえば、やりたいけど先延ばしにしていたことを“明日中”に1回だけ実行する宣言をしてみる。
• “嫌なこと”ではなく、“伸びるために必要な不快ゾーン”と捉えると、一歩踏み出す勇気が湧きやすくなるはずです。
私もまだまだ日々、新しい挑戦に取り組んでいます。独立コンサルになってからは、技術的に未知の領域を学んだり、新規クライアントとのアプローチ方法を試行錯誤したり、日曜日にはスプラトゥーンでトップランカーを目指してみたり……。ゲームの上達ですら“挑戦”の積み重ねで、日々少しずつ違う視点や戦略を試すのが面白いんですよね。こうした行動が自分の“成長感”をじわじわ高めてくれます。
「あなたも一緒に、自分の“挑戦”を見つけてみませんか?」
最後に、この記事を読んで「なるほど。挑戦を測れば、自分の成長が見えるかも」と思っていただけたなら、ぜひすぐにでも“挑戦リスト”を作るとこから始めてみてください。本当に小さなステップで構いません。
一人でやるのが不安なら、SNSや身近な友人に「今週の私の挑戦はこれです!」と宣言するのもオススメ。応援してくれる人がいると、もっと行動しやすくなりますよ。
もし「こんな挑戦をしてみたら面白かった!」という体験があれば、ぜひコメントや感想をシェアしてもらえると嬉しいです。私もまだまだいろんな挑戦を続けていきたいので、皆さんの成功や失敗談から学ばせてください。どんな小さな挑戦でも、やったからこそ味わえる気づきや快感が必ずあります。
明日の記事は、「背水の陣で悪い習慣とサヨナラする方法」について深掘りする予定です。興味のある方はフォローしてお待ちくださいね。