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アートウォッチャーがオススメする展覧会の情報収集方法

私は、美術館やギャラリーなどで、展覧会と言われる展示を数多く観ていて、年間で最低でも100、多い時は300近くの展示を観ていて、ときには都内だけでなく地方にも足を運んでいます。

アートの領域だけではなく、グラフィックやプロダクト、インテリアなどのデザインの領域、工芸や民藝などのクラフトの領域など、様々な分野に興味関心を持っていて、そんな展示もたくさん観ながら生きています。
鑑賞するジャンルにボーダーがなく雑食な自分ですが、たまに「どうやって展覧会の情報を得ているんですか?」、「どうやったらそんなに展示を回れるですか?」と聞かれることがあります。

一度だけ、インスタのストーリーとDMで答えたことがありましたが、それ以降ちゃんとまとめていなく、展覧会についての情報は能動的にならないと取れないことが多いなと思うので、ナガサワ流ではありますが展覧会の情報収集の方法をまとめようと思います!
今後の展示に行く際や展覧会の情報収集のご参考にまでに。

1.美術系ウェブメディアを活用する

国内には、展覧会やアートに関する情報をまとめたウェブメディアが存在します。ウェブ自体は、展示のレポート、展覧会批評やレビュー、アート業界の動向などが載っていて、その一つに展覧会の情報をまとめたページが存在します。
自分は、その展覧会情報ページを活用して、載っている情報をもとに展示へ行ったりインスタなどで紹介をする際に会期などの情報を引用しています!

美術手帖ウェブ

bijutsutecho.com

雑誌「美術手帖」のウェブメディア。展覧会のレビューやアート関連のニュースが数多く掲載されています。
その中で自分が一番活用しているのが、「EXHIBITION」のページ。日本全国の美術館・展覧会情報がまとまっていて、検索することができます。

エリアのタブから好きな地域を選ぶことができる
東京だとさらに細かな六本木や渋谷などのエリアで展覧会情報を見れる

特に、エリアごと展覧会情報を見れるのがとても便利な機能です。

例えば、六本木ヒルズにある「森美術館」に行くことは決まっているけど、せっかくなら六本木近辺の他の展示を回りたいと思った時に、他のギャラリーや美術館で何をやっているのかを調べることが簡単にできます。
自分は、ひとつのお目当ての展示でその街に行く際には、必ずここをチェックしている。また美術手帖 IDに登録していると、展示のブックマークができるので気になったものをまとめることも可能です。

さらに細かな絞り込みもできるので、用途に合わせて活用してください!

Tokyo Art Beat

tokyoartbeat.com

Tokyo Art Beat(以下、TAB)は、老舗のアート関連のウェブメディア。美術手帖ウェブと同様に様々なアートに関するコンテンツを掲載しています。
TABのアプリ内で使用できる美術館の割引クーポン「ミューぽん」は昔から人気で、月額・年額のサブスクで対象の美術館の展示で割引を受けることができる。

そんなTABで、自分が一番使っている機能が、展覧会・イベント検索機能です。

前述の美術手帖ウェブと被る機能ではありますが、美術手帖より掲載のギャラリーが多かったり、検索機能が独自で個人的には好きで使っています。
エリアごとに見れるのはもちろんのこと、「写真」や「ファッション」、「グラフィック」などのジャンルごとの検索もでき、最近現代アートばっかり見てて、写真の展示を観に来たいな〜と思ったときに、表現手法ごとの展示を調べることができます。

ジャンル別一覧の検索はとても便利で個人的に使用頻度が高い

個人的には、この2つのサイト、アプリメインに使っています。
理由としては、美術館の展覧会以外にも、ギャラリーなど小さなアートスペースの展示情報も細やかに掲載されているという点です。

その他の展覧会情報サイトにも、情報がまとまっていているのですが、雑誌の美術館展覧会特集や観光ガイドのような感じで普段使いには向いていないなと思っています。もちろん、展覧会情報サイトと「美術手帖ウェブ」や「Tokyo Art Beat」を併用しながら、展示に関する情報を集めて、色んな美術館やギャラリーを巡ってもらえたら嬉しいです。

日本最大級のミュージアム情報サイト「アイエム[インターネットミュージアム]」
https://www.museum.or.jp

2.SNSを活用する

ウェブメディアは、正確な情報やレビュー、批評も載っていて便利な反面、新しいギャラリーや小さなギャラリーの情報、展示の様子が載っていることが少なく、どうしても情報の拾い逃しが出てしまいます。
ウェブメディアと一緒に活用して欲しいのがSNS。アーティストやギャラリーからの発信はもちろんのこと、私のように美術館、ギャラリーを巡っているアートジャンキー、アートインフルエンサーともいえるような人が数多くいます。
その中から、自分がフォローしていて、参考にしているX(Twitter)とInstagramのアカウントを何人か紹介します。

橋爪勇介 さん

すでに有名なので知っている方が多数いると思いますが、美術手帖 ウェブ版の編集長を務めていてる橋爪さん。
美術手帖 ウェブ版と重複するようなツイートが多いが、内覧会、取材で行った展示が載っているので、展覧会に関する情報をいちはやくゲットすることができます。
美術館関連の情報を手に入れたい人は、必ずフォローしておくとよいでしょう!

飯島モトハ さん

ライターで、現代美術コレクターでもある飯島モトハさん。
若手の現代美術のアーティストを中心に様々ギャラリーを巡って、その感想と写真などをSNSにアップされている。大規模な展覧会というより、小さなギャラリーの展示を中心にポストされているので、とても参考になる。
また、行ったエリアのギャラリーを複数回る傾向にあるので、ここの地区ではこんな展示がやっていて一緒にまわるといいな。などのギャラリー巡りのモデルケースになっているので、個人的には信頼している方です。

はむぞう さん

アートウォッチャーのはむぞうさん。
藝大、美大生から若手のアーティスト、レジェンドまで多岐にわたって展示に観に行っている方。本物のアートウォッチャー。この人の展示を観る量には敵わないなと思っています。
たくさん行っているが故か、会期が終わるギリギリや会期末に行った展示をポストしているので、はむぞうさんのポストで知ったときにはすでに行けないというケースが多発しますが、情報量は本当に多いのでフォローしておくべきひとりです。

佐藤達哉 さん

佐藤さんは、「The Chain Museum」というArtStickerやギャラリーなどを手掛けるアート関係の会社にてディレクターをされている方。
アートを生業にしているので、行っている展示の数が半端なく、また写真もたくさんポストしてくださるので、展示についての情報量がたくさんあって、行く際の参考になります。
若手の現代アートの展示がメインではありますが、多彩なジャンルの展示をアップされるのでぜひ参考にして展示を巡って欲しい。

3.好きなギャラリー、美術館を作る

メディアやインフルエンサーから情報を取ることも重要ではありますが、何より大事なのは好きなギャラリーや美術館を作ることなんじゃないかなと、自分は思います。

このギャラリー、この美術館の展示やキュレーションは信用できるから毎回行こうと決めたり、美術館のサポーターになって年パスを取得したり、ギャラリーにメールアドレスを教えてメルマガを流してもらったりなどなど。贔屓の場所を作ると自ずと展示に関する情報などが集まってくるような気がします。

また、好きなアーティストを作るなども大事で、そのアーティストが展示したらそのギャラリーを覚えて、そのエリアに行くようになったら次の展示でも足を運んだりなどなど、贔屓を作るというのはとても大事なことだと思います。

私自身も、「ギンザ・グラフィック・ギャラリー」の展示には毎回行くと決めているので、その度に銀座エリアのギャラリー、画廊を回るようにしています。
そんな風にルーティーン化したギャラリー巡りのルートができると、楽しく効率的に色んな展示が見れるのではと思います。

おわりに

アート好きには、それぞれ情報の取り方があると思っているので、今回紹介したものが正解だと思っていませんし、あくまで個人的な一例です。
別に情報を取らずになんとなく行ってよかったでも良いと思います!

自分の周りにも、SNSをフォローしてくださっている方にも、ギャラリーや美術館にたくさん行きたいけど、展示情報をどう知ったらいいのかわからないみたいな人が意外とたくさんいるなと思い、今回自分なりの情報の取り方を書いてみました。何かしら参考になれば嬉しいです!!

ちなみにInstagramで行った展示情報をちょいちょい書いているので、気になる方はフォローしてみてください!
IG:ken76a3

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