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イベントの企画会社に就職をする

前回からのつづきです。

退職してから、2週間で採用が決まりました。

就職先はイベントの企画をする会社です。

大手広告代理店の下請けを
メインとしていました。

仕事は前職と同じく、経理職になります。

この会社を選んだ理由は

・社歴が10年以上
・社名が日本語
・交通費全額支給
・社会保険完備
・退職金制度がある
・時間外手当がある
・休日が週休2日または隔週
・賞与が年2回ある

とすべて自分が望む条件に
あっていたからです。

それと、職場が銀座であったことです。

銀座に勤めているという優越感に
浸りたかったという思いがありました。

そんな、浮かれていた思いも
次第に薄れていきます。

会社の内情が、厳しいものだったからです。

その理由は、1996年3月から開催が予定され
ていた「世界都市博覧会」の中止です。

「世界都市博覧会」とは、
1970年に開催された大阪万博のような
イベントを当時東京都の都知事であった
鈴木俊一氏によって1993年に提案された
ものです。

「世界都市博覧会」というビックイベントが
吹っ飛んだことによって、
イベント企画の仕事を受注した発注先の企業
から代金を受け取れないという問題が発生し、
資金繰りが苦しくなりました。

そのことから、支払いとなる月末は
殺伐としたものとなります。

取引先に支払期日を伸ばす打診をしたり
支払いを催促してくる電話に対して、
居留守を使ったりといった感じです。

極めつけは「融通手形」を
使いだしてしまいます。

融通手形とは、
実際に商取引がされていないのに、
振出人の会社が融通して手形を振り出す
ことをいいます。

この融通してもらった手形を金融機関で割引、
または支払先に裏書譲渡をするなどして
急場の資金を捻出するということを
していました。

つまり、それだけ資金繰りに
困窮していたといえます。

この時点で「会社が潰れるのが先か、
それともクビになるのが先か」
覚悟を決めます。

案の定、上司から話があるといって
別室に呼ばれます。

「経理をしているから、会社の内情は
理解していると思う。申し訳ないが
来月の25日を持って会社を辞めてもらいたい」
と告げられます。

会社都合なので、
本来であれば予告手当を貰うのですが
1か月社員として籍を置き、
会社に来ないで転職活動をしてもいいという
条件で了承をしました。

でも、覚悟はしていたとはいえ
「どうなるんだろう」といったモヤモヤした
思いもあったのも事実。

ハッキリしたことによって
気持ちが楽になりました。

              (つづく)

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