宅建業法第5章第1節 業務・通則

(宅地建物取引業者の業務処理の原則)
第三十一条宅地建物取引業者は、取引の関係者に対し、信義を旨とし、誠実にその業務を行なわなければならない。
2宅地建物取引業者は、第五十条の二第一項に規定する取引一任代理等を行うに当たつては、投機的取引の抑制が図られるよう配慮しなければならない。
(従業者の教育)
第三十一条の二宅地建物取引業者は、その従業者に対し、その業務を適正に実施させるため、必要な教育を行うよう努めなければならない。

(宅地建物取引士の設置)
第三十一条の三宅地建物取引業者は、その事務所その他国土交通省令で定める場所(以下この条及び第五十条第一項において「事務所等」という。)ごとに、事務所等の規模、業務内容等を考慮して国土交通省令で定める数の成年者である専任の宅地建物取引士を置かなければならない。
2前項の場合において、宅地建物取引業者(法人である場合においては、その役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいう。))が宅地建物取引士であるときは、その者が自ら主として業務に従事する事務所等については、その者は、その事務所等に置かれる成年者である専任の宅地建物取引士とみなす。
3宅地建物取引業者は、第一項の規定に抵触する事務所等を開設してはならず、既存の事務所等が同項の規定に抵触するに至つたときは、二週間以内に、同項の規定に適合させるため必要な措置を執らなければならない。

第三十二条(誇大広告等の禁止)

宅地建物取引業者は、その業務に関して広告をするときは、当該広告に係る宅地又は建物の「所在、規模、形質」「現在・将来の利用の制限、環境、交通その他の利便」「代金、借賃等の対価の額・支払方法」「代金・交換差金に関する金銭の貸借のあつせん」について、著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良・有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。

(広告の開始時期の制限)
第三十三条宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前においては、当該工事に関し必要とされる都市計画法第二十九条第一項又は第二項の許可、建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第六条第一項の確認その他法令に基づく許可等の処分で政令で定めるものがあつた後でなければ、当該工事に係る宅地又は建物の売買その他の業務に関する広告をしてはならない。
(自己の所有に属しない宅地又は建物の売買契約締結の制限)
第三十三条の二宅地建物取引業者は、自己の所有に属しない宅地又は建物について、自ら売主となる売買契約(予約を含む。)を締結してはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
一宅地建物取引業者が当該宅地又は建物を取得する契約(予約を含み、その効力の発生が条件に係るものを除く。)を締結しているときその他宅地建物取引業者が当該宅地又は建物を取得できることが明らかな場合で国土交通省令・内閣府令で定めるとき。
二当該宅地又は建物の売買が第四十一条第一項に規定する売買に該当する場合で当該売買に関して同項第一号又は第二号に掲げる措置が講じられているとき。
(取引態様の明示)
第三十四条宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買、交換又は貸借に関する広告をするときは、自己が契約の当事者となつて当該売買若しくは交換を成立させるか、代理人として当該売買、交換若しくは貸借を成立させるか、又は媒介して当該売買、交換若しくは貸借を成立させるかの別(次項において「取引態様の別」という。)を明示しなければならない。
2宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買、交換又は貸借に関する注文を受けたときは、遅滞なく、その注文をした者に対し、取引態様の別を明らかにしなければならない。

第三十四条の二(媒介契約)

第三十四条の三(代理契約)

前条の規定は、宅地建物取引業者に宅地又は建物の売買又は交換の代理を依頼する契約について準用する。

第三十五条(重要事項の説明等)

第三十五条の二(供託所等に関する説明)


宅地建物取引業者は、宅地建物取引業者の相手方等(宅地建物取引業者に該当する者を除く。)に対して、当該売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、当該宅地建物取引業者が第六十四条の二第一項の規定により指定を受けた一般社団法人の社員でないときは第一号に掲げる事項について、当該宅地建物取引業者が同項の規定により指定を受けた一般社団法人の社員であるときは、第六十四条の八第一項の規定により国土交通大臣の指定する弁済業務開始日前においては第一号及び第二号に掲げる事項について、当該弁済業務開始日以後においては第二号に掲げる事項について説明をするようにしなければならない。
一営業保証金を供託した主たる事務所の最寄りの供託所及びその所在地
二社員である旨、当該一般社団法人の名称、住所及び事務所の所在地並びに第六十四条の七第二項の供託所及びその所在地

第三十六条(契約締結等の時期の制限)

宅地建物取引業者は、宅地の造成・建物の建築に関する工事の完了前においては、工事に関し必要とされる開発許可、建築確認その他法令に基づく許可等の処分があった後でなければ、その売買・交換の媒介をしてはならない

第三十七条(書面の交付)

第三十七条の二(事務所等以外の場所においてした買受けの申込みの撤回等)


宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地又は建物の売買契約について、当該宅地建物取引業者の事務所その他国土交通省令・内閣府令で定める場所(以下この条において「事務所等」という。)以外の場所において、当該宅地又は建物の買受けの申込みをした者又は売買契約を締結した買主(事務所等において買受けの申込みをし、事務所等以外の場所において売買契約を締結した買主を除く。)は、次に掲げる場合を除き、書面により、当該買受けの申込みの撤回又は当該売買契約の解除(以下この条において「申込みの撤回等」という。)を行うことができる。この場合において、宅地建物取引業者は、申込みの撤回等に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができない。
一買受けの申込みをした者又は買主(以下この条において「申込者等」という。)が、国土交通省令・内閣府令の定めるところにより、申込みの撤回等を行うことができる旨及びその申込みの撤回等を行う場合の方法について告げられた場合において、その告げられた日から起算して八日を経過したとき。
二申込者等が、当該宅地又は建物の引渡しを受け、かつ、その代金の全部を支払つたとき。
2申込みの撤回等は、申込者等が前項前段の書面を発した時に、その効力を生ずる。
3申込みの撤回等が行われた場合においては、宅地建物取引業者は、申込者等に対し、速やかに、買受けの申込み又は売買契約の締結に際し受領した手付金その他の金銭を返還しなければならない。
4前三項の規定に反する特約で申込者等に不利なものは、無効とする。

第三十八条(損害賠償額の予定等の制限)


宅地建物取引業者がみずから売主となる宅地又は建物の売買契約において、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定めるときは、これらを合算した額が代金の額の十分の二をこえることとなる定めをしてはならない。
2前項の規定に反する特約は、代金の額の十分の二をこえる部分について、無効とする。

第三十九条(手付の額の制限等)


宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約の締結に際して、代金の額の十分の二を超える額の手付を受領することができない。
2宅地建物取引業者が、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約の締結に際して手付を受領したときは、その手付がいかなる性質のものであつても、買主はその手付を放棄して、当該宅地建物取引業者はその倍額を現実に提供して、契約の解除をすることができる。ただし、その相手方が契約の履行に着手した後は、この限りでない。
3前項の規定に反する特約で、買主に不利なものは、無効とする。

第四十条(担保責任についての特約の制限)

1 宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地建物の売買契約における契約不適合責任に関し、民法第566条に規定する期間について「その目的物の引渡しの日から2年以上となる」特約をする場合を除き、買主に不利となる特約をしてはならない。
2前項の規定に反する特約は、無効とする。

(手付金等の保全)
第四十一条宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建築に関する工事の完了前において行う当該工事に係る宅地又は建物の売買で自ら売主となるものに関しては、次の各号のいずれかに掲げる措置を講じた後でなければ、買主から手付金等(代金の全部又は一部として授受される金銭及び手付金その他の名義をもつて授受される金銭で代金に充当されるものであつて、契約の締結の日以後当該宅地又は建物の引渡し前に支払われるものをいう。以下同じ。)を受領してはならない。ただし、当該宅地若しくは建物について買主への所有権移転の登記がされたとき、買主が所有権の登記をしたとき、又は当該宅地建物取引業者が受領しようとする手付金等の額(既に受領した手付金等があるときは、その額を加えた額)が代金の額の百分の五以下であり、かつ、宅地建物取引業者の取引の実情及びその取引の相手方の利益の保護を考慮して政令で定める額以下であるときは、この限りでない。
一銀行その他政令で定める金融機関又は国土交通大臣が指定する者(以下この条において「銀行等」という。)との間において、宅地建物取引業者が受領した手付金等の返還債務を負うこととなつた場合において当該銀行等がその債務を連帯して保証することを委託する契約(以下「保証委託契約」という。)を締結し、かつ、当該保証委託契約に基づいて当該銀行等が手付金等の返還債務を連帯して保証することを約する書面を買主に交付すること。
二保険事業者(保険業法(平成七年法律第百五号)第三条第一項又は第百八十五条第一項の免許を受けて保険業を行う者をいう。以下この号において同じ。)との間において、宅地建物取引業者が受領した手付金等の返還債務の不履行により買主に生じた損害のうち少なくとも当該返還債務の不履行に係る手付金等の額に相当する部分を当該保険事業者がうめることを約する保証保険契約を締結し、かつ、保険証券又はこれに代わるべき書面を買主に交付すること。
2前項第一号の規定による保証委託契約は、銀行等が次の各号に掲げる要件に適合する保証契約を買主との間において成立させることを内容とするものでなければならない。
一保証債務が、少なくとも宅地建物取引業者が受領した手付金等の返還債務の全部を保証するものであること。
二保証すべき手付金等の返還債務が、少なくとも宅地建物取引業者が受領した手付金等に係る宅地又は建物の引渡しまでに生じたものであること。
3第一項第二号の規定による保証保険契約は、次の各号に掲げる要件に適合するものでなければならない。
一保険金額が、宅地建物取引業者が受領しようとする手付金等の額(既に受領した手付金等があるときは、その額を加えた額)に相当する金額であること。
二保険期間が、少なくとも保証保険契約が成立した時から宅地建物取引業者が受領した手付金等に係る宅地又は建物の引渡しまでの期間であること。
4宅地建物取引業者が、第一項に規定する宅地又は建物の売買を行う場合(同項ただし書に該当する場合を除く。)において、同項第一号又は第二号に掲げる措置を講じないときは、買主は、手付金等を支払わないことができる。
5宅地建物取引業者は、次の各号に掲げる措置に代えて、政令で定めるところにより、第一項に規定する買主の承諾を得て、電磁的方法であつて当該各号に掲げる措置に準ずるものとして国土交通省令・内閣府令で定めるものを講じることができる。この場合において、当該国土交通省令・内閣府令で定める措置を講じた者は、当該各号に掲げる措置を講じたものとみなす。
一第一項第一号に掲げる措置のうち、当該保証委託契約に基づいて当該銀行等が手付金等の返還債務を連帯して保証することを約する書面を買主に交付する措置
二第一項第二号に掲げる措置のうち、保険証券に代わるべき書面を買主に交付する措置
第四十一条の二宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買(前条第一項に規定する売買を除く。)に関しては、同項第一号若しくは第二号に掲げる措置を講じた後又は次の各号に掲げる措置をいずれも講じた後でなければ、買主から手付金等を受領してはならない。ただし、当該宅地若しくは建物について買主への所有権移転の登記がされたとき、買主が所有権の登記をしたとき、又は当該宅地建物取引業者が受領しようとする手付金等の額(既に受領した手付金等があるときは、その額を加えた額)が代金の額の十分の一以下であり、かつ、宅地建物取引業者の取引の実情及びその取引の相手方の利益の保護を考慮して政令で定める額以下であるときは、この限りでない。
一国土交通大臣が指定する者(以下「指定保管機関」という。)との間において、宅地建物取引業者が自己に代理して当該指定保管機関に当該手付金等を受領させることとするとともに、当該指定保管機関が、当該宅地建物取引業者が受領した手付金等の額に相当する額の金銭を保管することを約する契約(以下「手付金等寄託契約」という。)を締結し、かつ、当該手付金等寄託契約を証する書面を買主に交付すること。
二買主との間において、買主が宅地建物取引業者に対して有することとなる手付金等の返還を目的とする債権の担保として、手付金等寄託契約に基づく寄託金の返還を目的とする債権について質権を設定する契約(以下「質権設定契約」という。)を締結し、かつ、当該質権設定契約を証する書面を買主に交付し、及び当該質権設定契約による質権の設定を民法第四百六十七条の規定による確定日付のある証書をもつて指定保管機関に通知すること。
2前項第一号の規定による手付金等寄託契約は、次の各号に掲げる要件に適合するものでなければならない。
一保管される金額が、宅地建物取引業者が受領しようとする手付金等の額(既に受領した手付金等で指定保管機関に保管されていないものがあるときは、その保管されていないものの額を加えた額)に相当する金額であること。
二保管期間が、少なくとも指定保管機関が宅地建物取引業者に代理して手付金等を受領した時から当該手付金等に係る宅地又は建物の引渡しまでの期間であること。
3第一項第二号の規定による質権設定契約は、設定される質権の存続期間が、少なくとも当該質権が設定された時から宅地建物取引業者が受領した手付金等に係る宅地又は建物の引渡しまでの期間であるものでなければならない。
4宅地建物取引業者は、第一項各号に掲げる措置を講ずる場合において、既に自ら手付金等を受領しているときは、自ら受領した手付金等の額に相当する額(既に指定保管機関が保管する金銭があるときは、その額を除いた額)の金銭を、買主が手付金等の支払をする前に、指定保管機関に交付しなければならない。
5宅地建物取引業者が、第一項に規定する宅地又は建物の売買を行う場合(同項ただし書に該当する場合を除く。)において、前条第一項第一号若しくは第二号に掲げる措置を講じないとき、第一項各号の一に掲げる措置を講じないとき、又は前項の規定による金銭の交付をしないときは、買主は、手付金等を支払わないことができる。
6宅地建物取引業者は、次の各号に掲げる措置に代えて、政令で定めるところにより、第一項に規定する買主の承諾を得て、電磁的方法であつて当該各号に掲げる措置に準ずるものとして国土交通省令・内閣府令で定めるものを講じることができる。この場合において、当該国土交通省令・内閣府令で定める措置を講じた者は、当該各号に掲げる措置を講じたものとみなす。
一第一項第一号に掲げる措置のうち、当該手付金等寄託契約を証する書面を買主に交付する措置
二第一項第二号に掲げる措置のうち、当該質権設定契約を証する書面を買主に交付する措置
(宅地又は建物の割賦販売の契約の解除等の制限)
第四十二条宅地建物取引業者は、みずから売主となる宅地又は建物の割賦販売の契約について賦払金の支払の義務が履行されない場合においては、三十日以上の相当の期間を定めてその支払を書面で催告し、その期間内にその義務が履行されないときでなければ、賦払金の支払の遅滞を理由として、契約を解除し、又は支払時期の到来していない賦払金の支払を請求することができない。
2前項の規定に反する特約は、無効とする。
(所有権留保等の禁止)
第四十三条宅地建物取引業者は、みずから売主として宅地又は建物の割賦販売を行なつた場合には、当該割賦販売に係る宅地又は建物を買主に引き渡すまで(当該宅地又は建物を引き渡すまでに代金の額の十分の三をこえる額の金銭の支払を受けていない場合にあつては、代金の額の十分の三をこえる額の金銭の支払を受けるまで)に、登記その他引渡し以外の売主の義務を履行しなければならない。ただし、買主が、当該宅地又は建物につき所有権の登記をした後の代金債務について、これを担保するための抵当権若しくは不動産売買の先取特権の登記を申請し、又はこれを保証する保証人を立てる見込みがないときは、この限りでない。
2宅地建物取引業者は、みずから売主として宅地又は建物の割賦販売を行なつた場合において、当該割賦販売に係る宅地又は建物を買主に引き渡し、かつ、代金の額の十分の三をこえる額の金銭の支払を受けた後は、担保の目的で当該宅地又は建物を譲り受けてはならない。
3宅地建物取引業者は、みずから売主として宅地又は建物の売買を行なつた場合において、代金の全部又は一部に充てるための買主の金銭の借入れで、当該宅地又は建物の引渡し後一年以上の期間にわたり、かつ、二回以上に分割して返還することを条件とするものに係る債務を保証したときは、当該宅地又は建物を買主に引き渡すまで(当該宅地又は建物を引き渡すまでに受領した代金の額から当該保証に係る債務で当該宅地又は建物を引き渡すまでに弁済されていないものの額を控除した額が代金の額の十分の三をこえていない場合にあつては、受領した代金の額から当該保証に係る債務で弁済されていないものの額を控除した額が代金の額の十分の三をこえるまで)に、登記その他引渡し以外の売主の義務を履行しなければならない。ただし、宅地建物取引業者が当該保証債務を履行した場合に取得する求償権及び当該宅地又は建物につき買主が所有権の登記をした後の代金債権について、買主が、これを担保するための抵当権若しくは不動産売買の先取特権の登記を申請し、又はこれを保証する保証人を立てる見込みがないときは、この限りでない。
4宅地建物取引業者は、みずから売主として宅地又は建物の売買を行なつた場合において、当該宅地又は建物の代金の全部又は一部に充てるための買主の金銭の借入れで、当該宅地又は建物の引渡し後一年以上の期間にわたり、かつ、二回以上に分割して返還することを条件とするものに係る債務を保証したときは、当該売買に係る宅地又は建物を買主に引き渡し、かつ、受領した代金の額から当該保証に係る債務で弁済されていないものの額を控除した額が代金の額の十分の三をこえる額の金銭の支払を受けた後は、担保の目的で当該宅地又は建物を譲り受けてはならない。
(不当な履行遅延の禁止)
第四十四条宅地建物取引業者は、その業務に関してなすべき宅地若しくは建物の登記若しくは引渡し又は取引に係る対価の支払を不当に遅延する行為をしてはならない。
(秘密を守る義務)
第四十五条宅地建物取引業者は、正当な理由がある場合でなければ、その業務上取り扱つたことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。宅地建物取引業を営まなくなつた後であつても、また同様とする。
(報酬)
第四十六条宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関して受けることのできる報酬の額は、国土交通大臣の定めるところによる。
2宅地建物取引業者は、前項の額をこえて報酬を受けてはならない。
3国土交通大臣は、第一項の報酬の額を定めたときは、これを告示しなければならない。
4宅地建物取引業者は、その事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、第一項の規定により国土交通大臣が定めた報酬の額を掲示しなければならない。
(業務に関する禁止事項)
第四十七条宅地建物取引業者は、その業務に関して、宅地建物取引業者の相手方等に対し、次に掲げる行為をしてはならない。
一宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の契約の締結について勧誘をするに際し、又はその契約の申込みの撤回若しくは解除若しくは宅地建物取引業に関する取引により生じた債権の行使を妨げるため、次のいずれかに該当する事項について、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為
イ第三十五条第一項各号又は第二項各号に掲げる事項
ロ第三十五条の二各号に掲げる事項
ハ第三十七条第一項各号又は第二項各号(第一号を除く。)に掲げる事項
ニイからハまでに掲げるもののほか、宅地若しくは建物の所在、規模、形質、現在若しくは将来の利用の制限、環境、交通等の利便、代金、借賃等の対価の額若しくは支払方法その他の取引条件又は当該宅地建物取引業者若しくは取引の関係者の資力若しくは信用に関する事項であつて、宅地建物取引業者の相手方等の判断に重要な影響を及ぼすこととなるもの
二不当に高額の報酬を要求する行為
三手付について貸付けその他信用の供与をすることにより契約の締結を誘引する行為
第四十七条の二宅地建物取引業者又はその代理人、使用人その他の従業者(以下この条において「宅地建物取引業者等」という。)は、宅地建物取引業に係る契約の締結の勧誘をするに際し、宅地建物取引業者の相手方等に対し、利益を生ずることが確実であると誤解させるべき断定的判断を提供する行為をしてはならない。
2宅地建物取引業者等は、宅地建物取引業に係る契約を締結させ、又は宅地建物取引業に係る契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、宅地建物取引業者の相手方等を威迫してはならない。
3宅地建物取引業者等は、前二項に定めるもののほか、宅地建物取引業に係る契約の締結に関する行為又は申込みの撤回若しくは解除の妨げに関する行為であつて、第三十五条第一項第十四号イに規定する宅地建物取引業者の相手方等の利益の保護に欠けるものとして国土交通省令・内閣府令で定めるもの及びその他の宅地建物取引業者の相手方等の利益の保護に欠けるものとして国土交通省令で定めるものをしてはならない。
(宅地建物取引業の業務に関し行つた行為の取消しの制限)
第四十七条の三宅地建物取引業者(個人に限り、未成年者を除く。)が宅地建物取引業の業務に関し行つた行為は、行為能力の制限によつては取り消すことができない。
(証明書の携帯等)
第四十八条宅地建物取引業者は、国土交通省令の定めるところにより、従業者に、その従業者であることを証する証明書を携帯させなければ、その者をその業務に従事させてはならない。
2従業者は、取引の関係者の請求があつたときは、前項の証明書を提示しなければならない。
3宅地建物取引業者は、国土交通省令で定めるところにより、その事務所ごとに、従業者名簿を備え、従業者の氏名、第一項の証明書の番号その他国土交通省令で定める事項を記載しなければならない。
4宅地建物取引業者は、取引の関係者から請求があつたときは、前項の従業者名簿をその者の閲覧に供しなければならない。
(帳簿の備付け)
第四十九条宅地建物取引業者は、国土交通省令の定めるところにより、その事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備え、宅地建物取引業に関し取引のあつたつど、その年月日、その取引に係る宅地又は建物の所在及び面積その他国土交通省令で定める事項を記載しなければならない。
(標識の掲示等)
第五十条宅地建物取引業者は、事務所等及び事務所等以外の国土交通省令で定めるその業務を行う場所ごとに、公衆の見やすい場所に、国土交通省令で定める標識を掲げなければならない。
2宅地建物取引業者は、国土交通省令の定めるところにより、あらかじめ、第三十一条の三第一項の国土交通省令で定める場所について所在地、業務内容、業務を行う期間及び専任の宅地建物取引士の氏名を免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事及びその所在地を管轄する都道府県知事に届け出なければならない。
(取引一任代理等に係る特例)
第五十条の二宅地建物取引業者が、宅地又は建物の売買、交換又は貸借に係る判断の全部又は一部を次に掲げる契約により一任されるとともに当該判断に基づきこれらの取引の代理又は媒介を行うこと(以下「取引一任代理等」という。)について、あらかじめ、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣の認可を受けたときは、第三十四条の二及び第三十四条の三の規定は、当該宅地建物取引業者が行う取引一任代理等については、適用しない。
一当該宅地建物取引業者が金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二十九条の登録(同法第二十八条第四項に規定する投資運用業の種別に係るものに限る。)を受けて次のイ又はロに掲げる者と締結する当該イ又はロに定める契約
イ当該宅地建物取引業者がその運用の指図を行う委託者指図型投資信託(投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第二条第一項に規定する委託者指図型投資信託をいう。)の信託財産の受託会社(同法第九条に規定する受託会社をいう。)同法第三条に規定する投資信託契約
ロ当該宅地建物取引業者がその資産の運用を行う投資法人(投資信託及び投資法人に関する法律第二条第十二項に規定する投資法人をいう。)同法第百八十八条第一項第四号に規定する委託契約
二当該宅地建物取引業者が次のイ又はロに掲げる規定に基づき宅地又は建物の売買、交換又は賃貸に係る業務を受託する場合における当該業務を委託する当該イ又はロに定める者と締結する当該業務の委託に関する契約
イ資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第二百三条同法第二条第三項に規定する特定目的会社
ロ資産の流動化に関する法律第二百八十四条第二項同法第二条第十六項に規定する受託信託会社等
三当該宅地建物取引業者が不動産特定共同事業法(平成六年法律第七十七号)第三条第一項の許可(同法第二条第四項第三号に掲げる行為に係る事業に係るものに限る。)を受けて当該宅地建物取引業者に係る同法第二十六条の二第一号に規定する委託特例事業者と締結する業務の委託に関する契約
2前項の認可を受けた宅地建物取引業者(以下「認可宅地建物取引業者」という。)が取引一任代理等を行う場合には、当該取引一任代理等に係る前項各号に掲げる契約の相手方に対しては、次の各号に掲げる規定にかかわらず、当該各号に定める行為をすることを要しない。
一第三十五条第一項同項に規定する書面の交付及び説明
二第三十五条第二項同項に規定する書面の交付及び説明
三第三十五条の二同条に規定する説明
四第三十七条第二項同項に規定する書面の交付
(認可の条件)
第五十条の二の二国土交通大臣は、前条第一項の認可に条件を付し、及びこれを変更することができる。
2前項の条件は、宅地及び建物の取引の公正を確保するため必要な最小限度のものに限り、かつ、当該認可を受ける者に不当な義務を課することとならないものでなければならない。
(認可の基準等)
第五十条の二の三国土交通大臣は、第五十条の二第一項の認可を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当するときは、認可をしてはならない。
一その行おうとする取引一任代理等を健全に遂行するに足りる財産的基礎を有しないこと。
二その営む業務の収支の見込みが良好でなく、取引一任代理等の公正を害するおそれがあること。
三その行おうとする取引一任代理等を公正かつ的確に遂行することができる知識及び経験を有しないこと。
2国土交通大臣は、第五十条の二第一項の認可をしない場合においては、その理由を付した書面をもつて、申請者にその旨を通知しなければならない。
3国土交通大臣は、第五十条の二第一項の認可をした場合であつて、当該宅地建物取引業者が都道府県知事の免許を受けたものであるときは、遅滞なく、その旨を当該都道府県知事に通知しなければならない。
(不動産信託受益権等の売買等に係る特例)
第五十条の二の四金融商品取引業者(金融商品取引法第二条第九項に規定する金融商品取引業者をいう。)、金融商品仲介業者(同条第十二項に規定する金融商品仲介業者をいう。)又は金融サービス仲介業者(金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律(平成十二年法律第百一号)第十一条第六項に規定する金融サービス仲介業者をいい、同条第四項に規定する有価証券等仲介業務の種別に係る同法第十二条の登録を受けているものに限る。)である宅地建物取引業者が、宅地若しくは建物に係る信託の受益権又は当該受益権に対する投資事業に係る組合契約(民法第六百六十七条第一項に規定する組合契約をいう。)、匿名組合契約(商法(明治三十二年法律第四十八号)第五百三十五条に規定する匿名組合契約をいう。)若しくは投資事業有限責任組合契約(投資事業有限責任組合契約に関する法律(平成十年法律第九十号)第三条第一項に規定する投資事業有限責任組合契約をいう。)に基づく権利(以下この条において「不動産信託受益権等」という。)の売主となる場合(暗号等資産(金融商品取引法第二条第二十四項第三号の二に規定する暗号等資産をいう。以下この条において同じ。)を対価とする譲渡をする場合を含む。)又は不動産信託受益権等の売買(暗号等資産を対価とする譲渡又は譲受けを含む。)の代理若しくは媒介をする場合においては、これを当該宅地建物取引業者が宅地又は建物に係る信託(当該宅地建物取引業者を委託者とするものに限る。)の受益権の売主となる場合とみなして第三十五条第三項から第五項まで及び第八項の規定を適用する。この場合において、同条第三項本文中「売買の相手方に対して」とあるのは「売買の相手方又は代理を依頼した者若しくは媒介に係る売買の各当事者(以下「不動産信託受益権売買等の相手方」という。)に対して」と、「信託の受益権に係る」とあるのは「第五十条の二の四に規定する不動産信託受益権等に係る」と、同項ただし書中「売買の相手方」とあり、同項第七号中「信託の受益権の売買の相手方」とあり、及び同条第八項中「第三項に規定する売買の相手方」とあるのは「不動産信託受益権売買等の相手方」とする。

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