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2日間かけて、数時間、森の中で過ごしました。
五感を研ぎ澄ませて感じる時間。

その体験を、ただただ書きつらねてみる。。。

1日目は、森を感じることに集中。考えない。
うつぶせに寝転がって地面から森を眺めていると、ふと怖くなった。
立ち並ぶ木々が、こっちを見ているようで、迫ってくるようで、あわてて目を背けた。
恐怖なのか、後ろめたさなのか、見られている感覚、何なのかはわからなかった。。。
きっとそのうち、ふとしたことで気づくのかな。

地面の落ち葉を見つめていたら、
今度は、目の前の落ち葉にハエがやってきた。
彼は、落ち葉を食べるでもなく、触覚のお掃除をするでもなく、しばらくそこにいた。時折、首をかしげつつ。
もしかして彼は、ぼくに話しかけているのか? 聞こえない声で何か言ってるのか? と感じていると、いつのまにか眠りについていた。。。(彼にラリホーを唱えられたか?)

目が覚めて、明るい空を見上げると、広葉樹の葉が視界一杯に広がっていることに気づく。じ~~~っと眺めていると、広葉樹の葉が生き物のようにうねうねし始めて、自分の意志で動かしているような感覚になる。

ひとしきりうねうねさせた後、視線を落とすと、目の前の2本の木に目が留まる。直径十数センチ。裸足になってその木まで歩み寄り、少し曲がった部分に足をかけてみる。少しだけ木登り。そのまま、木に背中をあずけると、思ってたのとは逆に、木が背中に吸い付く感じ。
これイイ。
さらに体重をあずけて、ゆらゆら。
これイイ。

そういえば、ぼ〜〜〜っとしているのに焦りを感じないことに気づく。普段の休日、家で何もしていないと、焦りや不安を感じていたが、森で過ごす時間はとても心地よく穏やかな時間となった。自分を許せたような、何かから解放されたような、そんな感覚だった。


2日目は別の森に入り、自分に目を向けてみる。
体のことを感じてみると、ちょっとおなかがすいてるかな。
痛いところもかゆいところもない。

心を感じることに専念。

前日はすぐに見つかった、自分が落ち着ける場。
この日はなんだか落ち着かず、しばらく彷徨う。立ち尽くす。ここじゃない。でもわからない。。。
しょうがないからその場に座る。
目の前の倒木に生えている苔を触ってみると、カサカサ。湿ってると思ってたんだけどなぁ。

そして上を見上げると、前日と同じぐらい、広葉樹の葉が視界を覆いつくす。風で揺れてる葉、パラパラヒラヒラと落ちていく葉、木の実が落ちる音。森全体でにぎやかに音楽を奏でてくれている感じ。こちらに話しかけて歓迎してくれている感じ。
落ちている葉が、途中、枝に引っかかる様子を見て、ん? ってなんだか気になったけど、それが何かはわからない。
そのままウトウト。
ハッと目が覚めた時に見えた森は、先ほどとはうってかわって微動だにしない。まるで静止画。

なんで???

さっきはあんなに歓迎してくれたのに、いまは完全に無視されているかのようで、この日も怖さを感じた。
いたたまれなくなり、立ち上がって別の場所に移動しようと考えるも、いまのままが楽でいいかなぁ、としばらく立ち尽くす。
あれ? 普段も、目の前に転がっている楽なほうを選ぶことが多いよね、おれ。そっちでいいんだっけ?
やりたいことを目指すなら、険しい道でも突き進むんじゃねぇの?
しばらく仁王立ちのまま悩む。。。

でもやっぱり答えは明白だよね、おれ。
険しい道を楽しみながら、やりたいことを目指すほうがいいに決まってる!!
帽子をかぶり、手袋をし、目の前の険しい道を選びながら
どんどん進む! どんどん楽しくなる!!
どんどん心が躍る!!!

あ、下見の時に諦めた、あっちの崖の上の藪に突っ込んでみよう。
崖をどんどん登る。どんどん登る。楽しさを感じながらどんどん突き進む。
崖の中腹で、目の前の木に目が留まる。
あ、これ、登りたいやつだ。
突き進む楽しさと、木に登りたい衝動。
前日に感じた木の感触を思い出し、木に登る。
木に座る。
弾力のある木。
少し体重移動すると、ゆらゆら。
ゆらゆらを感じながら、遠くを見たり近くを見たり、首を傾けて見たり。
ぼ~っと時間を過ごす。

ふと、寝落ちしそうになる。木から落ちそうになる。慌ててバランスを取る。ちょっとぐらい危ないことをやっても、大ごとになる前に気づいて対処できる。小さいころから身を持って学んできたこと。大人になっても、そんな自然体の人生でいいんじゃない?

集合し、みんなに伝えたことは
自分は「ゆらゆら」が好きだってこと。
木の上でゆらゆら、そういえば前日も、みんなの話を聞きながらうなずきつつゆらゆら。
これ、自分が好きなことだ。自分が心地よいことだ。
そういえば、大好きな釣りも船の上でゆらゆらしてるし。
森と海の意外な共通点を発見。自分だけの共通点。


ゆっくりと流れる、森の時間。
そこに溶け込む自分。

ゆらゆら

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