円滑化法第二章 マンション建替事業

第二章 マンション建替事業

第一節 施行者

第一款 マンション建替事業の施行

第五条

1(組合施行)
 マンション建替組合は、マンション建替事業を施行することができる。

2(個人施行)
 区分所有者又はその同意を得た者は、一人で、又は数人共同して、当該マンションについてマンション建替事業を施行することができる。

第二款 マンション建替組合

第一目 通則

(法人格)
第六条組合は、法人とする。
2一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第四条及び第七十八条の規定は、組合について準用する。
(定款)
第七条組合の定款には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一組合の名称
二施行マンションの名称及びその所在地
三マンション建替事業の範囲
四事務所の所在地
五参加組合員に関する事項
六事業に要する経費の分担に関する事項
七役員の定数、任期、職務の分担並びに選挙及び選任の方法に関する事項
八総会に関する事項
九総代会を設けるときは、総代及び総代会に関する事項
十事業年度
十一公告の方法
十二その他国土交通省令で定める事項
(名称の使用制限)
第八条組合は、その名称中にマンション建替組合という文字を用いなければならない。
2組合でない者は、その名称中にマンション建替組合という文字を用いてはならない。

第二目 設立等


(設立の認可)
第九条区分所有法第六十四条の規定により区分所有法第六十二条第一項に規定する建替え決議(以下単に「建替え決議」という。)の内容によりマンションの建替えを行う旨の合意をしたものとみなされた者(マンションの区分所有権又は敷地利用権を有する者であってその後に当該建替え決議の内容により当該マンションの建替えを行う旨の同意をしたものを含む。以下「建替え合意者」という。)は、五人以上共同して、定款及び事業計画を定め、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長。以下「都道府県知事等」という。)の認可を受けて組合を設立することができる。
2前項の規定による認可を申請しようとする建替え合意者は、組合の設立について、建替え合意者の四分の三以上の同意(同意した者の区分所有法第三十八条の議決権の合計が、建替え合意者の同条の議決権の合計の四分の三以上となる場合に限る。)を得なければならない。
3区分所有法第七十条第四項において準用する区分所有法第六十四条の規定により一括建替え決議の内容によりマンションの建替えを行う旨の合意をしたものとみなされた者(マンションの区分所有権又は敷地利用権を有する者であってその後に当該一括建替え決議の内容により当該マンションの建替えを行う旨の同意をしたものを含む。以下「一括建替え合意者」という。)は、五人以上共同して、第一項の規定による認可を受けて組合を設立することができる。
4第一項の規定による認可を申請しようとする一括建替え合意者は、組合の設立について、一括建替え合意者の四分の三以上の同意(同意した者の区分所有法第七十条第二項において準用する区分所有法第六十九条第二項の議決権の合計が、一括建替え合意者の同項の議決権の合計の四分の三以上となる場合に限る。)及び一括建替え決議マンション群(一括建替え決議に係る団地内の二以上のマンションをいう。以下同じ。)を構成する各マンションごとのその区分所有権を有する一括建替え合意者の三分の二以上の同意(各マンションごとに、同意した者の区分所有法第三十八条の議決権の合計が、それぞれその区分所有権を有する一括建替え合意者の同条の議決権の合計の三分の二以上となる場合に限る。)を得なければならない。
5前各項の場合において、マンションの一の専有部分が数人の共有に属するときは、その数人を一人の建替え合意者又は一括建替え合意者(以下「建替え合意者等」という。)とみなす。
6二以上の建替え決議マンション(建替え決議に係るマンションであって一括建替え決議マンション群に属さないものをいう。以下同じ。)若しくは一括建替え決議マンション群又は一以上の建替え決議マンション及び一括建替え決議マンション群に係る建替え合意者等は、五人以上共同して、第一項の規定による認可を申請することができる。この場合において、第二項の規定は建替え決議マンションごとに、第四項の規定は一括建替え決議マンション群ごとに、適用する。
7第一項の規定による認可の申請は、施行マンションとなるべきマンションの所在地が町村の区域内にあるときは、当該町村の長を経由して行わなければならない。
(事業計画)
第十条事業計画においては、国土交通省令で定めるところにより、施行マンションの状況、その敷地の区域及びその住戸(人の居住の用に供するマンションの部分をいう。以下同じ。)の状況、施行再建マンションの設計の概要及びその敷地の区域、事業施行期間、資金計画その他国土交通省令で定める事項を記載しなければならない。
2事業計画は、建替え決議又は一括建替え決議(以下「建替え決議等」という。)の内容に適合したものでなければならない。
(事業計画の縦覧及び意見書の処理)
第十一条第九条第一項の規定による認可の申請があった場合において、施行マンションとなるべきマンションの敷地(これに隣接する土地を合わせて施行再建マンションの敷地とする場合における当該土地(以下「隣接施行敷地」という。)を含む。)の所在地が市の区域内にあるときは、当該市の長は当該事業計画を二週間公衆の縦覧に供し、当該マンションの敷地の所在地が町村の区域内にあるときは、都道府県知事は当該町村の長に当該事業計画を二週間公衆の縦覧に供させなければならない。ただし、当該申請に関し明らかに次条各号のいずれかに該当しない事実があり、認可すべきでないと認めるときは、この限りでない。
2施行マンションとなるべきマンション又はその敷地(隣接施行敷地を含む。)について権利を有する者は、前項の規定により縦覧に供された事業計画について意見があるときは、縦覧期間満了の日の翌日から起算して二週間を経過する日までに、都道府県知事等に意見書を提出することができる。
3都道府県知事等は、前項の規定により意見書の提出があったときは、その内容を審査し、その意見書に係る意見を採択すべきであると認めるときは事業計画に必要な修正を加えるべきことを命じ、その意見書に係る意見を採択すべきでないと認めるときはその旨を意見書を提出した者に通知しなければならない。
4前項の規定による意見書の内容の審査については、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第二章第三節(第二十九条、第三十条、第三十二条第二項、第三十八条、第四十条、第四十一条第三項及び第四十二条を除く。)の規定を準用する。この場合において、同法第二十八条中「審理員」とあるのは「都道府県知事等(マンションの建替え等の円滑化に関する法律第九条第一項に規定する都道府県知事等をいう。以下同じ。)」と、同法第三十一条、第三十二条第三項、第三十三条から第三十七条まで、第三十九条並びに第四十一条第一項及び第二項中「審理員」とあるのは「都道府県知事等」と読み替えるものとする。
5第九条第一項の規定による認可を申請した者が、第三項の規定により事業計画に修正を加え、その旨を都道府県知事等に申告したときは、その修正に係る部分について、更にこの条に規定する手続を行うべきものとする。
(認可の基準)
第十二条都道府県知事等は、第九条第一項の規定による認可の申請があった場合において、次の各号のいずれにも該当すると認めるときは、その認可をしなければならない。
一申請手続が法令に違反するものでないこと。
二定款又は事業計画の決定手続又は内容が法令(事業計画の内容にあっては、前条第三項に規定する都道府県知事等の命令を含む。)に違反するものでないこと。
三施行再建マンションの敷地とする隣接施行敷地に建築物その他の工作物が存しないこと又はこれに存する建築物その他の工作物を除却し、若しくは移転することができることが確実であること。
四施行マンションの住戸の数が、国土交通省令で定める数以上であること。
五施行マンションの住戸の規模、構造及び設備の状況にかんがみ、その建替えを行うことが、マンションにおける良好な居住環境の確保のために必要であること。
六施行再建マンションの住戸の数が、国土交通省令で定める数以上であること。
七施行再建マンションの住戸の規模、構造及び設備が、当該住戸に居住すべき者の世帯構成等を勘案して国土交通省令で定める基準に適合するものであること。
八事業施行期間が適切なものであること。
九当該マンション建替事業を遂行するために必要な経済的基礎及びこれを的確に遂行するために必要なその他の能力が十分であること。
十その他基本方針に照らして適切なものであること。
(組合の成立)
第十三条組合は、第九条第一項の規定による認可により成立する。
(認可の公告等)
第十四条都道府県知事等は、第九条第一項の規定による認可をしたときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、組合の名称、施行マンションの名称及びその敷地の区域、施行再建マンションの敷地の区域、事業施行期間その他国土交通省令で定める事項を公告し、かつ、関係市町村長に施行マンションの名称及びその敷地の区域、施行再建マンションの設計の概要及びその敷地の区域その他国土交通省令で定める事項を表示する図書を送付しなければならない。
2組合は、前項の公告があるまでは、組合の成立又は定款若しくは事業計画をもって、組合員その他の第三者に対抗することができない。
3市町村長は、第三十八条第六項又は第八十一条の公告の日まで、政令で定めるところにより、第一項の図書を当該市町村の事務所において公衆の縦覧に供しなければならない。

第15条(区分所有権及び敷地利用権の売渡し請求)

1 組合は「組合設立認可の公告の日から二か月以内」に、建替えに参加しない旨を回答した区分所有者(その承継人を含み、その後に建替え合意者等となったものを除く。)に対し、区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すべきことを請求できる。
 建替え決議等があった後に当該区分所有者から敷地利用権のみを取得した者(その承継人を含み、その後に建替え合意者等となったものを除く。)の敷地利用権についても、同様とする。
2 売渡し請求は、建替え決議等の日から一年以内にしなければならない。ただし、この期間内に請求することができなかったことに正当な理由があるときは、この限りでない。
3区分所有法第六十三条第六項から第八項まで(区分所有法第七十条第四項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定は、第一項の規定による請求があった場合について準用する。この場合において、区分所有法第六十三条第七項中「第五項」とあるのは、「マンションの建替え等の円滑化に関する法律第十五条第一項」と読み替えるものとする。

第三目 管理

第十六条(組合員)

1 施行マンションの建替え合意者等(その承継人(組合を除く。)を含む。)は、すべて組合の組合員とする。
2 マンションの一の専有部分が数人の共有に属するときは、その数人を一人の組合員とみなす。

第十七条(参加組合員)

 前条に規定する者の他、組合が施行するマンション建替事業に参加することを希望し、かつ、それに必要な資力・信用を有する者であって、「定款」で定められたものは、参加組合員として、組合の組合員となる。

第十八条(組合員名簿の作成等)

第九条第一項の認可を受けた者は、第十四条第一項の公告後、遅滞なく、組合員の氏名及び住所(法人にあっては、その名称及び主たる事務所の所在地)並びに建替え合意者等である組合員又は参加組合員の別その他国土交通省令で定める事項を記載した組合員名簿を作成しなければならない。
2第九条第一項の認可を受けた者又は理事長は、次項の規定による通知を受けたとき、又は組合員名簿の記載事項の変更を知ったときは、遅滞なく、組合員名簿に必要な変更を加えなければならない。
3組合員は、組合員名簿の記載事項に変更を生じたときは、その旨を組合に通知しなければならない。
(組合員の権利義務の移転)
第十九条施行マンションについて組合員の有する区分所有権又は敷地利用権の全部又は一部を承継した組合員があるときは、従前の組合員がその区分所有権又は敷地利用権の全部又は一部について組合に対して有していた権利義務は、その承継した組合員に移転する。
(役員)
第二十条組合に、役員として、理事三人以上及び監事二人以上を置く。
2組合に、役員として、理事長一人を置き、理事の互選によりこれを定める。
(役員の資格、選挙及び選任)
第二十一条理事及び監事は、組合員(法人にあっては、その役員)のうちから総会で選挙する。ただし、特別の事情があるときは、組合員以外の者のうちから総会で選任することができる。
2前項本文の規定により選挙された理事若しくは監事が組合員でなくなったとき、又はその理事若しくは監事が組合員である法人の役員である場合において、その法人が組合員でなくなったとき、若しくはその理事若しくは監事がその法人の役員でなくなったときは、その理事又は監事は、その地位を失う。

第二十二条(役員の任期)

1 理事及び監事の任期は、三年以内とし、補欠の理事及び監事の任期は、前任者の残任期間とする。
2理事又は監事は、その任期が満了しても、後任の理事又は監事が就任するまでの間は、なおその職務を行う。

第二十三条(役員の解任請求)

1 組合員は、総組合員の三分の一以上の連署をもって、その代表者から、組合に対し、理事又は監事の解任の請求をすることができる。
2前項の規定による請求があったときは、組合は、直ちに、その請求の要旨を公表し、これを組合員の投票に付さなければならない。
3理事又は監事は、前項の規定による投票において過半数の同意があったときは、その地位を失う。
4前三項に定めるもののほか、理事及び監事の解任の請求及び第二項の規定による投票に関し必要な事項は、政令で定める。
(役員の職務)
第二十四条理事長は、組合を代表し、その業務を総理する。
2理事は、定款の定めるところにより、理事長を補佐して組合の業務を掌理し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠けたときはその職務を行う。
3監事の職務は、次のとおりとする。
一組合の財産の状況を監査すること。
二理事長及び理事の業務の執行の状況を監査すること。
三財産の状況又は業務の執行について、法令若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、総会又は都道府県知事等に報告をすること。
四前号の報告をするため必要があるときは、総会を招集すること。
4定款に特別の定めがある場合を除くほか、組合の業務は、理事の過半数で決する。
5組合と理事長との利益が相反する事項については、理事長は、代表権を有しない。この場合においては、監事が組合を代表する。
6理事長は、事業年度ごとに事業報告書、収支決算書及び財産目録を作成し、監事の意見書を添えて、これを通常総会に提出し、その承認を求めなければならない。
7前項の監事の意見書については、これに記載すべき事項を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして国土交通省令で定めるものをいう。)の添付をもって、当該監事の意見書の添付に代えることができる。この場合において、理事長は、当該監事の意見書を添付したものとみなす。
8監事は、理事又は組合の職員と兼ねてはならない。

第二十四条の二(理事長の代表権の制限)


理事長の代表権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
(理事長の代理行為の委任)
第二十四条の三理事長は、定款又は総会の決議によって禁止されていないときに限り、特定の行為の代理を他人に委任することができる。
(理事長の氏名等の届出及び公告)
第二十五条組合は、理事長の氏名及び住所を、都道府県知事等に届け出なければならない。この場合において、施行マンションの所在地が町村の区域内にあるときは、当該町村の長を経由して行わなければならない。
2都道府県知事等は、前項の規定による届出があったときは、遅滞なく、理事長の氏名及び住所を公告しなければならない。
3組合は、前項の公告があるまでは、理事長の代表権をもって組合員以外の第三者に対抗することができない。
(総会の組織)
第二十六条組合の総会は、総組合員で組織する。

第二十七条(総会の決議事項)

次に掲げる事項は、総会の議決を経なければならない。
一定款の変更
二事業計画の変更
三借入金の借入れ及びその方法並びに借入金の利率及び償還方法
四経費の収支予算
五予算をもって定めるものを除くほか、組合の負担となるべき契約
六賦課金の額及び賦課徴収の方法
七 権利変換計画及びその変更
八第九十四条第一項又は第三項の管理規約
九組合の解散
十その他定款で定める事項
(総会の招集)
第二十八条理事長は、毎事業年度一回通常総会を招集しなければならない。
2理事長は、必要があると認めるときは、いつでも、臨時総会を招集することができる。
3組合員が総組合員の五分の一以上の同意を得て、会議の目的である事項及び招集の理由を記載した書面を組合に提出して総会の招集を請求したときは、理事長は、その請求のあった日から起算して二十日以内に臨時総会を招集しなければならない。
4前項の場合において、電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって国土交通省令で定めるものをいう。以下同じ。)により議決権及び選挙権を行使することが定款で定められているときは、組合員は、同項の規定による書面の提出に代えて、当該書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供することができる。この場合において、当該組合員は、当該書面を提出したものとみなす。
5前項前段の規定による書面に記載すべき事項の電磁的方法(国土交通省令で定める方法を除く。)による提供は、組合の使用に係る電子計算機に備えられたファイルへの記録がされた時に当該組合に到達したものとみなす。
6第三項の規定による請求があった場合において、理事長が正当な理由がないのに総会を招集しないときは、監事は、同項の期間経過後十日以内に臨時総会を招集しなければならない。
7第九条第一項の規定による認可を受けた者は、その認可の公告があった日から起算して三十日以内に、最初の理事及び監事を選挙し、又は選任するための総会を招集しなければならない。
8総会を招集するには、少なくとも会議を開く日の五日前までに、会議の日時、場所及び目的である事項を組合員に通知しなければならない。ただし、緊急を要するときは、二日前までにこれらの事項を組合員に通知して、総会を招集することができる。

第二十九条(総会の議事等)

1 総会は、総組合員の半数以上の出席がなければ議事を開くことができず、その議事は、この法律に特別の定めがある場合を除くほか、出席者の議決権の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
2 議長は、総会において選任する。
3 議長は、組合員として総会の議決に加わることができない。ただし、次条の規定による議決については、この限りでない。
4 総会においては、前条第八項の規定によりあらかじめ通知した会議の目的である事項についてのみ議決することができる。

第三十条(特別の議決)

第二十七条第一号及び第二号に掲げる事項のうち政令で定める重要な事項並びに同条第八号及び第九号に掲げる事項は、組合員の議決権及び持分割合(組合の専有部分が存しないものとして算定した施行マンションについての区分所有法第十四条に定める割合(一括建替え合意者のみにより設立された組合にあっては、組合の持分が存しないものとして算定した施行マンションの敷地(これに関する権利を含む。)の持分の割合)をいう。第三項において同じ。)の各四分の三以上で決する。
2権利変換期日以後における前項の規定の適用については、同項中「組合の」とあるのは「組合及び参加組合員の」と、「施行マンション」とあるのは「施行再建マンション」とする。
3 権利変換計画及びその変更は、組合員の議決権及び持分割合の各五分の四以上で決する。

第三十一条(総代会)

1 組合員の数が五十人を超える組合は、総会に代わってその権限を行わせるために総代会を設けることができる。
2総代会は、総代をもって組織するものとし、総代の定数は、組合員の総数の十分の一を下らない範囲内において定款で定める。ただし、組合員の総数が二百人を超える組合にあっては、二十人以上であることをもって足りる。
3総代会が総会に代わって行う権限は、次の各号のいずれかに該当する事項以外の事項に関する総会の権限とする。
一理事及び監事の選挙又は選任
二前条の規定に従って議決しなければならない事項
4第二十八条第一項から第六項まで及び第八項並びに第二十九条(第三項ただし書を除く。)の規定は、総代会について準用する。
5総代会が設けられた組合においては、理事長は、第二十八条第一項の規定にかかわらず、通常総会を招集することを要しない。
(総代)
第三十二条総代は、定款で定めるところにより、組合員が組合員(法人にあっては、その役員)のうちから選挙する。
2総代の任期は、三年を超えない範囲内において定款で定める。補欠の総代の任期は、前任者の残任期間とする。
3第二十一条第二項及び第二十三条の規定は、総代について準用する。
(議決権及び選挙権)
第三十三条組合員及び総代は、定款に特別の定めがある場合を除き、各一個の議決権及び選挙権を有する。
2組合員は書面又は代理人をもって、総代は書面をもって、議決権及び選挙権を行使することができる。
3組合員及び総代は、定款で定めるところにより、前項の規定による書面をもってする議決権及び選挙権の行使に代えて、電磁的方法により議決権及び選挙権を行使することができる。
4組合と特定の組合員との関係について議決をする場合には、その組合員は、議決権を有しない。
5第二項又は第三項の規定により議決権及び選挙権を行使する者は、第二十九条第一項(第三十一条第四項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、出席者とみなす。
6代理人は、同時に五人以上の組合員を代理することができない。
7代理人は、代理権を証する書面を組合に提出しなければならない。
8前項の場合において、電磁的方法により議決権及び選挙権を行使することが定款で定められているときは、代理人は、当該書面の提出に代えて、当該書面において証すべき事項を当該電磁的方法により提供することができる。この場合において、当該代理人は、当該書面を提出したものとみなす。
(定款又は事業計画の変更)
第三十四条組合は、定款又は事業計画を変更しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事等の認可を受けなければならない。
2第九条第二項の規定は組合が定款及び事業計画を変更して新たに施行マンションに追加しようとする建替え決議マンションがある場合について、同条第四項の規定は組合が定款及び事業計画を変更して新たに施行マンションに追加しようとする一括建替え決議マンション群がある場合について、同条第五項の規定は組合が定款及び事業計画を変更して新たに施行マンションに追加しようとするマンションがある場合について、第十一条の規定は事業計画の変更(国土交通省令で定める軽微な変更を除く。)の認可の申請があった場合について、第九条第七項、第十二条及び第十四条の規定は前項の規定による認可について、それぞれ準用する。この場合において、第九条第二項中「建替え合意者の」とあるのは「新たに施行マンションとなるべき建替え決議マンションの建替え合意者(新たに施行マンションとなるべき建替え決議マンションが二以上ある場合にあっては、当該二以上の建替え決議マンションごとの建替え合意者)の」と、同条第四項中「、一括建替え合意者」とあるのは「、新たに施行マンションとなるべき一括建替え決議マンション群の一括建替え合意者(新たに施行マンションとなるべき一括建替え決議マンション群が二以上ある場合にあっては、当該二以上の一括建替え決議マンション群ごとの一括建替え合意者)」と、「一括建替え決議マンション群」とあるのは「新たに施行マンションとなるべき一括建替え決議マンション群」と、同条第七項中「施行マンションとなるべきマンション」とあるのは「施行マンション又は新たに施行マンションとなるべきマンション」と、第十一条第一項中「施行マンションとなるべきマンション」とあり、及び「当該マンション」とあるのは「施行マンション又は新たに施行マンションとなるべきマンション」と、同条第二項中「施行マンションとなるべきマンション又はその敷地」とあるのは「施行マンション若しくは新たに施行マンションとなるべきマンション又はそれらの敷地」と、第十四条第二項中「組合の成立又は定款若しくは事業計画」とあるのは「定款又は事業計画の変更」と、「組合員その他の」とあるのは「その変更について第三十四条第一項の規定による認可があった際に従前から組合員であった者以外の」と読み替えるものとする。
3組合は、事業に要する経費の分担に関し定款若しくは事業計画を変更しようとする場合又は定款及び事業計画の対象とされた二以上の施行マンションの数を縮減しようとする場合において、マンション建替事業の施行のための借入金があるときは、その変更又は縮減についてその債権者の同意を得なければならない。
4第十五条の規定は、組合が定款及び事業計画を変更して新たに施行マンションを追加した場合について準用する。この場合において、同条第一項中「前条第一項」とあるのは「第三十四条第二項において準用する前条第一項」と、「区分所有者」とあるのは「新たに追加された施行マンションの区分所有者」と、同条第三項中「第十五条第一項」とあるのは「第三十四条第四項において準用する同法第十五条第一項」と読み替えるものとする。

第三十五条(経費の賦課徴収)

1 組合は、その事業に要する経費に充てるため、賦課金として参加組合員以外の組合員に対して金銭を賦課徴収することができる。
2 賦課金の額は、組合員の有する施行マンション(権利変換期日以後においては、施行再建マンション)の専有部分の位置、床面積等を考慮して公平に定めなければならない。
3組合員は、賦課金の納付について、相殺をもって組合に対抗することができない。
4組合は、組合員が賦課金の納付を怠ったときは、定款で定めるところにより、その組合員に対して過怠金を課することができる。
(参加組合員の負担金及び分担金)
第三十六条参加組合員は、国土交通省令で定めるところにより、権利変換計画の定めるところに従い取得することとなる施行再建マンションの区分所有権及び敷地利用権の価額に相当する額の負担金並びに組合のマンション建替事業に要する経費に充てるための分担金を組合に納付しなければならない。
2前条第三項及び第四項の規定は、前項の負担金及び分担金について準用する。

第三十七条(審査委員)

1 組合に、この法律及び定款で定める権限を行わせるため、審査委員三人以上を置く。
2 審査委員は、土地建物の権利関係又は評価について特別の知識経験を有し、かつ、公正な判断をすることができる者のうちから総会で選任する。
3前二項に規定するもののほか、審査委員に関し必要な事項は、政令で定める。

第四目 解散

第三十八条(解散)

1 組合は、次に掲げる理由により解散する。
一設立についての認可の取消し
二総会の議決
三事業の完成又はその完成の不能
2 総会解散の議決は、権利変換期日前に限り行うことができるものとする。
3組合は、第一項第二号又は第三号に掲げる理由により解散しようとする場合において、借入金があるときは、解散について債権者の同意を得なければならない。
4組合は、第一項第二号又は第三号に掲げる理由により解散しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事等の認可を受けなければならない。
5前項の規定による認可の申請は、施行マンションの所在地が町村の区域内にあるときは、当該町村の長を経由して行わなければならない。
6都道府県知事等は、組合の設立についての認可を取り消したとき、又は第四項の規定による認可をしたときは、遅滞なく、その旨を公告しなければならない。
7組合は、前項の公告があるまでは、解散をもって組合員以外の第三者に対抗することができない。
(清算中の組合の能力)
第三十八条の二解散した組合は、清算の目的の範囲内において、その清算の結了に至るまではなお存続するものとみなす。
(清算人)
第三十九条組合が解散したときは、理事がその清算人となる。ただし、総会で他の者を選任したときは、この限りでない。
(裁判所による清算人の選任)
第三十九条の二前条の規定により清算人となる者がないとき、又は清算人が欠けたため損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、利害関係人若しくは検察官の請求により又は職権で、清算人を選任することができる。
(清算人の解任)
第三十九条の三重要な事由があるときは、裁判所は、利害関係人若しくは検察官の請求により又は職権で、清算人を解任することができる。
(清算人の職務及び権限)
第三十九条の四清算人の職務は、次のとおりとする。
一現務の結了
二債権の取立て及び債務の弁済
三残余財産の引渡し
2清算人は、前項各号に掲げる職務を行うために必要な一切の行為をすることができる。
(清算事務)
第四十条清算人は、就職の後遅滞なく、組合の財産の現況を調査し、財産目録を作成し、及び財産処分の方法を定め、財産目録及び財産処分の方法について総会の承認を求めなければならない。
(債権の申出の催告等)
第四十条の二清算人は、その就職の日から二月以内に、少なくとも三回の公告をもって、債権者に対し、一定の期間内にその債権の申出をすべき旨の催告をしなければならない。この場合において、その期間は、二月を下ることができない。
2前項の公告には、債権者がその期間内に申出をしないときは清算から除斥されるべき旨を付記しなければならない。ただし、清算人は、知れている債権者を除斥することができない。
3清算人は、知れている債権者には、各別にその申出の催告をしなければならない。
4第一項の公告は、官報に掲載してする。
(期間経過後の債権の申出)
第四十条の三前条第一項の期間の経過後に申出をした債権者は、組合の債務が完済された後まだ権利の帰属すべき者に引き渡されていない財産に対してのみ、請求をすることができる。
(残余財産の処分制限)
第四十一条清算人は、組合の債務を弁済した後でなければ、その残余財産を処分することができない。
(裁判所による監督)
第四十一条の二組合の解散及び清算は、裁判所の監督に属する。
2裁判所は、職権で、いつでも前項の監督に必要な検査をすることができる。
3組合の解散及び清算を監督する裁判所は、都道府県知事等に対し、意見を求め、又は調査を嘱託することができる。
4都道府県知事等は、前項に規定する裁判所に対し、意見を述べることができる。
(決算報告)
第四十二条清算人は、清算事務が終わったときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、決算報告書を作成し、これについて都道府県知事等の承認を得た後、これを組合員に報告しなければならない。
(解散及び清算の監督等に関する事件の管轄)
第四十二条の二組合の解散及び清算の監督並びに清算人に関する事件は、組合の主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
(不服申立ての制限)
第四十二条の三清算人の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。
(裁判所の選任する清算人の報酬)
第四十二条の四裁判所は、第三十九条の二の規定により清算人を選任した場合には、組合が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。この場合においては、裁判所は、当該清算人及び監事の陳述を聴かなければならない。
(検査役の選任)
第四十三条裁判所は、組合の解散及び清算の監督に必要な調査をさせるため、検査役を選任することができる。
2前二条の規定は、前項の規定により裁判所が検査役を選任した場合について準用する。この場合において、前条中「清算人及び監事」とあるのは、「組合及び検査役」と読み替えるものとする。
第五目 税法上の特例
第四十四条組合は、法人税法(昭和四十年法律第三十四号)その他法人税に関する法令の規定の適用については、同法第二条第六号に規定する公益法人等とみなす。この場合において、同法第三十七条の規定を適用する場合には同条第四項中「公益法人等(」とあるのは「公益法人等(マンション建替組合並びに」と、同法第六十六条の規定を適用する場合には同条第一項中「普通法人」とあるのは「普通法人(マンション建替組合を含む。)」と、同条第二項中「除く」とあるのは「除くものとし、マンション建替組合を含む」と、同条第三項中「公益法人等(」とあるのは「公益法人等(マンション建替組合及び」とする。
2組合は、消費税法(昭和六十三年法律第百八号)その他消費税に関する法令の規定の適用については、同法別表第三に掲げる法人とみなす。

第三款 個人施行者


(施行の認可)
第四十五条第五条第二項の規定によりマンション建替事業を施行しようとする者は、一人で施行しようとする者にあっては規準及び事業計画を定め、数人共同して施行しようとする者にあっては規約及び事業計画を定め、国土交通省令で定めるところにより、そのマンション建替事業について都道府県知事等の認可を受けなければならない。
2前項の規定による認可を申請しようとする者は、その者以外に施行マンションとなるべきマンション又はその敷地(隣接施行敷地を含む。)について権利を有する者があるときは、事業計画についてこれらの者の同意を得なければならない。ただし、その権利をもって認可を申請しようとする者に対抗することができない者については、この限りでない。
3前項の場合において、施行マンションとなるべきマンション又はその敷地(隣接施行敷地を含む。以下この項において同じ。)について権利を有する者のうち、区分所有権、敷地利用権、敷地の所有権及び借地権並びに借家権以外の権利(以下「区分所有権等以外の権利」という。)を有する者から同意を得られないとき、又はその者を確知することができないときは、その同意を得られない理由又は確知することができない理由を記載した書面を添えて、第一項の規定による認可を申請することができる。
4第九条第七項の規定は、第一項の規定による認可について準用する。
(規準又は規約)
第四十六条前条第一項の規準又は規約には、次の各号(規準にあっては、第四号から第六号までを除く。)に掲げる事項を記載しなければならない。
一施行マンションの名称及びその所在地
二マンション建替事業の範囲
三事務所の所在地
四事業に要する経費の分担に関する事項
五業務を代表して行う者を定めるときは、その職名、定数、任期、職務の分担及び選任の方法に関する事項
六会議に関する事項
七事業年度
八公告の方法
九その他国土交通省令で定める事項
(事業計画)
第四十七条事業計画においては、国土交通省令で定めるところにより、施行マンションの状況、その敷地の区域及びその住戸の状況、施行再建マンションの設計の概要及びその敷地の区域、事業施行期間、資金計画その他国土交通省令で定める事項を記載しなければならない。
2施行マンションとなるべきマンションに建替え決議等があるときは、事業計画は、当該建替え決議等の内容に適合したものでなければならない。
(認可の基準)
第四十八条都道府県知事等は、第四十五条第一項の規定による認可の申請があった場合において、次の各号のいずれにも該当すると認めるときは、その認可をしなければならない。
一申請手続が法令に違反するものでないこと。
二規準若しくは規約又は事業計画の決定手続又は内容が法令に違反するものでないこと。
三事業計画について区分所有権等以外の権利を有する者の同意を得られないことについて正当な理由があること。
四区分所有権等以外の権利を有する者を確知することができないことについて過失がないこと。
五第十二条第三号から第十号までに掲げる基準に適合すること。
(施行の認可の公告等)
第四十九条都道府県知事等は、第四十五条第一項の規定による認可をしたときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、施行者の氏名又は名称、施行マンションの名称及びその敷地の区域、施行再建マンションの敷地の区域、事業施行期間その他国土交通省令で定める事項を公告し、かつ、関係市町村長に施行マンションの名称及びその敷地の区域、施行再建マンションの設計の概要及びその敷地の区域その他国土交通省令で定める事項を表示する図書を送付しなければならない。
2第五条第二項の規定による施行者(以下「個人施行者」という。)は、前項の公告があるまでは、施行者として、又は規準若しくは規約若しくは事業計画をもって第三者に対抗することができない。
3市町村長は、第五十四条第三項において準用する第一項、第八十一条又は第九十九条第三項の公告の日まで、政令で定めるところにより、第一項の図書を当該市町村の事務所において公衆の縦覧に供しなければならない。
(規準又は規約及び事業計画の変更)
第五十条個人施行者は、規準若しくは規約又は事業計画を変更しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事等の認可を受けなければならない。
2第九条第七項、第四十五条第二項及び第三項並びに前二条の規定は、前項の規定による認可について準用する。この場合において、第九条第七項中「施行マンションとなるべきマンション」とあるのは「施行マンション又は新たに施行マンションとなるべきマンション」と、第四十五条第二項及び第三項中「施行マンションとなるべきマンション又はその敷地」とあるのは「施行マンション若しくは新たに施行マンションとなるべきマンション又はそれらの敷地」と、前条第二項中「施行者として、又は規準若しくは規約若しくは事業計画をもって」とあるのは「規準若しくは規約又は事業計画の変更をもって」と読み替えるものとする。
3第三十四条第三項の規定は、事業に要する経費の分担に関し規準若しくは規約若しくは事業計画を変更しようとする場合又は規準若しくは規約及び事業計画の対象とされた二以上の施行マンションの数を縮減しようとする場合について準用する。
(施行者の変動)
第五十一条個人施行者について相続、合併その他の一般承継があった場合において、その一般承継人が施行者以外の者であるときは、その一般承継人は、施行者となる。
2施行マンションについて、個人施行者の有する区分所有権又は敷地利用権の全部又は一部を施行者以外の者(前項に規定する一般承継人を除く。)が承継したときは、その者は、施行者となる。
3一人で施行するマンション建替事業において、前二項の規定により施行者が数人となったときは、そのマンション建替事業は、第五条第二項の規定により数人共同して施行するマンション建替事業となるものとする。この場合において、施行者は、遅滞なく、第四十五条第一項の規約を定め、その規約について都道府県知事等の認可を受けなければならない。
4前項の規定による認可の申請は、施行マンションの所在地が町村の区域内にあるときは、当該町村の長を経由して行わなければならない。
5数人共同して施行するマンション建替事業において、当該施行者について一般承継があり、又は当該施行者の有する区分所有権又は敷地利用権の一般承継以外の事由による承継があったことにより施行者が一人となったときは、そのマンション建替事業は、第五条第二項の規定により一人で施行するマンション建替事業となるものとする。この場合において、当該マンション建替事業について定められていた規約のうち、規準に記載すべき事項に相当する事項は、当該マンション建替事業に係る規準としての効力を有するものとし、その他の事項はその効力を失うものとする。
6個人施行者について一般承継があり、又は個人施行者の有する区分所有権若しくは敷地利用権の一般承継以外の事由による承継があったことにより施行者に変動を生じたとき(第三項前段に規定する場合を除く。)は、施行者は、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、新たに施行者となった者の氏名又は名称及び住所並びに施行者でなくなった者の氏名又は名称を都道府県知事等に届け出なければならない。この場合において、施行マンションの所在地が町村の区域内にあるときは、当該町村の長を経由して行わなければならない。
7都道府県知事等は、第三項後段の規定により定められた規約について認可したときは新たに施行者となった者の氏名又は名称その他国土交通省令で定める事項を、前項の規定による届出を受理したときは新たに施行者となった者及び施行者でなくなった者の氏名又は名称その他国土交通省令で定める事項を、遅滞なく、公告しなければならない。
8個人施行者は、前項の公告があるまでは、施行者の変動、第三項後段の規定により定めた規約又は第五項後段の規定による規約の一部の失効をもって第三者に対抗することができない。
(施行者の権利義務の移転)
第五十二条個人施行者について一般承継があったときは、その施行者がマンション建替事業に関して有する権利義務(その施行者が当該マンション建替事業に関し、行政庁の認可、許可その他の処分に基づいて有する権利義務を含む。以下この条において同じ。)は、その一般承継人に移転する。
2前項に規定する場合を除き、個人施行者の有する区分所有権又は敷地利用権の全部又は一部を承継した者があるときは、その施行者がその区分所有権又は敷地利用権の全部又は一部についてマンション建替事業に関して有する権利義務は、その承継した者に移転する。
(審査委員)
第五十三条個人施行者は、都道府県知事等の承認を受けて、土地及び建物の権利関係又は評価について特別の知識経験を有し、かつ、公正な判断をすることができる者のうちから、この法律及び規準又は規約で定める権限を行う審査委員三人以上を選任しなければならない。
2前項に規定するもののほか、審査委員に関し必要な事項は、政令で定める。
(マンション建替事業の廃止及び終了)
第五十四条個人施行者は、マンション建替事業を、事業の完成の不能により廃止し、又は終了しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、その廃止又は終了について都道府県知事等の認可を受けなければならない。
2個人施行者は、事業の完成の不能によりマンション建替事業を廃止しようとする場合において、その者にマンション建替事業の施行のための借入金があるときは、その廃止についてその債権者の同意を得なければならない。
3第九条第七項並びに第四十九条第一項(図書の送付に係る部分を除く。)及び第二項の規定は、第一項の規定による認可について準用する。この場合において、第九条第七項中「施行マンションとなるべきマンション」とあるのは「施行マンション」と、第四十九条第二項中「施行者として、又は規準若しくは規約若しくは事業計画をもって」とあるのは「マンション建替事業の廃止又は終了をもって」と読み替えるものとする。

第二節 権利変換手続等

第一款 権利変換手続

第一目 手続の開始

第五十五条(権利変換手続開始の登記)

1 施行者は、次に掲げる公告があったときは、遅滞なく、登記所に、施行マンションの区分所有権及び敷地利用権(既登記のものに限る。)並びに隣接施行敷地の所有権及び借地権(既登記のものに限る。)について、権利変換手続開始の登記を申請しなければならない。
一組合が施行するマンション建替事業にあっては、第十四条第一項の公告又は新たな施行マンションの追加に係る事業計画の変更の認可の公告
二個人施行者が施行するマンション建替事業にあっては、その施行についての認可の公告又は新たな施行マンションの追加に係る事業計画の変更の認可の公告
2前項の登記があった後においては、当該登記に係る施行マンションの区分所有権若しくは敷地利用権を有する者(組合が施行するマンション建替事業にあっては、組合員に限る。)又は当該登記に係る隣接施行敷地の所有権若しくは借地権を有する者は、これらの権利を処分するときは、国土交通省令で定めるところにより、施行者の承認を得なければならない。
3施行者は、事業の遂行に重大な支障が生ずることその他正当な理由がなければ、前項の承認を拒むことができない。
4第二項の承認を得ないでした処分は、施行者に対抗することができない。
5権利変換期日前において第三十八条第六項、前条第三項において準用する第四十九条第一項又は第九十九条第三項の公告があったときは、施行者(組合にあっては、その清算人)は、遅滞なく、登記所に、権利変換手続開始の登記の抹消を申請しなければならない。
(権利変換を希望しない旨の申出等)
第五十六条第十四条第一項の公告又は個人施行者の施行の認可の公告があったときは、施行マンションの区分所有権又は敷地利用権を有する者は、その公告があった日から起算して三十日以内に、施行者に対し、第七十条第一項及び第七十一条第二項の規定による権利の変換を希望せず、自己の有する区分所有権又は敷地利用権に代えて金銭の給付を希望する旨を申し出ることができる。
2前項の区分所有権又は敷地利用権について仮登記上の権利、買戻しの特約その他権利の消滅に関する事項の定めの登記若しくは処分の制限の登記があるとき、又は同項の未登記の借地権の存否若しくは帰属について争いがあるときは、それらの権利者又は争いの相手方の同意を得なければ、同項の規定による金銭の給付の希望を申し出ることができない。
3施行マンションについて借家権を有する者(その者が更に借家権を設定しているときは、その借家権の設定を受けた者)は、第一項の期間内に施行者に対し、第七十一条第三項の規定による借家権の取得を希望しない旨を申し出ることができる。
4施行者が組合である場合においては、最初の役員が選挙され、又は選任されるまでの間は、第一項又は前項の規定による申出は、第九条第一項の規定による認可を受けた者が受理するものとする。
5第一項の期間経過後六月以内に権利変換計画について次条第一項後段の規定による認可が行われないときは、当該六月の期間経過後三十日以内に、第一項若しくは第三項の規定による申出を撤回し、又は新たに第一項若しくは第三項の規定による申出をすることができる。その三十日の期間経過後更に六月を経過しても同条第一項後段の規定による認可が行われないときも、同様とする。
6定款又は規準若しくは規約及び事業計画を変更して新たに施行マンションを追加した場合においては、前項前段中「第一項の期間経過後六月以内に権利変換計画について次条第一項後段の規定による認可が行われないときは、当該六月の期間経過後」とあるのは、「新たな施行マンションの追加に係る定款又は規準若しくは規約及び事業計画の変更の認可の公告があったときは、その公告があった日から起算して」とする。
7第一項、第三項又は前二項の申出又は申出の撤回は、国土交通省令で定めるところにより、書面でしなければならない。
第二目 権利変換計画
(権利変換計画の決定及び認可)
第五十七条施行者は、前条の規定による手続に必要な期間の経過後、遅滞なく、権利変換計画を定めなければならない。この場合においては、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事等の認可を受けなければならない。
2施行者は、前項後段の規定による認可を申請しようとするときは、権利変換計画について、あらかじめ、組合にあっては総会の議決を経るとともに施行マンション又はその敷地について権利を有する者(組合員を除く。)及び隣接施行敷地がある場合における当該隣接施行敷地について権利を有する者の同意を得、個人施行者にあっては施行マンション又はその敷地(隣接施行敷地を含む。)について権利を有する者の同意を得なければならない。ただし、次に掲げる者については、この限りでない。
一区分所有法第六十九条の規定により同条第一項に規定する特定建物である施行マンションの建替えを行うことができるときは、当該施行マンションの所在する土地(これに関する権利を含む。)の共有者である団地内建物の団地建物所有者
二その権利をもって施行者に対抗することができない者
3前項の場合において、区分所有権等以外の権利を有する者から同意を得られないときは、その同意を得られない理由及び同意を得られない者の権利に関し損害を与えないようにするための措置を記載した書面を添えて、第一項後段の規定による認可を申請することができる。
4第二項の場合において、区分所有権等以外の権利を有する者を確知することができないときは、その確知することができない理由を記載した書面を添えて、第一項後段の規定による認可を申請することができる。
(権利変換計画の内容)
第五十八条権利変換計画においては、国土交通省令で定めるところにより、次に掲げる事項を定めなければならない。
一施行再建マンションの配置設計
二施行マンションの区分所有権又は敷地利用権を有する者で、当該権利に対応して、施行再建マンションの区分所有権又は敷地利用権を与えられることとなるものの氏名又は名称及び住所
三前号に掲げる者が施行マンションについて有する区分所有権又は敷地利用権及びその価額
四第二号に掲げる者に前号に掲げる区分所有権又は敷地利用権に対応して与えられることとなる施行再建マンションの区分所有権又は敷地利用権の明細及びその価額の概算額
五第三号に掲げる区分所有権又は敷地利用権について先取特権、質権若しくは抵当権の登記、仮登記、買戻しの特約その他権利の消滅に関する事項の定めの登記又は処分の制限の登記(以下「担保権等の登記」と総称する。)に係る権利を有する者の氏名又は名称及び住所並びにその権利
六前号に掲げる者が施行再建マンションの区分所有権又は敷地利用権の上に有することとなる権利
七施行マンションについて賃借権を有する者(その者が更に賃借権を設定しているときは、その賃借権の設定を受けた者)又は施行マンションについて配偶者居住権を有する者から賃借権の設定を受けた者で、当該賃借権に対応して、施行再建マンションについて賃借権を与えられることとなるものの氏名又は名称及び住所
八前号に掲げる者に賃借権が与えられることとなる施行再建マンションの部分
九施行マンションについて配偶者居住権を有する者(その者が賃借権を設定している場合を除く。)で、当該配偶者居住権に対応して、施行再建マンションについて配偶者居住権を与えられることとなるものの氏名及び住所並びにその配偶者居住権の存続期間
十前号に掲げる者に配偶者居住権が与えられることとなる施行再建マンションの部分
十一施行者が施行再建マンションの部分を賃貸する場合における標準家賃の概算額及び家賃以外の借家条件の概要
十二施行マンションに関する権利又はその敷地利用権を有する者で、この法律の規定により、権利変換期日において当該権利を失い、かつ、当該権利に対応して、施行再建マンションに関する権利又はその敷地利用権を与えられないものの氏名又は名称及び住所、失われる施行マンションに関する権利又はその敷地利用権並びにその価額
十三隣接施行敷地の所有権又は借地権を有する者で、この法律の規定により、権利変換期日において当該権利を失い、又は当該権利の上に敷地利用権が設定されることとなるものの氏名又は名称及び住所、その権利並びにその価額又は減価額
十四組合の参加組合員に与えられることとなる施行再建マンションの区分所有権及び敷地利用権の明細並びにその参加組合員の氏名又は名称及び住所
十五第四号及び前号に掲げるもののほか、施行再建マンションの区分所有権又は敷地利用権の明細、その帰属及びその処分の方法
十六施行マンションの敷地であった土地で施行再建マンションの敷地とならない土地(以下「保留敷地」という。)の所有権又は借地権の明細、その帰属及びその処分の方法
十七補償金の支払又は清算金の徴収に係る利子又はその決定方法
十八権利変換期日、施行マンションの明渡しの予定時期及び工事完了の予定時期
十九その他国土交通省令で定める事項
2施行マンションに関する権利若しくはその敷地利用権又は隣接施行敷地の所有権若しくは借地権に関して争いがある場合において、その権利の存否又は帰属が確定しないときは、当該権利が存するものとして、又は当該権利が現在の名義人(当該名義人に対して第十五条第一項(第三十四条第四項において準用する場合を含む。)若しくは第六十四条第一項(第六十六条において準用する場合を含む。)又は区分所有法第六十三条第五項(区分所有法第七十条第四項において準用する場合を含む。)の規定による請求があった場合においては、当該請求をした者)に属するものとして権利変換計画を定めなければならない。
3区分所有法第六十三条第六項(第十五条第三項(第三十四条第四項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)又は区分所有法第七十条第四項において準用する区分所有法第六十三条第六項(第十五条第三項(第三十四条第四項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)の規定により、裁判所から建物の明渡しにつき相当の期限を許与された区分所有者がいるときは、第一項第十八号の施行マンションの明渡しの予定時期は、当該期限の日以降となるように定めなければならない。
(権利変換計画の決定基準)
第五十九条権利変換計画は、関係権利者間の利害の衡平に十分の考慮を払って定めなければならない。
(区分所有権及び敷地利用権等)
第六十条権利変換計画においては、第五十六条第一項の申出をした者を除き、施行マンションの区分所有権又は敷地利用権を有する者に対しては、施行再建マンションの区分所有権又は敷地利用権が与えられるように定めなければならない。組合の定款により施行再建マンションの区分所有権及び敷地利用権が与えられるように定められた参加組合員に対しても、同様とする。
2前項前段に規定する者に対して与えられる施行再建マンションの区分所有権又は敷地利用権は、それらの者が有する施行マンションの専有部分の位置、床面積、環境、利用状況等又はその敷地利用権の地積若しくはその割合等とそれらの者に与えられる施行再建マンションの専有部分の位置、床面積、環境等又はその敷地利用権の地積若しくはその割合等を総合的に勘案して、それらの者の相互間の衡平を害しないように定めなければならない。
3権利変換計画においては、第一項の規定により与えられるように定められるもの以外の施行再建マンションの区分所有権及び敷地利用権並びに保留敷地の所有権又は借地権は、施行者に帰属するように定めなければならない。
4権利変換計画においては、第五十六条第三項の申出をした者を除き、施行マンションの区分所有者から当該施行マンションについて賃借権の設定を受けている者(その者が更に賃借権を設定しているときは、その賃借権の設定を受けている者)又は施行マンションについて配偶者居住権を有する者から賃借権の設定を受けている者に対しては、第一項の規定によりそれぞれ当該施行マンションの区分所有者に与えられることとなる施行再建マンションの部分について、賃借権が与えられるように定めなければならない。ただし、施行マンションの区分所有者が同条第一項の申出をしたときは、前項の規定により施行者に帰属することとなる施行再建マンションの部分について、賃借権が与えられるように定めなければならない。
5権利変換計画においては、第五十六条第三項の申出をした者を除き、施行マンションについて配偶者居住権の設定を受けている者(その者が賃借権を設定している場合を除く。)に対しては、第一項の規定により当該施行マンションの区分所有者に与えられることとなる施行再建マンションの部分について、配偶者居住権が与えられるように定めなければならない。ただし、施行マンションの区分所有者が同条第一項の申出をしたときは、第三項の規定により施行者に帰属することとなる施行再建マンションの部分について、配偶者居住権が与えられるように定めなければならない。
6前項の場合においては、権利変換計画は、施行マンションについて配偶者居住権の設定を受けている者に対し与えられることとなる施行再建マンションの部分についての配偶者居住権の存続期間が当該施行マンションの配偶者居住権の存続期間と同一の期間となるように定めなければならない。
(担保権等の登記に係る権利)
第六十一条施行マンションの区分所有権又は敷地利用権について担保権等の登記に係る権利が存するときは、権利変換計画においては、当該担保権等の登記に係る権利は、その権利の目的たる施行マンションの区分所有権又は敷地利用権に対応して与えられるものとして定められた施行再建マンションの区分所有権又は敷地利用権の上に存するものとして定めなければならない。
2前項の場合において、関係権利者間の利害の衡平を図るため必要があるときは、施行者は、当該存するものとして定められる権利につき、これらの者の意見を聴いて、必要な定めをすることができる。
(施行マンションの区分所有権等の価額の算定基準)
第六十二条第五十八条第一項第三号、第十二号又は第十三号の価額又は減価額は、第五十六条第一項又は第五項(同条第六項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定による三十日の期間を経過した日における近傍類似の土地又は近傍同種の建築物に関する同種の権利の取引価格等を考慮して定める相当の価額とする。
(施行再建マンションの区分所有権の価額等の概算額の算定基準)
第六十三条権利変換計画においては、第五十八条第一項第四号又は第十一号の概算額は、国土交通省令で定めるところにより、マンション建替事業に要する費用及び前条に規定する三十日の期間を経過した日における近傍類似の土地又は近傍同種の建築物に関する同種の権利の取引価格等を考慮して定める相当の価額を基準として定めなければならない。
(権利変換計画に関する総会の議決に賛成しなかった組合員に対する売渡し請求等)
第六十四条組合において、権利変換計画について総会の議決があったときは、組合は、当該議決があった日から二月以内に、当該議決に賛成しなかった組合員に対し、区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すべきことを請求することができる。
2区分所有法第六十三条第七項及び第八項(これらの規定を区分所有法第七十条第四項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定は、前項の規定による請求について準用する。この場合において、区分所有法第六十三条第七項中「第五項」とあるのは、「マンションの建替え等の円滑化に関する法律第六十四条第一項」と読み替えるものとする。
3組合において、権利変換計画について総会の議決があったときは、当該議決に賛成しなかった組合員は、当該議決があった日から二月以内に、組合に対し、区分所有権及び敷地利用権を時価で買い取るべきことを請求することができる。
(認可の基準)
第六十五条都道府県知事等は、第五十七条第一項後段の規定による認可の申請があった場合において、次の各号のいずれにも該当すると認めるときは、その認可をしなければならない。
一申請手続又は権利変換計画の決定手続若しくは内容が法令に違反するものでないこと。
二施行マンションに建替え決議等があるときは、当該建替え決議等の内容に適合していること。
三権利変換計画について区分所有権等以外の権利を有する者の同意を得られないことについて正当な理由があり、かつ、同意を得られない者の権利に関し損害を与えないようにするための措置が適切なものであること。
四区分所有権等以外の権利を有する者を確知することができないことについて過失がないこと。
五その他基本方針に照らして適切なものであること。
(権利変換計画の変更)
第六十六条第五十七条第一項後段及び第二項から第四項まで並びに前二条の規定は、権利変換計画を変更する場合(国土交通省令で定める軽微な変更をする場合を除く。)に準用する。この場合において、第六十四条第一項及び第三項中「権利変換計画」とあるのは「権利変換計画の変更」と、同条第二項中「第六十四条第一項」とあるのは「第六十六条において準用する同法第六十四条第一項」と読み替えるものとする。
(審査委員の関与)
第六十七条施行者は、権利変換計画を定め、又は変更しようとするとき(国土交通省令で定める軽微な変更をしようとする場合を除く。)は、審査委員の過半数の同意を得なければならない。

第三目 権利の変換


(権利変換の処分)
第六十八条施行者は、権利変換計画若しくはその変更の認可を受けたとき、又は権利変換計画について第六十六条の国土交通省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公告し、及び関係権利者に関係事項を書面で通知しなければならない。
2権利変換に関する処分は、前項の通知をすることによって行う。
3権利変換に関する処分については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第三章の規定は、適用しない。
(権利変換期日等の通知)
第六十九条施行者は、権利変換計画若しくはその変更(権利変換期日に係るものに限る。以下この条において同じ。)の認可を受けたとき、又は第六十六条の国土交通省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、施行マンションの所在地の登記所に、権利変換期日その他国土交通省令で定める事項を通知しなければならない。
(敷地に関する権利の変換等)
第七十条権利変換期日において、権利変換計画の定めるところに従い、施行マンションの敷地利用権は失われ、施行再建マンションの敷地利用権は新たに当該敷地利用権を与えられるべき者が取得する。
2権利変換期日において、権利変換計画の定めるところに従い、隣接施行敷地の所有権又は借地権は、失われ、又はその上に施行再建マンションの敷地利用権が設定される。
3権利変換期日において、権利変換計画の定めるところに従い、保留敷地に関しては、当該保留敷地についての従前の施行マンションの敷地利用権が所有権であるときはその所有権を、借地権であるときはその借地権を、施行者が取得する。
4施行マンションの敷地及び隣接施行敷地に関する権利で前三項及び第七十三条の規定により権利が変換されることのないものは、権利変換期日以後においても、なお従前の土地に存する。この場合において、権利変換期日前において、これらの権利のうち地役権又は地上権の登記に係る権利が存していた敷地利用権が担保権等の登記に係る権利の目的となっていたときは、権利変換期日以後においても、当該地役権又は地上権の登記に係る権利と当該担保権等の登記に係る権利との順位は、変わらないものとする。
(施行マンションに関する権利の変換)
第七十一条権利変換期日において、施行マンションは、施行者に帰属し、施行マンションを目的とする区分所有権以外の権利は、この法律に別段の定めがあるものを除き、消滅する。
2施行再建マンションの区分所有権は、第八十一条の建築工事の完了の公告の日に、権利変換計画の定めるところに従い、新たに施行再建マンションの区分所有権を与えられるべき者が取得する。
3施行マンションについて借家権を有していた者(その者が更に借家権を設定していたときは、その借家権の設定を受けた者)は、第八十一条の建築工事の完了の公告の日に、権利変換計画の定めるところに従い、施行再建マンションの部分について借家権を取得する。
(区分所有法の規約とみなす部分)
第七十二条区分所有法第一条に規定する建物の部分若しくは附属の建物で権利変換計画において施行再建マンションの共用部分若しくは区分所有法第六十七条第一項の団地共用部分(以下単に「団地共用部分」という。)と定められたものがあるとき、権利変換計画において定められた施行再建マンションの共用部分若しくは団地共用部分の共有持分が区分所有法第十一条第一項若しくは第十四条第一項から第三項まで(これらの規定を区分所有法第六十七条第三項において準用する場合を含む。)の規定に適合しないとき、又は権利変換計画において定められた施行再建マンションの敷地利用権の割合が区分所有法第二十二条第二項本文の規定に適合しないときは、権利変換計画中その定めをした部分は、それぞれ区分所有法第四条第二項若しくは第六十七条第一項の規定による規約、区分所有法第十一条第二項若しくは第十四条第四項(区分所有法第六十七条第三項において準用する場合を含む。)の規定による規約又は区分所有法第二十二条第二項ただし書の規定による規約とみなす。
(担保権等の移行)
第七十三条施行マンションの区分所有権又は敷地利用権について存する担保権等の登記に係る権利は、権利変換期日以後は、権利変換計画の定めるところに従い、施行再建マンションの区分所有権又は敷地利用権の上に存するものとする。
(権利変換の登記)
第七十四条施行者は、権利変換期日後遅滞なく、施行再建マンションの敷地(保留敷地を含む。)につき、権利変換後の土地に関する権利について必要な登記を申請しなければならない。
2権利変換期日以後においては、施行再建マンションの敷地(保留敷地を含む。)に関しては、前項の登記がされるまでの間は、他の登記をすることができない。
(補償金)
第七十五条施行者は、次に掲げる者に対し、その補償として、権利変換期日までに、第六十二条の規定により算定した相当の価額に同条に規定する三十日の期間を経過した日から第六十八条第一項の規定による権利変換計画又はその変更に係る公告(以下この条において「権利変換計画公告」という。)の日までの物価の変動に応ずる修正率を乗じて得た額に、当該権利変換計画公告の日から補償金を支払う日までの期間につき権利変換計画で定めるところによる利息を付したものを支払わなければならない。この場合において、その修正率は、国土交通省令で定める方法によって算定するものとする。
一施行マンションに関する権利又はその敷地利用権を有する者で、この法律の規定により、権利変換期日において当該権利を失い、かつ、当該権利に対応して、施行再建マンションに関する権利又はその敷地利用権を与えられないもの
二隣接施行敷地の所有権又は借地権を有する者で、この法律の規定により、権利変換期日において当該権利を失い、又は当該権利の上に敷地利用権が設定されることとなるもの
(補償金の供託)
第七十六条施行者は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、前条に規定する補償金(利息を含む。以下この款において同じ。)の支払に代えてこれを供託することができる。
一補償金の提供をした場合において、補償金を受けるべき者がその受領を拒んだとき。
二補償金を受けるべき者が補償金を受領することができないとき。
三施行者が補償金を受けるべき者を確知することができないとき。ただし、施行者に過失があるときは、この限りでない。
四施行者が差押え又は仮差押えにより補償金の払渡しを禁じられたとき。
2施行者は、第五十八条第二項の場合においては、権利変換計画において存するものとされた権利に係る補償金(併存し得ない二以上の権利が存するものとされた場合においては、それらの権利に対する補償金のうち最高額のもの)の支払に代えてこれを供託しなければならない。
3施行者は、先取特権、質権若しくは抵当権又は仮登記若しくは買戻しの特約の登記に係る権利(以下「先取特権等」という。)の目的物について補償金を支払うときは、これらの権利者の全てから供託しなくてもよい旨の申出があったときを除き、その補償金を供託しなければならない。
4前三項の規定による供託は、施行マンションの所在地の供託所にしなければならない。
5施行者は、第一項から第三項までの規定による供託をしたときは、遅滞なく、その旨を補償金を取得すべき者(その供託が第二項の規定によるものであるときは、争いの当事者)に通知しなければならない。
(物上代位)
第七十七条前条第三項の先取特権、質権又は抵当権を有する者は、同項の規定により供託された補償金に対してその権利を行うことができる。
(差押え又は仮差押えがある場合の措置)
第七十八条差押えに係る権利については、第七十五条の規定にかかわらず、施行者は、権利変換期日までに、同条の規定により支払うべき金額を当該差押えによる配当手続を実施すべき機関に払い渡さなければならない。ただし、強制執行若しくは担保権の実行としての競売(その例による競売を含む。以下単に「競売」という。)による代金の納付又は滞納処分による売却代金の支払があった後においては、この限りでない。
2前項の規定により配当手続を実施すべき機関が払渡しを受けた金銭は、配当に関しては、強制執行若しくは競売による代金又は滞納処分による売却代金とみなし、その払渡しを受けた時が強制競売又は競売に係る配当要求の終期の到来前であるときは、その時に配当要求の終期が到来したものとみなす。
3強制競売若しくは競売に係る売却許可決定後代金の納付前又は滞納処分による売却決定後売却代金の支払前に第一項本文の規定による払渡しがあったときは、売却許可決定又は売却決定は、その効力を失う。
4第一項の規定は、仮差押えの執行に係る権利に対する補償金の払渡しに準用する。
5施行者に補償金の支払を命ずる判決が確定したときは、その補償金の支払に関しては、第一項の規定による補償金の例による。この場合において、施行者が補償金を配当手続を実施すべき機関に払い渡したときは、補償金の支払を命ずる判決に基づく給付をしたものとみなす。
6第一項又は前二項の規定による補償金の裁判所への払渡し及びその払渡しがあった場合における強制執行、仮差押えの執行又は競売に関しては、最高裁判所規則で民事執行法(昭和五十四年法律第四号)又は民事保全法(平成元年法律第九十一号)の特例その他必要な事項を、その補償金の裁判所以外の配当手続を実施すべき機関への払渡し及びその払渡しがあった場合における滞納処分に関しては、政令で国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)の特例その他必要な事項を定めることができる。
第四目 施行マンション等の明渡し
(占有の継続)
第七十九条権利変換期日において、第七十一条第一項の規定により失った権利に基づき施行マンションを占有していた者及びその承継人は、次条第一項の規定により施行者が通知した明渡しの期限までは、従前の用法に従い、その占有を継続することができる。第七十条第二項の規定により、権利を失い、又は敷地利用権を設定された者及びその承継人についても、同様とする。
(施行マンション等の明渡し)
第八十条施行者は、権利変換期日後マンション建替事業に係る工事のため必要があるときは、施行マンション又はその敷地(隣接施行敷地を含む。)を占有している者に対し、期限を定めて、その明渡しを求めることができる。
2前項の規定による明渡しの期限は、同項の請求をした日の翌日から起算して三十日を経過した後の日でなければならない。
3第五十八条第三項の規定は、同項の相当の期限を許与された区分所有者に対する第一項の規定による明渡しの期限について準用する。
4第一項の規定による明渡しの請求があった者は、明渡しの期限までに、施行者に明け渡さなければならない。ただし、第七十五条の補償金の支払を受けるべき者について同条の規定による支払若しくは第七十六条の規定による供託がないとき、第十五条第一項(第三十四条第四項において準用する場合を含む。)若しくは第六十四条第一項(第六十六条において準用する場合を含む。)若しくは区分所有法第六十三条第五項(区分所有法第七十条第四項において準用する場合を含む。)の規定による請求を受けた者について当該請求を行った者による代金の支払若しくは提供がないとき、又は第六十四条第三項(第六十六条において準用する場合を含む。)の規定による請求を行った者について当該請求を受けた者による代金の支払若しくは提供がないときは、この限りでない。

第五目 工事完了等に伴う措置


(建築工事の完了の公告等)
第八十一条施行者は、施行再建マンションの建築工事が完了したときは、速やかに、その旨を、公告するとともに、第七十一条第二項又は第三項の規定により施行再建マンションに関し権利を取得する者に通知しなければならない。
(施行再建マンションに関する登記)
第八十二条施行者は、施行再建マンションの建築工事が完了したときは、遅滞なく、施行再建マンション及び施行再建マンションに関する権利について必要な登記を申請しなければならない。
2施行再建マンションに関する権利に関しては、前項の登記がされるまでの間は、他の登記をすることができない。
(借家条件の協議及び裁定)
第八十三条権利変換計画において施行再建マンションの区分所有権が与えられるように定められた者と当該施行再建マンションについて第六十条第四項本文の規定により賃借権が与えられるように定められた者は、家賃その他の借家条件について協議しなければならない。
2第八十一条の公告の日までに前項の規定による協議が成立しないときは、施行者は、当事者の一方又は双方の申立てにより、審査委員の過半数の同意を得て、次に掲げる事項について裁定することができる。
一賃借の目的
二家賃の額、支払期日及び支払方法
三敷金又は賃借権の設定の対価を支払うべきときは、その額
3施行者は、前項の規定による裁定をするときは、賃借の目的については賃借部分の構造及び賃借権を有する者の職業を、家賃の額については賃貸人の受けるべき適正な利潤を、その他の事項についてはその地方における一般の慣行を考慮して定めなければならない。
4第二項の規定による裁定があったときは、裁定の定めるところにより、当事者間に協議が成立したものとみなす。
5第二項の裁定に関し必要な手続に関する事項は、国土交通省令で定める。
6第二項の裁定に不服がある者は、その裁定があった日から六十日以内に、訴えをもってその変更を請求することができる。
7前項の訴えにおいては、当事者の他の一方を被告としなければならない。
(施行再建マンションの区分所有権等の価額等の確定)
第八十四条施行者は、マンション建替事業の工事が完了したときは、速やかに、当該事業に要した費用の額を確定するとともに、政令で定めるところにより、その確定した額及び第六十二条に規定する三十日の期間を経過した日における近傍類似の土地又は近傍同種の建築物に関する同種の権利の取引価格等を考慮して定める相当の価額を基準として、施行再建マンションの区分所有権若しくは敷地利用権を取得した者又はその賃借権を取得した者(施行者の所有する施行再建マンションの部分について第六十条第四項ただし書の規定により賃借権が与えられるように定められたものに限る。)ごとに、施行再建マンションの区分所有権若しくは敷地利用権の価額又は施行者が賃貸する施行再建マンションの部分の家賃の額を確定し、これらの者にその確定した額を通知しなければならない。
(清算)
第八十五条前条の規定により確定した施行再建マンションの区分所有権又は敷地利用権の価額とこれを与えられた者がこれに対応する権利として有していた施行マンションの区分所有権又は敷地利用権の価額とに差額があるときは、施行者は、その差額に相当する金額を徴収し、又は交付しなければならない。
(清算金の供託及び物上代位)
第八十六条前条に規定する施行マンションの区分所有権又は敷地利用権が先取特権等の目的となっていたときは、これらの権利者の全てから供託しなくてもよい旨の申出があったときを除き、施行者は、同条の規定により交付すべき清算金の交付に代えてこれを供託しなければならない。第七十六条第四項及び第五項の規定は、この場合について準用する。
2前項の先取特権、質権又は抵当権を有していた者は、同項の規定により供託された清算金に対してその権利を行うことができる。
(清算金の徴収)
第八十七条第八十五条の規定により徴収すべき清算金は、権利変換計画で定めるところにより、利子を付して分割して徴収することができる。
2施行者は、第八十五条の規定により徴収すべき清算金(前項の規定により利子を付したときは、その利子を含む。)を滞納する者があるときは、権利変換計画で定めるところにより、利子を付して徴収することができる。
(先取特権)
第八十八条第八十五条の清算金を徴収する権利を有する施行者は、その納付義務者に与えられる施行再建マンションの区分所有権の上に先取特権を有する。
2前項の先取特権は、第八十二条第一項の規定による登記の際に清算金の予算額を登記することによってその効力を保存する。ただし、清算金の額がその予算額を超過するときは、その超過額については存在しない。
3第一項の先取特権は、不動産工事の先取特権とみなし、前項本文の規定に従ってした登記は、民法(明治二十九年法律第八十九号)第三百三十八条第一項前段の規定に従ってした登記とみなす。
(施行者が取得した権利の処分)
第八十九条マンション建替事業により施行者が取得した施行再建マンションの区分所有権及び敷地利用権又は保留敷地に関する権利は、施行マンションの区分所有権若しくは敷地利用権を有していた者又は施行マンションについて借家権を有していた者の居住又は業務の用に供するため特に必要がある場合を除き、原則として、公募により譲渡しなければならない。
第二款 借家権者等の居住の安定の確保に関する施行者等の責務
第九十条施行者は、基本方針に従って、施行マンションに居住していた借家権者及び転出区分所有者の居住の安定の確保に努めなければならない。
2国及び地方公共団体は、基本方針に従って、施行マンションに居住していた借家権者及び転出区分所有者の居住の安定の確保を図るため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
第三款 雑則
(処分、手続等の効力)
第九十一条施行マンション若しくはその敷地(隣接施行敷地を含む。)又は施行再建マンション若しくはその敷地について権利を有する者の変更があったときは、この法律又はこの法律に基づく定款、規準若しくは規約の規定により従前のこれらの者がした手続その他の行為は、新たにこれらの者となった者がしたものとみなし、従前のこれらの者に対してした処分、手続その他の行為は、新たにこれらの者となった者に対してしたものとみなす。
(代位による分筆又は合筆の登記の申請)
第九十二条施行者は、マンション建替事業の施行のために必要があるときは、所有者に代わって分筆又は合筆の登記を申請することができる。
(不動産登記法の特例)
第九十三条施行マンション及び施行再建マンション並びにこれらの敷地の登記については、政令で、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)の特例を定めることができる。
(施行者による管理規約の設定)
第九十四条施行者は、政令で定めるところにより、都道府県知事等の認可を受け、施行再建マンション、その敷地及びその附属の建物(マンション建替事業の施行により建築されるものに限る。)の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項につき、管理規約を定めることができる。
2前項の管理規約は、区分所有法第三十条第一項の規約とみなす。
3施行者は、政令で定めるところにより、都道府県知事等の認可を受け、施行再建マンションに係る区分所有法第六十六条に規定する土地等又は区分所有法第六十八条第一項各号に掲げる物(附属施設にあっては、マンション建替事業の施行により建設されたものに限る。)の管理又は使用に関する団地建物所有者相互間の事項につき、管理規約を定めることができる。
4前項の管理規約は、区分所有法第六十六条において準用する区分所有法第三十条第一項の規約とみなす。
(関係簿書の備付け)
第九十五条施行者は、国土交通省令で定めるところにより、マンション建替事業に関する簿書(組合にあっては、組合員名簿を含む。次項において同じ。)をその事務所に備え付けておかなければならない。
2利害関係者から前項の簿書の閲覧の請求があったときは、施行者は、正当な理由がない限り、これを拒んではならない。
(書類の送付に代わる公告)
第九十六条施行者は、マンション建替事業の施行に関し書類を送付する場合において、送付を受けるべき者がその書類の受領を拒んだとき、又は過失がなくて、その者の住所、居所その他書類を送付すべき場所を確知することができないときは、政令で定めるところにより、その書類の内容を公告することをもって書類の送付に代えることができる。
2前項の公告があったときは、その公告の日の翌日から起算して十日を経過した日に当該書類が送付を受けるべき者に到達したものとみなす。
第三節 マンション建替事業の監督等
(報告、勧告等)
第九十七条都道府県知事又は市町村長は、組合又は個人施行者に対し、その施行するマンション建替事業に関し、この法律(次章を除く。以下この節において同じ。)の施行のため必要な限度において、報告若しくは資料の提出を求め、又はその施行するマンション建替事業の円滑な施行を図るため必要な勧告、助言若しくは援助をすることができる。
2都道府県知事等は、組合又は個人施行者に対し、マンション建替事業の施行の促進を図るため必要な措置を命ずることができる。
(組合に対する監督)
第九十八条都道府県知事等は、組合の施行するマンション建替事業につき、その事業又は会計がこの法律若しくはこれに基づく行政庁の処分又は定款、事業計画若しくは権利変換計画に違反すると認めるときその他監督上必要があるときは、その組合の事業又は会計の状況を検査することができる。
2都道府県知事等は、組合の組合員が総組合員の十分の一以上の同意を得て、その組合の事業又は会計がこの法律若しくはこれに基づく行政庁の処分又は定款、事業計画若しくは権利変換計画に違反する疑いがあることを理由として組合の事業又は会計の状況の検査を請求したときは、その組合の事業又は会計の状況を検査しなければならない。
3都道府県知事等は、前二項の規定により検査を行った場合において、組合の事業又は会計がこの法律若しくはこれに基づく行政庁の処分又は定款、事業計画若しくは権利変換計画に違反していると認めるときは、組合に対し、その違反を是正するため必要な限度において、組合のした処分の取消し、変更若しくは停止又は組合のした工事の中止若しくは変更その他必要な措置を命ずることができる。
4都道府県知事等は、組合が前項の規定による命令に従わないとき、又は組合の設立についての認可を受けた者がその認可の公告があった日から起算して三十日を経過してもなお総会を招集しないときは、権利変換期日前に限り、その組合についての設立の認可を取り消すことができる。
5都道府県知事等は、第二十八条第三項の規定により組合員から総会の招集の請求があった場合において、理事長及び監事が総会を招集しないときは、これらの組合員の申出に基づき、総会を招集しなければならない。第三十一条第四項において準用する第二十八条第三項の規定により総代から総代会の招集の請求があった場合において、理事長及び監事が総代会を招集しないときも、同様とする。
6都道府県知事等は、第二十三条第一項の規定により組合員から理事又は監事の解任の請求があった場合において、組合がこれを組合員の投票に付さないときは、これらの組合員の申出に基づき、これを組合員の投票に付さなければならない。第三十二条第三項において準用する第二十三条第一項の規定により、組合員から総代の解任の請求があった場合において、組合がこれを組合員の投票に付さないときも、同様とする。
7都道府県知事等は、組合の組合員が総組合員の十分の一以上の同意を得て、総会若しくは総代会の招集手続若しくは議決の方法又は役員若しくは総代の選挙若しくは解任の投票の方法が、この法律又は定款に違反することを理由として、その議決、選挙、当選又は解任の投票の取消しを請求した場合において、その違反の事実があると認めるときは、その議決、選挙、当選又は解任の投票を取り消すことができる。
(個人施行者に対する監督)
第九十九条都道府県知事等は、個人施行者の施行するマンション建替事業につき、その事業又は会計がこの法律若しくはこれに基づく行政庁の処分又は規準、規約、事業計画若しくは権利変換計画に違反すると認めるときその他監督上必要があるときは、その事業又は会計の状況を検査し、その結果、違反の事実があると認めるときは、その施行者に対し、その違反を是正するため必要な限度において、その施行者のした処分の取消し、変更若しくは停止又はその施行者のした工事の中止若しくは変更その他必要な措置を命ずることができる。
2都道府県知事等は、個人施行者が前項の規定による命令に従わないときは、権利変換期日前に限り、その施行者に対するマンション建替事業の施行についての認可を取り消すことができる。
3都道府県知事等は、前項の規定により認可を取り消したときは、遅滞なく、その旨を公告しなければならない。
4個人施行者は、前項の公告があるまでは、認可の取消しによるマンション建替事業の廃止をもって第三者に対抗することができない。
(資金の融通等)
第百条国及び地方公共団体は、施行者に対し、マンション建替事業に必要な資金の融通又はあっせんその他の援助に努めるものとする。
(技術的援助の請求)
第百一条組合、組合を設立しようとする者、個人施行者又は個人施行者となろうとする者は、国土交通大臣、都道府県知事及び市町村長に対し、マンション建替事業の施行の準備又は施行のために、それぞれマンション建替事業に関し専門的知識を有する職員の技術的援助を求めることができる。
2都道府県知事及び市町村長は、前項の規定による技術的援助を行うために必要があると認めるときは、マンションの管理の適正化の推進に関する法律第九十一条に規定するマンション管理適正化推進センター(以下「センター」という。)に必要な協力を要請することができる。

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